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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十九章 おめでたい話があっても夜遊び

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465 さらなる助っ人


 庭にいるボエルと護衛騎士が本気を出したカイにやられてしまったのだから、フィリップは両手を上げて出頭だ。


「いいところまで行ったのにな~……お疲れ様」

「フッ。俺に勝てるワケあるまい。まぁここまで追い込まれたのだから、なかなか楽しめたぞ」


 カイは笑ってはいるが疲れはあるのか、今日はフィリップの馬車に乗って訓練場に移動した。


「カイ。その傷、どうしたのですか?」

「フィリップにやられた」

「はい??」

「先にボエルを治してやってくれ」


 そこで待っていたのはロン毛イケメンのモンス。カイの傷に驚き、フィリップにやられたと聞いて驚き、ボエルの傷はカイがやったと聞いてまた驚く。何があったかまったく想像できないんだって。


「やはり陛下の心配は杞憂ではなかったのですね」

「フレドリクが何か言っていたのか?」

「カイがやらかしていないか見て来てくれと……」

「そんなこと……」

「「「「「ああ~……」」」」」

「うっ……」


 モンスの言葉を否定しようとしたカイだが、フィリップ筆頭に全員からジト目をされて黙った。

 自分も含めて大量の負傷者が出てるもん。主に護衛騎士が毎回……


「フィリップ! さあ! 訓練だ!!」


 なのでカイはその目をかわそうと訓練に逃げようとしやがる。


「……剣?」

「落とすなよ!」


 しかも剣を投げ渡したから、フィリップはよけちゃった。


「なんで剣??」

「筋トレやランニングなんて面白くないだろ? 俺に打ち込めば、楽しく強くなれるんだ。一石二鳥だろ??」

「の・う・き・んっ!!」


 理由を尋ねたらこの始末。フィリップも強く拒否だ。もちろんモンスもこのために派遣されている。


「それをやらかすと言うのですよ」

「そうでもないだろ。俺だぞ? フィリップのレベルに合わせて手加減するんだから、紙一重どころか10センチ手前にだって止められる。怪我なんてさせるワケないだろ」

「フィリップ君のレベルですか……素振りを見てから判断しましょう。見せてください」


 これはチャンスかと、フィリップは本気の素振りだ。


「へあ~」

「ヘロヘロですね……わかりました。許可します」

「なんで!?」


 本気は本気だけど、本気の手抜きではモンスは一振りで許可。カイの剣速が千だとしたら、フィリップはマイナス点だからいくらでも寸止めできると判断したのだ。



 こうなっては仕方がない。フィリップはさっさと終わらせようとカイの前に立ってへっぴり腰で剣を構えた。


「なんだその構えは!」

「あうっ……」

「そんな簡単に落とすな! 拾え!!」

「お前が拾え」

「なんだと~~~!!」

「カイが僕の剣に当てて落としたんだろ~」

「それが戦いなんだよ!!」

「じゃあ、僕の負けで。終了~」

「ま、待て。拾うから……」


 剣の勝負ではフィリップに分はないが、口喧嘩なら勝利。いまから楽しい剣を教えようとしていたのに、フィリップは剣を落とされただけでやめようとするもん。

 なので、カイもVIP対応。フィリップが落とした剣を拾い、攻撃だけをやらせる。


「あうっ……」

「また落としてるぞ~?」

「手が痺れて拾えない」

「あんなので!? ま、まぁほら? 痺れが取れたら握ろうか」


 こんなやり取りばかりをしているので、ギャラリーは面白くない。ボエルなんてヤジを飛ばしてる。フィリップに向けて……


「オレとやった時はもっとまともだっただろ! 真面目にやれよ!!」


 それは言ってはいけないこと。フィリップは黙れとジェスチャーしたけど、カイの目がキラーンと光った。


「ボエル、フィリップと何をやったんだ?」

「あ……け、剣の訓練、です……」

「ほう……俺とマンツーマンで訓練したいんだな……」

「決闘です! 負けました!!」


 どうやらボエル、カイの訓練に付き合わされて()を上げた経験があるらしい。だから自分の恥も隠せなかった。フィリップは「クマが恐れる獣ってなんだろう?」とか考えてます。


「ほっほ~う。ボエルを倒したのか~?」

「まぁ……汚い手を使ってだけど……」

「それを使え。そのほうが訓練になりそうだ」

「ええぇぇ~~~……」


 ()くして、フィリップVSカイの決闘が決まるのであった。



 第二皇子が決闘するとか言うので、騎士は興味津々。訓練場にいる全ての騎士が集まって、いまかいまかと開始を待つ。

 しかしフィリップは準備があると言ってダラダラ。オーセに馬車の中に置いてあるショルダーバッグを取って来させて、中身を確認してるフリをする。


 こんなこともあろうかと持って来たけど、中身なんて本当はカモフラージュの物しか入ってない。全てフィリップの指輪型アイテムボックスから入れ替えるだけ。

 カイを(いら)つかせるために時間を掛けていたけど、集まった騎士のほうが苛ついてるね。遅いもん。


「よしっ! 準備完了~。ニヒヒ」


 フィリップはショルダーバッグを装備したら、カイの前に立った。


「剣はどうしたんだ?」

「ボエルとやったの、鬼ごっこ対決だもん。必要ないよ」


 決闘方法を聞いてないカイが悪い。ボエルを見たら手を合わせて頭をペコペコ下げていたので「怒るのはお門違いだ」とフィリップが助けてあげた。


「わかった。10分だな。この俺様から逃げ切って見せよ!!」


 仕方がないので、そのルールを受け入れるカイ。フィリップなんかに大剣は必要ないと、普通の長さの訓練用の剣を抜いて突き付けた。

 それも必要ないとフィリップは思っているけど、カイは騎士。かっこつけたかったんだろうね。


「では、はじめっ!」

「ふう~~~!!」


 ボエルの掛け声で始まる決闘。フィリップは先手必勝の小麦粉目潰しだ!


「そんなモノ俺に効くか!!」


 フィリップが口で吹いたと見せて風魔法の風に乗った小麦粉は真っすぐカイに向かったが、カイは左手を大きく振って、力業(ちからわざ)で粉を吹き飛ばした。見ている騎士は「第二皇子、汚え……」と引いてます。


「それで終わりか?」

「なワケないでしょ。あっ!」


 カイが質問すると、フィリップは明後日の方向を指差したけど、これもまったく通じない。


「バカなのか? 戦闘中によそ見するバカがいると思うのか??」

「うん。いるよ」

「どこに……」

「あ、聖女ちゃん!」

「ルイーゼ??」


 フィリップがルイーゼを出しただけでよそ見しちゃったカイ。


「ここにだよ。ふう~~~!!」

「ぐっ!?」


 その隙に小麦粉を吹き掛けてカイの目を潰すフィリップであったとさ。


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