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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
四章 クーデター後も夜遊び

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097 2学期の終了


氷桜(ひざくら)吹雪!!」


 フィリップの新魔法がサラマンダーに炸裂!!


 説明しよう。氷桜吹雪とは、桜の花びらみたいな鋭い氷が竜巻に乗って無数に飛び回り、室内にいるモンスターを切り刻む魔法なのだ。

 ちなみにフィリップは詠唱からイロイロ考えていたけど、詠唱だけで2日も掛けてしまったから「何やってんだろ?」となって、魔法名もシンプルになってしまったのだ。


「おお~。一撃。その分、MP使用量はえげつないけどね」


 氷桜吹雪は、魔法特化であるフィリップのMPを3分の1も持って行く必殺技。しかし、狭い部屋なら全ての敵を一掃できるから、超便利な魔法なのだ。


「さってと。これなら楽チン安全で経験値を稼げるぞ~。次、行ってみよう!!」


 つまり、ハメ技。セーブポイントを使えばいくらでもMP補充ができるから、フィリップは行って来いで楽々経験値を稼ぐのであった。


「うっぷ……も、もう飲めない……」


 だが、10往復もすると、フィリップのお腹は水っ腹。そうは上手くいかないフィリップであったとさ。



 楽チンかどうかわからないレベリングのおかけでフィリップのレベルは順調に上がっているが、たまには顔を出さないと怒る人の元へと今日は遊びにやって来た。


「学校行かないで何してるんですか!」


 でも、クリスティーネはすでに怒っていた。調べたらフィリップの出席率は低すぎたから、毎日夜の街に繰り出していると思って怒っているのだ。


「夜遊び??」

「それはわかってるんですよ~~~」

「じゃあ、どゆこと??」

「なんでわからないのですか。学校に行かないと、いい大人になれないんですよ」

「もう大人顔負けの力も知恵もあるから、行く必要ないと思うけどな~」

「ああ言えばこう言う~~~」

「とりあえず、説教はあとでいい? チュチュチュ。モミモミモミ」


 フィリップに説教なんて通じず。クリスティーネもフィリップの能力は知っているので、流されてマッサージをやってしまうのであったとさ。



「では、説教の続きを……」

「えぇ~~」


 マッサージしてしまえば説教は終わると思っていたフィリップだが、クリスティーネはまだ続けたいらしい。


「中間試験も最下位だったじゃないですか? それはどう言い訳するのですか??」

「クリちゃんが僕が本気でやってると思っているのにビックリだよ。あんな簡単な問題、最下位取るほうが難しいんだよ」

「じゃあ、手を抜いてると……」

「当たり前じゃん。今度、問題用紙持って来てあげるから、クリちゃんやってみて。簡単だから」

「え……えっと、私はいいかな~?」

「なんで~? 大人だったらわかるはずだよね~??」

「だって~。学校なんて行ったことないんですも~~~ん」

「あ……ゴメン。ゴメンね? ヘソ曲げないで。ね? 優しく教えてあげるからね??」


 フィリップの反撃は大成功どころかクリスティーネに大ダメージ。また布団に潜ってしまったので、機嫌を取るのに時間が掛かるのであったとさ。



「答案用紙、出せ……」

「こわっ!?」


 日々が過ぎ、2学期の期末試験も終えて答案用紙が返却されたけど、フィリップが隠していたからダグマーがオコ。中間試験で最下位を取ったせいでめちゃくちゃ怒られたから出さなかったみたいだ。

 しかしあまりにも冷たい殺気を放つので、フィリップはカバンに入れっぱなしのノートに挟んでいた答案用紙を提出した。


「30点代ばかり……」

「みんなこんなもんだよ?」

「確かにそう聞いていますが、ラーシュ様は平均80点に上がっていたのですよ? 家臣にこれほど差を付けられて恥ずかしくないのですか?」

「あぁ~……アイツ、いつの間にかリンゴちゃんにフラれてたんだって。だから勉強一筋になったの」

「そんなこと聞いていませんのですが~~~?」

「は~い。勉強しま~す」


 ダグマーには「ああ言えばこう言う作戦」は通じない。お受験ママみたいになったダグマーにフィリップはしごかれて、テストの復習を頑張ったフリを見せるのであった。

 ちなみにラーシュがフラれたのは、勘違い。ウリカ嬢は「気になっている人がいるの」と思わせ振りなことを言っただけなのに、ラーシュは走って逃げたからフラれたと思っているだけ。

 ただし、ウリカ嬢が気になる人とは、ラーシュとフィリップなんだってさ。



 フィリップは真面目に勉強をして真面目にダグマーの足を舐めて機嫌を取ったらベッドイン。マッサージをしあって、スッキリしたら喋ってる。


「ちなみに冬休みって、何日あるの?」

「15日です」

「やっぱり帰れないか~……あ、父上から帰って来いとか言われてないの? クーデターあったじゃん??」

「今ごろ聞くのですか……」


 クーデターがあったのは2学期が始まる前。2学期は4ヶ月近くもあるのだから、遠くても手紙のやり取りは何度もできたのでダグマーも呆れている。


「成り行きを報告するように言われているだけです。できれば新女王と殿下も会わせて、これからの行動を探らせるように指示を受けていたのですが……」

「体調不良で出来なかったみたいな?」

「はい。勉強も遅れていましたし……」

「わかったよ~。冬休みは女王様と何度かお茶会でもしてみるよ」


 ダグマーがまた不機嫌になっていたので、フィリップもたまには皇族らしい仕事をすることを了承するのであった……


「セクハラ発言はしないでくださいよ?」

「わかったわかった」

「前みたいにオッパイオッパイ言ったら握り潰しますからね?」

「わかっ……それは酷くない?? 離して!?」


 ただし、注意してもフィリップは軽すぎるので、何とは言えない丸い物をコロコロして脅すダグマーであったとさ。


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