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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十九章 おめでたい話があっても夜遊び

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471 嫌な役目


 貴族の直訴はお昼休憩を挟み、もう2時間ほど話を聞けばお開き。全員聞けなかったし、そもそも帳簿を持って来ていない貴族ばかりなので、後日、帳簿と裏帳簿を提出させる。

 その窓口は、エッガース伯爵家の新当主ステファン。フィリップは聞き取りもやるようにと無茶振りしてた。いけ好かないもん。


 帰りの馬車の中では、カイサとオーセはステファンの話題ばかりだ。


「いい人だったね~」

「それにカッコよかったよね~」

「「ね~?」」


 アレこそ貴族の見本とか言ってるのでフィリップはイライラだ。


「どこが? 胡散臭いよ」

「なんでプーちゃん、そんなに毛嫌いするの?」

「ステファン様だけじゃなく、お父様もいい人そうだったじゃない?」

「きっと、先祖代々そういう教えで育っているから、いい人が(にじ)み出てるのよ」

「絶対、プーちゃんの助けになる人よ。手放しちゃダメだよ」

「あんなヤツいらないよ。横領してた小悪党のほうがまだかわいげがある」

「「どこがよ!?」」


 フィリップが好みを発表したら、2人は説教。悪党を仲間にしてどうするんだとか、何を考えてるんだとか……


「賄賂くれる人っていい人でしょ?」

「それがダメだから陛下は怒ってるんでしょ~」

「ダメね。常識のないプーちゃんには何を言っても響かないね……」


 フィリップの基準がおかし過ぎて、説教する気も失せるオーセとカイサであった。



 根城に帰ったフィリップは、「ゲヘゲヘ」言いながら裏帳簿を熟読。それを気持ち悪そうに見るカイサとオーセ。本当に気持ち悪いもん。

 翌日も朝遅くから、ベッドの上で「ゲヘゲヘ」言ってるのでお昼には見てられなくなった。


「プーくん、陛下に会いに行くんじゃなかったの?」

「そうよ。ステファン様のお父様を助けてあげなよ」

「ん~? 明日から1ヶ月以内にやるよ」

「「期間!?」」


 いつもなら「明日やる」だったのに、今日は期間で応えられたので2人はナイスツッコミ。フィリップも「それそれ~」と笑ってる。

 それでも2人は飛び掛かって来たので、フィリップは「予約取ってないも~ん」と開き直り。2人はダッシュで出て行き、その日のうちに翌日の面会予約を取り付けるのであった。



「急にどうしたのだ?」


 応接室にてフィリップと2人きりになったフレドリクは、面会理由が書かれていなかったから、急用なのかと思って質問した。

 実は面会予約はカイサがフィリップの文字を真似て書いたから、要件が抜けていたのだ。


「なんかね~。最近、貴族がいっぱい訪ねて来るの~。なんとかしてくんない?」


 しかしフィリップはそれには触れない。文書偽装って立派な罪だもん。


「理由は聞いているのか?」

「ちょっとだけね。クビにされたから助けて~って」

「ならば、何もできないと追い返せばいい」

「そうなんだけど、帳簿を置いて行かれてさ~。どうやって返していいかもわからないんだけど」


 フィリップは帳簿を2冊出してテーブルに並べた。


「エッガース伯爵家とブッケル子爵家か……」

「ちょっだけ読ませてもらったけど、たいして悪いことしてるように見えないんだけど~?」

「そうでもない。エッガース伯爵家の場合は、商人からの賄賂を報告もせずに交遊費に使っている。そこから発生する税を神殿に寄付すれば、何人もの子供の生活を豊かにできていたのだ」

「し、神殿? 子供??」

「ああ。ルイーゼの肝入り政策でな。親のいない子供に、少しでもいい暮らしをさせてやろうと始めたのだ」


 フィリップは心の中で「聖女ちゃんのせいかよ~~~!!」と大声で叫んだ。顔は普通のままです。


「こ、この人は? ブッケル子爵家って人。横領も微々たる物で、全て夜の街で使われてるじゃない? 民に還元されてるよ?」

「額が少なくても、罪は罪だ。それに自分のために使っているのだから許せるワケがあるまい。ルイーゼも怒っていたからな」


 今度は「また聖女ちゃん出て来たよ!」っとフィリップも顔に出たけどすぐに戻す。


「そっか~……でも、ちょっとやりすぎじゃない? 父上は不正のネタは、もしもの時に取っておくとか言ってたよ? お兄様もそうしたら??」

「父上がそんなこと言っていたのか……初めて聞いた。あの清廉潔白な父上がか……」


 フレドリクが揺らいだように見えたフィリップは、すかさず追撃だ。


「お兄様には綺麗なところしか見せてなかったんだね。それが父上の理想だったのかも? 僕には清濁併せ呑むのも皇帝の務めとか言ってたんだけどな~」

「私とフィリップでは、まったく違う顔を見せていたのだな……」

「僕に汚れ仕事させたかったんじゃない? だってお兄様は、帝国の光のような物だもん。綺麗すぎて汚せないよ~」

「フフフ。まさか父上の教えを、フィリップから教わるとはな……うん。そうだな。光で民を照らすだけが皇帝ではない。時には汚れて民を守らなければ。フィリップ……ありがとう」

「礼なら父上に言いなよ。時間あるなら一緒に行く?」

「ああ。たまには2人揃って顔を見せに行こう」


 こうしてフィリップの意見は通ったかどうかわからないけど、フレドリクと一緒に太上皇のお墓参りをするフィリップであった……


(お父さん、嘘ばっかり言ってゴメンね? 兄貴が変なことするからさ~)


 ただし、フィリップは太上皇とそんな話をしたことがない……というか、自分が(そそのか)していたので、心の中で謝罪するのであったとさ。


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