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メンタル王

明日、3月15日に、3巻が発売となります。

書店さんによっては、既に並んでいるところもあるようです。

書籍でも完結できたお礼として、こちらにWebだけの SSを書き下ろします。

また、ハイファンタジーを始めますので、そちらの方もよろしくお願いします。

後書きにURLを載せておきます。


 ウィリアム・フォン・メンタル王


 現在、メンタル王国は三方をスネークス帝国に囲まれている。

 何故なら、スネークス辺境伯と、アボット辺境伯がメンタル王国から独立し、スネークス王国を名乗っているからだ。


 その両家の派閥の家や、交友のあった家もスネークス王国に編入され、それらの家に挟まれていた家も、挟み撃ちで潰されては堪らないと、スネークス王国に降る。


 その後、スネークス王国は西側のザビーン帝国に侵攻。

 巨大なザビーン帝国を、僅か1ヶ月ほどで占領し、スネークス帝国を宣言した。


 メンタル王国として、スネークス王国と友好条約を締結していたおかげで、攻めてくることは無かったのだが、現在、西側と北側はスネークス帝国のスネークス王国、南側はスネークス帝国所属のプラム王国である。


 唯一囲まれていない方角は、東の森、通称竜の森と言われる、ワイバーンと呼ばれる、空を飛ぶ竜の生息地という、非常に厄介な土地となる。


 それに加えて、塩を入手する手段をほぼスネークス帝国に握られた。

 なぜなら、今までは南方の友好国であったプラム王国や、北方の自領から塩が入ってきたが、そのほとんどがスネークス帝国になってしまったからだ。


 東の竜の森を抜けて海に出るなど、死ににいくようなものだ。

 近くの海岸に行くのも、ワイバーンが出るおそれもあるし、あの辺の海は水竜も多く危険な海なのだ。


 わずかに取れる岩塩と、少ない塩田。

 大部分を、スネークス帝国からの輸入に頼るしか無いのだ。


 次に鉄、これも3分の1の産出地が、スネークス帝国となり、必要数を確保する為に、残りの鉱山から掘りまくっているが、徐々に産出量が減っているので、コレも輸入に頼ることになる。


 次に酒。

 酒の最大産地だった、スネークス領が独立したことで別の地域で造ろうにも、その材料となる麦などが、民の食糧として消費されるために余分な食糧が少なく、酒に回す量が少ないため、国内での酒が減り、価格高騰してしまう。


 そこに、スネークス王国からの輸入の酒が出回るわけだが、質の良いスネークス王国産の酒を巡って争いが起きるのが悩みの種だ。


 スネークス王国産の酒は味が良く、とても人気があるため、貴族達がこぞって欲しがるので、酒を巡る派閥まで出来てしまった。


 せっかく派閥を無くしたのに、また出来たのだ。酒のために、スネークス王国を攻めろとか言う馬鹿まで出てくる。まあ、処分しているが。


「プラム王国もスネークス帝国になったし、ウチもスネークス帝国所属の、メンタル王国にして貰うか?」

 そう呟くと、宰相であるディクソン公爵が、


「酒をめぐる争いが絶えませんしな。しかし良いのですか?」

 と、言葉を返してきた。


 このディクソン公爵の三男であるケビンは、現在スネークス王国の貴族である。

 まあ、私の妹は、スネークス帝国皇帝の妻なのだが。


 スネークス帝国皇帝、パトリック・ファン・スネークスの部下として、戦場にて戦果を残したケビン。

 その妻は、我が国の宮廷魔術師、デコース・フォン・カナーンの妹、アイシャである。


 アイシャは皇帝の従姉妹であるし、優遇されていると聞く。

 ということは、言うまでもなくデコースも従兄弟である。

 もう、うちの国の中枢は、スネークス皇帝の親戚や友人だらけなのだ。


 王宮近衛騎士団長の、ウェイン・フォン・サイモンは、スネークス皇帝の親友だしな。


「なに、パトリックとは良い関係のままだし、妹からも、ウチに入るなら優遇すると手紙も来ている。どの道、塩の大部分を握られてるので、逆らうわけにもいかん。パトリックが王のうちに、良い条件で入る方が得策だろう? 先日生まれたパトリックの息子、まあ私の甥っ子だが、成長して王位を継ぐ時に、こちらに友好的とは限らんからな」

