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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十九章 おめでたい話があっても夜遊び

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466 フィリップVSカイ


 フィリップVSカイの決闘は、小麦粉目潰しが決まってからが本当のスタート。観客の騎士はカイがわざと喰らってやったのかと喋ってる。


「どこだ!」

「こっちこっち~」

「喰らえ!」

「マジか……」


 視力を奪っても、カイの剣はフィリップを(とら)えそうなので次なる手だ。


「騎士の諸君! 足踏み! 拍手! 第二皇子の命令だ~~~! 言うこと聞かないヤツは、処刑!!」

「「「「「ええぇぇ~~~……」」」」」


 目だけで足りないなら、耳だ。騎士たちは第二皇子の命令だから嫌々だが従い、訓練場は騒音で包まれた。


「その程度で俺から一本取れると思うなよ?」


 しかしカイは冷静。剣を中段で構えてカウンターを狙う。フィリップは「なに言ってんだ?」と思い、試しにショルダーバッグから石のボールを取り出して投げてみた。


「フンッ!」

「おお~。カッチョイイ~」


 すると、ボールは一刀両断。どうやらカイは、何かしらの気配を感じ取れるみたいだ。


「これならどうかな?」

「こいっ!!」


 とかいうやり取りをして、フィリップはチョイチョイと審判をしているボエルを呼ぶ。カイは足踏みや拍手のせいで何をやっているかわからない。

 ボエルはボエルで行きたくないので首をブンブン振っていたけど、フィリップの顔がどんどん悪い顔になっていくから、怖くなって寄って行った。絶対、何かされそうだと感じたんだとか。


「まさか斬り掛かれとか言わないよな?」

「ううん。そんなことしたら反則じゃん。だから……」

「それも反則じゃないか?」


 ヒソヒソと作戦を言い渡したら、ボエルは実行。その後、駆け足で離れて行った。


「いつになったら攻撃して来るんだよ!!」


 そんなことをしていたら、カイが痺れを切らす。カウンター待ちだったもん。


「ゴメンゴメ~ン。死ね~~~!!」

「そこか!!」


 フィリップはわざと大声を出しながら前進。カイはそれに反応して横斬り。


「ぐわっ!?」


 次の瞬間には、予期せぬ攻撃を頭に受けたカイは片膝を突いた。


「な、なんだ……剣??」


 カイが目を擦って視力を取り戻したら、足元には訓練用の剣が落ちていた。


「プププ。意志がある攻撃には対応できるけど、意志がない攻撃は対応できないんだ~。アハハハハ」

「何をしやがった!!」

「手品のタネをバラすマジシャンはいないでしょ~? アハハハハ」


 タネ明かしをすると、フィリップはボエルに剣を高々放り投げさせただけ。微調整でフィリップがカイを誘導したのだ。


「んじゃ、一本取ったから、僕の勝ちってことで」


 勝負あり。フィリップは勝ち名乗りを上げるので……


「何を言ってる。これは鬼ごっこ対決だ。まだまだ時間が残っているはずだ」

「あっ! しくったな~……僕の攻撃もルールに入れておけばよかった」

「では、そろそろ遊びはやめようではないか……」


 いや、勝負はまだつかない。カイは殺気を(まと)ってフィリップにゆっくり近付く。


「あ、聖女ちゃん!」

「ルイーゼ??」

「ふう~~~!!」

「わっ! またか!?」

「これ、何回引っ掛かるんだろ??」


 でも、簡単に小麦粉目潰しが成功するから、フィリップは余裕で逃げ回るのであったとさ。



 鬼ごっこ対決は、開始から8分経過。その間フィリップはカイの周りをチョロチョロしているだけなので、ギャラリーは「これ、何してんの?」と飽きている。

 自分たちの出している音のせいで2人のやり取りが聞こえないから、カイがルイーゼに反応していることには気付けないようだ。


「バーカ、アーホ。カイの筋肉~」


 あと、フィリップの程度の低い悪口も……筋肉は悪口に含まれるかどうかは謎だ。


「もう喰らわん!」

「あ、聖女ちゃん」

「クソ~~~!!」


 残り2分を切っているのに、ルイーゼを探してしまうカイ。必然的に小麦粉が目に入って視力が奪われる。

 だが、今回は少し様子が違う。フィリップへの怒り、自分への不甲斐なさ、ルイーゼへの愛……愛は関係ないけど、カイのガソリンみたいな物だから入れました。


 その様々な思いを乗せて、カイは目潰しを克服した。


「フィリップゥゥ~……見~え~る~ぞ~~~」

「こわっ……(まぶた)にも筋肉付いてるのかよ……」


 それはただの力業(ちからわざ)。目玉が粉まみれになっても閉じないだけ。さすがのフィリップも怖そうだ。


「この一発で終わらせてやるぅぅ~~~」

「手加減、忘れないでね……痛いの嫌だから……あ、参った! これでカイの勝ち。許して。ね?」


 怖すぎて、フィリップも敗北宣言。周りには聞こえない音量だから、フィリップは負けたつもりは一切ないけど……


「それでは俺が楽しめないぃぃ~」

「ちょっ! キレてる? キレてるよね??」

「キレてないですよぉぉ~」

「ヤバイ!? モンス! 助けて~~~!!」

「もう遅い!!」


 フィリップの小細工、キレたカイの前では通じず。カイは大きく振りかぶり、最速の剣を振り下ろした。


「「「「「……」」」」」


 それは刹那の出来事。あまりのことにギャラリーは声が出ない。

 剣で殴られたフィリップが地面と平行に飛び、石の壁にぶつかってめり込み、前のめりに倒れたからだ。


「「キャーーー!?」」

「「「「「で、殿下~~~!!」」」」」


 オーセとカイサの悲鳴によって、訓練場に音が戻る。騎士も慌ててフィリップの下へ走り、カイはその場で剣を落とした。


「殿下! 大丈夫ですか!? 嘘だろ……」


 一番乗りは、ダンジョン制覇者のモンス。容態を確認しようと仰向けにすると、フィリップは肩から一直線に腹辺りまで酷い出血をしていたのであった……


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