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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十八章 代替わりしても夜遊び

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「「「「「また来てくださいね~?」」」」」


 娼館での乱痴気騒ぎは、夕方にはお開き。騎士たちだけでなく、娼婦も嬉しそうにフィリップに手を振っている。


「プーくん。あの人たちに何したの?」

「娼婦の人って、あんなに笑顔になるものなの?」


 それを不思議に思うオーセとカイサ。


「そりゃお金しだいでしょ。たぶん僕、この娼館の1ヶ月分以上の稼ぎは渡したもん」

「「お金って凄いね……」」

「そうだよ。2人もいっぱい買ってもらってよかったね~?」

「これは断れなくて……」

「あの当主様、すぐ泣くんです……」


 でも、すぐに解決。ただし、ゼーバルト伯爵のお金の使い方には同情する2人。いちおうフィリップも大丈夫だったかと事情聴取してみたら、「かわいそうだからこれ以上のことはやめてあげて」との感想。

 ならばフィリップも手を出す必要はない。フィリップとしてはまだ酷いことをした覚えはないけど、感想を聞きながら宿屋に帰った。


 その宿屋にある一番広い部屋に騎士たちを全員集めたら、フィリップがあとからスキップで登場した。


「えぇ~。今日、楽しかった人、挙手~」

「「「「「はいっ!!」」」」」


 こちらの感想も聞きたかったみたい。騎士たちは笑顔で挙手だ。


「んじゃ、伯爵からの賄賂を受け取ったね」

「「「「「……わ、賄賂??」」」」」

「あんなの賄賂に決まってるじゃん。僕と同罪だ」


 娼館のお金はフィリップが勝手にバラ撒いていたお金もあるが、ゼーバルト伯爵が出したお金があるのは事実。

 騎士たちもフィリップが接待させているのを見ていたのだから、賄賂という言葉に血の気が引いたよ。


「てことで、僕たちが娼館に行ったの、お兄様には秘密にしてね~? 賄賂貰ったこともバレちゃうから」

「「「「「はい……」」」」」

「き、汚ぇ……」

「なに~? ボエルも2人に相手してもらってたじゃん。彼女にチクッちゃおっかな~??」

「何も言ってません!!」


 こうしてフィリップに絡んだ騎士20名。フィリップに大きな弱味を握られてしまい、服従するしかできなくなるのであった。


「これって私たちも……」

「だね……当主様と一番長くいたの、私たちなんだけど……」


 オーセとカイサも気付かない内に犯罪者の仲間に入れられていたので、ゼーバルト伯爵に奢ってもらったことを大後悔するのであったとさ。



 その日の夜は、宿屋はお通夜状態。みんなフレドリクにバレたことを想像して食も進まなかった。

 翌日からも、娼館巡り。カイサとオーセはゼーバルト伯爵は怖いので、2人でその辺ブラブラするんだって。でも、ゼーバルト伯爵から借りた護衛が囲んでいるのは秘密だ。


「みんなどうしたの?」

「「「「「いや、その……」」」」」


 もちろん騎士も接待なんて受けたくない。フィリップがついて来いと言っても店の中に入れないみたいだ。


「今日は100パー僕の奢りなのに……いらないならいいや。見張っておいてね~」

「ライアン様の奢りと言うのなら……」

「私も……」

「私もいいですか?」

「こいこい。順番ね~」

「「「「「はっ!」」」」」


 しかし、男の(さが)に勝てない騎士たち。昨日の天国が忘れられないと数人続いてからは、雪崩の如くだ。


「ライアン様……ちなみにこのお金ってどこから出てるのですか?」

「裏金だけど……」

「やっぱり~~~!!」

「ボエルはわかってて入って来たでしょ??」

「はい……」


 最後に入って来たボエルは、汚いお金とわかっていてもやめられないのであったとさ。



 ゼーバルト伯爵が暮らしている町でお世話になって4日目の朝……


「短い間だったけどありがとね。楽しかったよ」

「はっ! ライアン様が気に入ってくれて、感無量です!!」


 3日間、娼館漬けだったフィリップは、ゼーバルト伯爵に別れを告げていた。


「ちなみにですけど、皇帝陛下にはどのように報告するのでしょうか……」

「お互い相性が合わなかったでいいんじゃない? あ、体の相性も合わなかったって言ってもいい??」

「そ、その程度でしたら……でも、体の相性は言わなくても……」

「ダメならいいよ。僕のせいにしとこうかと思ったけど」

「いえ! お願いします!!」


 不手際があったのは間違いなくゼーバルト伯爵。それなのになかったことにしてくれるのだから、フィリップの乗った馬車を涙ながらにいつまでも見送るゼーバルト伯爵であった。



 高級宿屋を立った馬車はひた走り、最初は元気だったカイサたちに「あんなのでいいの?」と騙されたことを許していいのかと問い詰められていたが、酔って来たらこの話はおしまい。

 チビッコ組は全員進行方向を見て、乗り物酔いに耐えていた。


「あれ?」


 すると、窓から畑を見ていたフィリップは不意に首を傾げた。


「何かあったの?」

「うん……カカシが急に動いたように見えたんだけど……気のせいかな?」

「カカシって、畑を鳥から守るお人形のこと?」

「そそ。あ、またあった」


 フィリップが指差すと、オーセとカイサもそちらのほうを見た。


「プーくん、アレ、カカシじゃないよ?」

「そうなの? カリッカリだよ??」

「ボロボロの服を着てるからそう見えるだけよ」

「え? アレ、人間なの??」

「「当たり前でしょ」」


 フィリップ、カルチャーショック。こんなに汚い人間を見たのは、カールスタード王国のスラム街以来。いや、それよりも酷い状態だから、カカシに見えていたのだ。


「なんであんなにカリッカリなの?」

「私も初めて見たから自信はないけど、たぶん農奴って人じゃない?」

「あたしも初めて見た。酷い暮らしらしいね」

「農奴……そりゃ時代背景的にいるよね……」

「「時代背景??」」

「な、なんでもない」


 ちょっと失言したフィリップは適当にごまかし、農奴に接触しようと御者に指示を出すのであった……


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