 そう答えると、


「心中、お察しいたします」

 と、ディクソン宰相が頭を下げる。


「なに、プラム王国の状況を見るに、やる事は変わらんのだ。属国の王になるだけだ」

 そう言って我が国の王都にある、スネークス帝国大使館に、その旨を伝える。


 後日、パトリック・ファン・スネークス皇帝が、我が妹ソーナリスと共に、翼竜に乗ってやって来た。

 翼竜から降り立つパトリックは、昔とたいして変わらぬが、少し迫力が増したかな。


「ようこそ。わざわざ来て貰って申し訳ない」

 ざっくばらんに話しかけると、


「いや、兄上に来てもらうより、私が来た方が早いでしょ」

 そう言って、右手を差し出すパトリックの手を握る。

 今でも、兄上と呼んでくれるのが嬉しい。


「お兄様、久しぶり!」

 そう言って話しかけてくる、妹の腕の中には我が甥にあたる赤ん坊が、抱かれている。


「ソナも、アルフォンスも元気そうでなによりだよ」

 と、甥っ子であるアルフォンスを見ながら言うと、


「元気よ〜」

 と、妹が機嫌良さそうに答えた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「良いのかい?」

 私の問いに、


「いいよ。兄弟国のようなもんだし」

 と、にこやかに笑う、パトリックの答えが返ってきた。


 属国は、税金を帝国に納めなければならないのだが、我がメンタル王国は税収の1割で良いと言われたのだ。

 これはプラム王国の1割五分よりも条件が良い。


 なお、他の属国は3割である。それでもザビーン帝国の時よりは少ないらしいが。


「助かるよ」

 と、私が言うと、


「そのかわり、馬鹿な貴族はちゃんと抑えて下さいよ? まだ私に文句を言ってる奴が居るそうだし」

 パトリックがそう言った。


「はは、参ったな。コツコツと排除してはいるんだけど、まだまだパトリックの事を怨んでいる者が多くてね。てか、王になってから分かったんだけど、パトリックやり過ぎじゃないか? ちょっと引いたぞ?」

 そう、王になってから、パトリックが我が国でしでかした事の全貌を知ったのだ。


「歯向かう者には容赦なくってのが、私の信条でね」

 と、悪びれもしないパトリック。


「まあ、カナーンやサイモンに手伝って貰ってるから、そのうち消せるよ。というか、この後一緒に飲むんだろ? カナーンが久々にブランデーが飲めるって、朝から嬉しそうだったからね」


「デコース兄とウェインが、良い酒持ってこいってうるさいんですよ。兄上も予定が無ければ一緒にどうです?」

 と、誘ってくれた。


「いいのかい?」

 と、聞くと、


「もちろん!」

 と、にこやかに笑う、我が義弟。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 スネークス帝国所属、メンタル王国。


 その国は、スネークス帝国崩壊後も、スネークス王国連邦として、スネークス王国、プラム王国と共に、大陸の東で、今も健在である。






こちら新作になります。


https://book1.adouzi.eu.org/n6569gv/1/



あ、新作のハイファンタジーですが、パトリック達が住む同じ大陸の西側でのお話です。


下に進むとタイトルがありますので、そこから飛べます。


 コミックスの一巻が、7月12日から9月10日に変更になりました。

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白かったです((´∀`*)) 主人公のやり過ぎ感が凄いけど、前世から現世幼少期を思えばよくその優しさ育めたなと思う
[一言] 面白くていっきに読んじゃったよ〜 終わってさみしいよ〜(;ω;)
[良い点] 本当に久しぶりだけど、サクサク読めて面白かったです。 異世界に転生してまで、こちらの価値観にしばられて、じれったい思いをさせる主人公が多い中、きっちり割り切ったこの作品の主人公は快適でした…
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