ルドルフ再び
前話までに書いたザビーン帝国の皇子達ですが、第1、第2を第2、第4と変更いたしました。把握願います。
パトリック達スネークス王国軍の快進撃は続く。
ぴーちゃんを見て抵抗する兵士は、決して多く無く、また弓矢や槍で抵抗する者が現れても、ぴーちゃんの鱗に傷1つ付けることすらできなかった。
蛇行して進むぴーちゃんの体に跳ね飛ばされ、全身打撲で倒れる兵士。
それを見て降伏する兵士や領主に、属国の国王。
帝国の中央から東側が、スネークス王国に占領されるのに2週間も掛からなかった。
後に言う2週間戦争である。
属国から挟み撃ちされるのを防ぐために、スネークス王国軍が制圧した国に派遣されていき、パトリックについてくる部隊は減っていく。
その後、中央にある砂漠を越えるのに多少日にちがかかりはしたが、帝国の帝領、メンタル王国で言う王都に辿りつくのに10日。
帝領をぐるりと囲む防護壁。
それをぴーちゃんの尻尾の二撃で破壊すると、開いた穴からスネークス王国軍が突入した。
「逃げる者は捨て置け! 向かってくる兵士のみ斬れ! 目指すは城にいるであろう皇帝とその一族! エルビス! ワイリー! 上手くやれよ! ミルコは馬車隊と共に、補給と負傷兵の救護を! カナーン、ディクソンはミルコと行動し、馬車隊や負傷兵を守れ!」
パトリックの叫びに、
『御意!』
と、声が返ってくる。
「よし! 突撃っ!」
ぴーちゃんの頭の上に立つパトリックが叫んだ。
蛇行して進むぴーちゃんは、上機嫌そのもの。
ぴーちゃんのスピードに、馬隊が全速力で続く。
敵からいっせいに放たれた弓矢を、ランスではたき落とすパトリックと、何もせずに跳ね返すぴーちゃん。
続く馬隊は矢の届かない位置で一旦止まり、敵の矢の雨が止むのを待っている。
ぴーちゃんの体当たりにより、帝領内に布陣していた弓兵たちが吹っ飛んでいく。
それにより、矢の攻撃がまばらになった頃合いに、突撃していく馬隊。
ぴーちゃんの体当たりの被害に遭わず、両翼に展開していた兵士達に、毒蛇隊たちが襲い掛かる。
次々と倒れるザビーン帝国兵士達は、逃げる兵士まで出てくるが、逃げる者はパトリックの言いつけ通り見逃している。
スネークス王国兵達は、確実にザビーン帝国の城に近づいていた。
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どんどん減る兵士達を、城から見ていたザビーン皇帝は、玉座に戻ると、
「ネルギス! あのバケモンをなんとか出来んのかっ!」
と怒鳴る。
また城の城壁内に敵は侵入していないが、城壁の外は巨大な蛇の魔物と、スネークス王国軍の兵士が走り回っていたのだ。
怒鳴られたのは、ザビーン帝国軍の元帥である、第1皇子ネルギス・ファン・ザビーン。なお、次期帝の最有力者ではあるが、決まってはいない。だからこそ、第2皇子や第4皇子は、手柄を立てようと前線に赴いたのだ。
「弓矢は刺さらないし、槍や剣などは近づく事すらできず、城のバリスタで狙ってみたのですが、尻尾で弾かれてしまうのですっ!」
と、父親である皇帝にいうと、
「一基で狙うからだ、全てをあのバケモノに向けろ!」
と皇帝が息子に指示する。
「やってます! ですが、全て弾かれるのです!」
「ならばバケモノの頭に乗ってる不気味なやつを矢で狙え!」
「それが父上! 先程忽然と姿を消しました!」
「なにっ⁉︎ どこにいったのだ! 城に潜入させておるまいなっ!」
「分かりません!」
「分からんで済むかっ! ええぃ、兵士を呼べ! ここを厳重に警備させろ!」
「はっ!」
ネルギスの命令で、兵士は皇帝が座る玉座を囲むように、配置される。
「父上、私もお側にて御守り致します」
と、1人の男が現れる。
「ふん、ルドルフか。お前が役にたつのか? メンタル王国侵攻に失敗したお前が。ネルギスがお前を出せと言ったから出してやったのだぞ?」
そう、以前パトリックに捕まって捕虜となり、送還された後は幽閉されていた第3皇子だ。
「スネークス王国は、私に屈辱を与えたあの男が王です! ヤツの顔は忘れません! それに戻らぬアレックス兄上やマックスよりは働けます。さらに私は切り札を手に入れております」
「ふん、好きにしろ」
「ありがたき幸せ。父上のお役に立って、汚名返上いたしとうございます」
そう言ってルドルフは、茶髪の背の高い1人の男を連れてきて、皇帝の近くで見張らせた。




