カナーン家2
トローラとよく似たデコース。
カナーン男爵家長子にして、後継が決まっている。
2年前までは、父と同じく近衛騎士団に所属していたが、後継が正式に決まり、軍からは一旦離れ、領地にて運営修行中である。
父親によく似た体形と茶髪に茶色のデカイ眼。
この世界、王国軍には、正式除隊、不名誉除隊、名誉除隊、予備役除隊がある。
正式除隊は、いわゆる定年退職。
不名誉除隊は、不祥事などによるクビ。
名誉除隊は、戦死。
予備役除隊とは、デコースのように、一旦離れているが、戻れる待遇の事を言う。
デコースはパトリックより10歳上で、パトリックが子供の頃、年に一度、母と共に里帰りしていた時に、よく稽古をしてくれていた。
それはパトリックの母が、他界するまで続いていた。パトリックにとっては、実の兄達より──まあ、あの兄弟を兄と思っていたかすら怪しいが──デコースの事を兄と慕っていた。
身体は大きくて、力持ち。心は優しい。
それがデコースである。
アイシャは、パトリックより2つ下、元気が取り柄の、憎めないポッチャリだ。
パトリックには実の兄達と同じように、いやそれ以上に懐いている。
「パット、また家に来い !弟達も会いたがっているしな! 戦の話も聞きたい。領地運営の相談にも乗るぞ!」
デコースの言葉に、
「デコース兄! 正直助かる! いきなり当主になって、正直困ってたんだ!」
と、笑顔で笑う。
パトリックにも、家族と呼べる人達が、この世界には居た。




