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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
二十章 最後まで夜遊び!!

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497 優遇措置


 神殿の闇をつまびらかにしたのはフィリップなのに、カイサとオーセから犯人扱い。城でもフレドリクとルイーゼが哀れな女性神官を救ったという噂で持ち切り。ルイーゼは神殿での聖女度アップだ。

 カイサたちはいちおうフィリップが言い出しっぺだから「これでいいの?」と聞いていたが、フィリップは「なんかしたっけ?」と記憶喪失のフリだ。


 そんな中、第二皇子は神殿長たちの仲間だという噂も流れたので、カイサたちは「やっぱり……」とフィリップの功績はゼロになった。

 ちなみにフレドリクからの呼び出しはあったので、運動のついでに神殿を見学をしていたと説明したら、「運動のついでに悪人をハメるな」とちょっと怒られたらしい。あの笑い方が悪かったね。


 運動不足の件は、カイサたちに合わせても意味がないと今ごろ気付いて、夜遊びにダンジョンでの戦闘をプラス。久し振りにモンスターを倒すのは楽しかったのか、娼館より行く頻度が増えていた。

 そんなある日、手紙が届いたからフィリップは頑張って昼型に戻し、懇意にしている薬屋に向かった。


「どうしてこんなところで?」


 手紙の主は、イデオン・リンドホルム騎士団長。面会予約を取ったらフィリップから変な場所を指定されたから、挨拶の次は疑問を口にした。


「ほら? 僕って面倒な立場じゃん? 貴族と会うと何かと疑われそうだから隠れて会うようにしてんの」

「なるほど。謀反を(たくら)んでると陛下に疑われないためですか」

「違う違う。貴族対策。1人でも会うと群がって来るでしょ? 集まったら、勝手に僕を担ぎ上げそうだからね~」

「ハハハ。ありそうな話ですな。さすがは殿下です」


 褒められ慣れていないフィリップは、さっさと用件を求めた。


「国境付近では、他国が何度も探りを入れる動きをしているそうです」

「あ、軍の動きを教えてくれるんだ。そういう情報が僕にはちょっとしか入って来ないから助かるよ」

「まだ大きな動きではありませんからね。それに遠い地で起こることですから、帝都に情報が届くまでに終わっていますから、おおっぴらに発表する必要もありませんので」

「だよね~……お兄様はどうするか知ってる?」


 フィリップが質問すると、イデオンは部屋の中を見渡してからもう一段声を小さくした。


「まだ先の話ですが、他国との会談を開くとのことです。陛下は帝都を離れますので、直前までご内密に」

「なるほどね~。対話を持って戦争を回避しようってワケだ。勝率は如何(いか)ほど?」

「それはなんとも……他国にも軍事費削減の話は届いていますので……」

「ま、お兄様のことだから、最低でも時間稼ぎはして帰って来るでしょ。父上もお兄様にめちゃくちゃ警戒してたから、他の王様も舐めては掛かれないよ」

「太上皇陛下がそんなことを?」


 フィリップは親友特典で愚痴を聞いていた話を披露。イデオンは愚痴なんか一度も聞いたことがなかったので、その意外な一面を嬉しそうに聞いていた。

 その流れで、イデオンも軽い愚痴。カイには子供の頃から手を焼き、先日決闘したことも実はヒヤヒヤしていたそうだ。


「ところで騎士団長って、いまは何してるの?」

「いまは騎士の育成部門にいます。そういえば、とっくに騎士団長ではなかったですな。ハハハ」

「あら? 騎士団長って言っても訂正しないから、まだ騎士団長してると思ってたよ」

「それがいまだに騎士団長と呼ぶ者が多くて。私も含めて、皆、慣れないみたいですな」

「そりゃ顔が騎士団長顔だもん。もうあだ名でいんじゃない? プププ」

「それではいまの騎士団長に悪いですよ。まぁ陛下の護衛でついて行きますので、そのまま国境付近の勤務に就く予定です。それでもう、私のことは忘れてしまうでしょう」


 どうやらイデオンは、フレドリクに不満がある者を多く連れて行き、謀反を起こさないように国境付近の戦闘でストレス発散させようとしているそうだ。


「それじゃあ、もうちょっとしたらお別れか~……」

「はっ。名残惜しいですが。しかし、最新の情報は伝えやすくなります。その時は、手紙は殿下宛に送ればいいですか?」

「う~ん……元騎士団長の手紙って、なんか危ない予感がするね。偽名を使って奴隷館にライアン宛で出して。オーナーには話を通しておくよ」

「奴隷館??」


 イデオンは徹底しているフィリップに感心はしたが、子供の頃から奴隷館に通っている話をされてその気持ちは吹っ飛んだ。

 子供が行く場所じゃないし、シンプルにその頃から城を抜け出していることに驚いたみたいだ。


「そういえば、お兄様の護衛ってどういう人選で行くの? カイも近衛騎士だからついて行くよね?」


 イデオンがあまりにも驚いた顔をしていたので、話を変えるフィリップ。しかしこれも機密事項に引っ掛かる会話らしい。


「息子は城に残り、謀反を止める役割に就くそうです」

「ふ~ん。ま、城を占拠される可能性を考えたら、カイは残したほうがいいか。でも、そんなに秘密にすることなの?」

「先日、陛下の幼馴染みのヨーセフが宰相の任に就きましたでしょう? カイも近々、近衛騎士団長の任に就き、モンスも神殿長の任に就くそうです」


 予想すらしていなかった話だったので、フィリップも生唾を飲み込んだ。


「ゴクッ……てことは……」

「陛下はお友達を優遇していると、また一段と帝国が荒れることでしょう」

「おお~い。それはいまじゃないよ~~~」


 最悪のタイミング。軍事費削減ですでに火が上がっているのに、フレドリクがガソリンを投入しようとしてるのだから、フィリップも頭を抱えるのであった。


「モンスの出世は、殿下が発端だと聞いたのですが……」

「騎士団長もやらかしたの関係あるんじゃない?」

「いや、私は……私のことにも一枚噛んでますよね?」

「うっ……これ、全部僕のせいなの??」


 神殿の人事が大きく動いたのはフィリップが何度もやらかしたせいは確定。騎士団長の件はフィリップが辞任を要求して、近衛騎士団長がスライドしたのだから関わりがないとは言えない。

 宰相の変更だけはフィリップのせいには見えないが、実力を全て見せていたらフィリップが後釜の大本命になっていたはず。


「全部お兄様のせいだよね?」

「まぁ……それは間違いありませんね」


 なので全てをフレドリクのせいにして、失敗という重荷はぶん投げるフィリップであったとさ。


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