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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
二十章 最後まで夜遊び!!

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492 騎士団長を助ける理由


 フィリップに軽々投げられ、子供のように扱われたイデオン騎士団長は放心状態。フィリップに速度でもパワーでも圧倒されたのだから仕方がない。そんな話はひとつも聞いたことがないからだ。


「本当は剣も使えるよ? ダンジョンに忍び込んで訓練したもん。ま、地上にいる人間相手には必要ないからめったに使わないけどね。これ、見える??」


 フィリップはアイテムボックスから出したカッチョイイ剣を何度も振るが、イデオン騎士団長は首を横に振るしかできない。風切り音が聞こえるだけで、フィリップの肘辺りから先が消えてるからだ。


「さてと……この最強の僕が、ザコの決闘を見てやったんだ。僕が敗者を間違えるはずないと思わない?」

「は、はい……」

「でしょ~?」


 イデオン騎士団長はなんてワガママな裁定をするのだと思ったが、暴力の権現(ごんげ)が目の前にいるから口答えもできないみたいだ。


「じゃあ、最強の僕から命令ね。死ぬな。お兄様は僕が絶対に説得する。どんなことがあろうとも、絶対に大往生しろ」

「はっ!!」


 ()くして、フィリップの力の一端に触れたイデオン騎士団長は、勢いに任せて返事をしてしまうのであっ……


「あの~……その力があれば、陛下を止めることが可能なのでは……」


 でも、すぐに気付いて質問してるよ。


「僕、別に貴族がどうなろうと知ったこっちゃないも~ん」

「そういう人でしたか……」


 フィリップの答えには、落胆するしかできないイデオン騎士団長であった。


 下手に刺激したら、帝国を滅ぼしかねない怪獣にしか見えないのだから……



 それからは難しい話。軍事費削減はもう覆すことは不可能だから、大量の粛清者を出しそうな謀反だけはなかったことにしたい。なので、フィリップは煽動未遂で役職を辞任させる方向に持って行きたい。

 これならばフレドリクの面子も立ち、騎士たちも罪に問われない。民にも言い訳が立ちそうだ。イデオン騎士団長も納得して笑顔を見せた。


「ふはは。どうりでコンラードが、どうにもならなくなったら殿下を頼れと言っていたワケだ」

「ああ~。前の宰相から聞いてたんだ。でも、こんな馬鹿は信じられなかったと」

「いや、その……」

「そりゃそうだよね。何もやりたくないから馬鹿を演じてたんだも~ん」

「それはそれでどうかと……」


 フィリップの賢さも認めたイデオン騎士団長でも、馬鹿を演じている理由が最低だったので少し物申してしまった。


「とりあえず、団長辞めたら国境付近に行ってくれない? あそこヤバイでしょ??」

「私に指揮を()れと言うことですか……しかし、陛下が希望を聞いてくれるかどうか」

「そん時は、騎士団じたい辞めちゃいなよ。領主に雇ってくれって言ったらいけそうじゃない??」

「一兵卒で最前列ってのは、なかなか楽しそうですな。血湧き肉躍りますな~。わははは」


 フィリップは「これだから脳筋は」と思ったけど、会話は途中だ。


「もしもの時は、僕が逃がしてあげるから早まったマネは絶対にしないでね? どこにいようと助けてあげるから」

「はい。しかし、私は殿下と喋ったこともなかったのに、どうして私なんかをこれほど気に掛けてくれるのですか?」

「帝都学院の時に、父上と親友だったんでしょ? 僕、聞いてるよ? 父上には親孝行できなかったから、その代わりにね~……騎士の本懐を邪魔してるから、迷惑か。アハハ」

「いえ……感謝いたします。太上皇陛下も、こんなに立派な息子がいて、さぞかし喜んでいることでしょう」


 フィリップが笑顔で答えると、イデオン騎士団長も笑顔を見せる。ただ、その目にはうっすらと涙が浮かんでいたのであった……



 イデオン騎士団長とはもうしばし喋り、フィリップのことは秘密にするように約束する。どちらかというと絶対に信じてもらえないから言えないだろう。

 壊れた壁もイデオン騎士団長が八つ当たりで壊したことにしたら、2人は訓練場を出て別々の方向に歩き出した。


「ねえ? 凄い音が鳴ってたけど、何があったの??」

「それが騎士団長、めちゃくちゃ暴れてさ~。怖かった~」

「「何を言った??」」

「息子に負けそうだったね~? って、笑っただけ」

「「だからだよ」」


 カイサとオーセは中で何があったのかと聞き出そうとしたが、フィリップは嘘しか言わないしそれがありそうなことなので、簡単に騙される。


「ところで僕の馬車ってどこにあるんだろ?」

「「えぇ~。また迷子~??」」


 さらには迷子ってことにしてこの話をうやむやに。フィリップたちは歩いている人に声を掛け、「どこから来てどこに行ったらいいかわかりません」と正直に話すのであった。

 そのせいで、第二皇子が城の中で迷子になったと噂が駆け巡ることになったけどね。



 フィリップたちが馬車を発見したのは1時間後。遭難したのに自力で下山した登山者のように、両手を振りながら馬車に駆け寄って来たから護衛騎士は意味不明って顔をしてた。

 その馬車に乗って中央館に。執務室に行こうと歩いていたら、イデオン騎士団長と鉢合わせしたのでフィリップは気まずそうにしてた。


 フレドリクには先にフィリップから話すと言って1時間後ぐらいに訪ねる手筈になっていたのに、ギリギリ間に合ったんだもん。迷子の件は言えませんでした。

 とりあえずイデオン騎士団長の面会は30分後に延期。フィリップは緊急だからとお願いして、執務室に入った。


「遅かったな……」

「あ、うん。えへへ~」


 もうすでに謀反の件は、カイから報告済み。フィリップの預かりとなっていたから、フレドリクはすぐに来るものだと思って待っていたんだとか……


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