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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
二十章 最後まで夜遊び!!

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487/522

487 好感度


 フィリップの悪評のせいでケルヒェンシュタイナー侯爵家のエレオノールは作戦に乗りたくないと泣き出したが、「絶対に手を出さない。絶対だから」と説得を繰り返したら、なんとか成功。

 フィリップは「押しに弱いな~」と悪い顔してるけど。


 その顔を見せるとエレオノールがまた泣き出しそうなので頑張って隠し、お見合い用の部屋に戻るフィリップたち。

 玄関の前にはカイサたちが待ち構えていたから、手を繋いで戻って来た2人を見て「お見合い成功??」とワクワクしてる。エレオノールのメイドは、心なしか目がキラーンと光った気がした。


「今日はウチに泊まってもらうことになったよ」

「へ?」

「誰が?」

「エレオノール嬢。馬車の手配よろしく~」

「「……はい」」


 まさかのお持ち帰り。カイサとオーセは「そんな早い展開あるの!?」と喋りながらダッシュ。メイドも「ワッショ~イ」と万歳していたけど、すぐに我に返ったのでエレオノールには見られなかった。

 それから根城に戻ったフィリップたちは、真っ直ぐエレオノールを2階へエスコート。護衛騎士は「殿下がお見合い相手をお持ち帰りして来たぞ~!」と大盛り上がりだ。


 フィリップの家臣とは違い、エレオノールはド緊張。初めて男の部屋に入ったのか、ソファーに座ってもカチンコチンだ。


「そんなに緊張しないで。我が家だと思ってくつろぎな」

「は、はい……」

「無理か~……一旦、僕たちは引っ込もうか。あっちの部屋にいるよ~」


 エレオノールの緊張を和らげるために、フィリップたちは寝室に。どちらのメイドも「どうなってんの?」と、ヒソヒソと主人に尋ね続けるのであった。



 しばらく二手に別れて話し合っていたらお昼が近くなったので、カイサとオーセはランチの準備をし、全員で食べる。

 エレオノールのメイドは第二皇子と同じテーブルで食べられないと断っていたが、フィリップが命令して無理矢理食べさせた。


 そのままフィリップたちは和気あいあいと食べ、食後もダラダラと喋っているので、エレオノールは何か言いたげにしていた。

 夕方になると豪華なディナーが始まり、ここでもフィリップたちは楽しそうにお喋りしているので、ついにエレオノールは話に入って来た。


「あの……」

「ん~? どったの??」

「いつも皆さんで食べているのですか?」

「うん。そうだよ。そのほうが楽しいでしょ?」

「はい。初めてで少し戸惑いましたが」

「だよね~? 僕、貴族の常識、全部無視だも~ん。アハハハハ」


 フィリップが笑うとカイサたちが「殿下は」と、常識のなさを笑いながら語る。


「プッ……ウフフ」


 なのでエレオノールも笑ってしまった。


「あ~! 笑ったね~?」

「も、申し訳ありません……」

「あ、怒ってないよ。やっと笑顔が見れて嬉しかっただけ。これで罪悪感なくマッサージができるよ~」

「殿下……」

「そういうこと言うから、笑顔が消えるんですよ……」

「ヤベッ! 我慢できなかった。アハハハハ」


 やっとエレオノールの緊張が(ほぐ)れたのに、フィリップの一言で台無し。オーセとカイサにジト目で見られたフィリップは、それにも負けずに笑い飛ばすのであった……



 笑い声の多いディナーも終われば、ドッキドキの夜。フィリップはエレオノールに先にお風呂を勧めたけど、「第二皇子を差し置いて」と拒否されたのでフィリップから。

 お風呂からはキャッキャッキャッキャッと笑い声が聞こえて来るので、エレオノールとメイドは「あの3人、中で何してるんだろ?」と気になって仕方がない。フィリップたちがスッキリした顔で出て来たからなおさらだ。


 それでもエレオノールはお風呂に入るしかない。これから起こることを予期して、メイドはエレオノールを念入りに手入れするのであった……



「さてと……やっと侍女さんは出て行ったね……グフフ」

「いや……やめて……」


 演技だと言っていたフィリップが悪い顔して迫るから、ベッドの上にバスローブ姿で置かれたエレオノールは涙目で後退(あとずさ)る。


「「それをやめろって言ってるでしょ」」

「あいたっ」


 その時、カイサとオーセがフィリップの頭を叩いて助けてくれた。エレオノールはメイドが皇子の頭を叩いたから、めっちゃ驚いてます。


「アハハ。冗談冗談。そんな泣きそうな顔しないで」

「は、はい……」

「てか、侍女さんからはなんか言われた?」

「はい。これはチャンスだから頑張るようにと。やはり父から何か言われていたのですね」

「だろうね。ま、皇子様との結婚目前なんだから、普通は大チャンスに見えるから、侍女さんに悪気はないかもね」


 エレオノールはさもありなんと頷き、長年お世話してくれているメイドのことは疑うことはしないと心に決めた。


「んじゃ、僕はカイサの部屋で寝るよ。あとのことは頼むね~。おやすみ~」

「「は~い。おやすみなさ~い」」

「おやすみなさいませ……」


 これからの打ち合わせを終えたフィリップが寝室から出て行くと、カイサとオーセはエレオノールが寝やすいようにセッティングする。そんな2人を見ていたエレオノールは、素朴な疑問を口にする。


「あの……殿下は、いつもあの調子なのですか?」

「はい。いつもふざけてますよ」

「噂とは当てにならないモノですね」

「「いえ。噂通りの人物です」」


 フィリップを1日見たエレオノールは好感度が上がっていたけど、カイサたちがフィリップの最低な逸話を語るので、元の位置にまで戻ってしまったよ。


「それは大変でしたね。私も騙されているのでしょうか……」

「あ……殿下は本当に優しい人ですから、手を出さないと約束したなら絶対に手を出しませんよ」

「殿下のおかげで助かったって人も少なからずいます。その人は、いまも殿下を慕って訪ねて来てますから、本当に悪い人ではないのです」


 どうやらフィリップが2人を送り込んだのは、エレオノールが不安を感じているだろうと思って好感度を上げるため。でも、下げる発言ばかりしていたから、2人も言い訳みたいにフォローが始まった。

 そうしてフィリップの好感度が上がってエレオノールにも眠気が来た頃に、ハッとした顔になった。


「私、このまま殿下のベッドで寝てもいいのでしょうか? 殿下は侍女のベッドで寝るのでしょう? お体を痛めたら、私のせいになるのでは……」

「「ああ~……」」


 今まで緊張のせいで、第二皇子のベッドを奪ったことに気付かなかったみたい。そんな申し訳なさそうにするエレオノールを連れて、2人はカイサの部屋に移動した。


「殿下はいませんね。お隣ですか?」

「「たぶん、別の女性のところに行ってると思います……」」

「へ??」

「「噂通りの人物ですみません……」」


 そんな心配はひとつもする必要ない。2人が深々と頭を下げて謝罪しても、エレオノールの好感度は初対面の時よりも下がってしまうのであったとさ。


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