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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十八章 代替わりしても夜遊び

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433 貴族の企て


 太上皇が体調を崩したからフィリップも中央館で待機していたが、城で働く人は迷惑そうな顔。なので太上皇の私室に籠もっていたら目を覚ましたので、あとのことはアガータに任せて撤退だ。

 それからも毎日太上皇の部屋を訪ねていたら、ついにフレドリク皇帝、初の式典が開幕した。


「あ~あ……父上も見たかっただろうな~」


 太上皇は体調が良かったらここだけは出席する予定であったが、ベッドから起き上がるのも辛そうにしていたから欠席。フィリップは長い長い行進を頬杖を突きながら見ていた。


「本当に残念ね。私にもっと力があったら……グスッ」

「お姉様はよくやってくれてるよ。だから泣かないで。ね? 一生のお願い……」


 ルイーゼも皇族席にいるからフィリップの呟きを拾われてしまってあたふた。フィリップはルイーゼと喋ってないと言いたがったが、遠くの4ヶ所から殺気が突き刺さったから怖いみたい。

 その殺気を飛ばしているのは、もちろんフレドリク、カイ、ヨーセフ、モンス。ルイーゼの涙センサーが付いているらしく、ルイーゼがどこにいても泣いていれば気付く仕様になっているからだ。(フィリップの思い込み)


 なんとかルイーゼが泣きやみ、四方に頭を下げまくったら殺気が消えたので一安心。フィリップも一仕事終えたと思ったら、騎士団長の説教が始まった。

 つまり、行進が終わって次のプログラムが始まっただけだね。フィリップも無駄な努力をしたと肩を落としました。


 コンラード宰相の長い説教も終わればフレドリクの独壇場。その演説に感動した貴族たちは、涙ながらに拍手を送り続けるのであった。


「これ、去年も見たヤツゥゥ~~~」


 フィリップ以外……去年の代打の焼き回しだと、ルイーゼに拾われない声量で嘆くのであった。



 続いての催しは、貴族のオッサンだらけのパーティー。最初はフィリップの下に誰も寄って来なかったから、カイサとオーセを呼び寄せて式典の感想を聞いていた。

 今回の式典は、去年カイサたちが見たがっていたので、フィリップが捻じ込んでいたのだ。というより、フレドリクにお願いしたら簡単に許可が出たんだって。


 もちろん貴族の大行進は壮観で感動したとのこと。大貴族を世話しながらチラチラ見ていたから、終わるまで飽きることはなかったそうだ。

 フィリップはその感想に「うっそだ~」と疑っていたら、貴族が一列に並んで列ができたのでカイサたちはコソコソと離れて行った。


「あん? なんか用??」


 それが気に食わないフィリップは超不機嫌な顔だ。


「これは小さいですが、ウチの領地にある娼館のナンバー1の姿絵なのですが……」

「ほう……なかなか美人じゃな~い」

「はい。ウチの娘も負けていませんよ。もしも結婚となっても、浮気程度で怒るほど娘の心は狭くありません。では、一考を……失礼します」

「ふ~ん……」


 でも、トランプ大の娼婦の姿絵を貰ったフィリップは興味津々。同じ大きさの娘の姿絵と見比べてスケベな顔になってる。


「こちらはウチの領地の……」

「おお~。(きわ)どいの描いて来たね~」


 てな感じで貴族はフィリップと短時間だけ喋って去って行く。どうやら去年、フィリップと下世話な話で盛り上がり過ぎてフレドリクに怒られたから、貴族たちは話し合って制限時間を決めて来たみたいだ。

 もちろん姿絵の裏には名前や住所なんかも書いてあるから、スケベなフィリップなら興味を持って連絡をくれるのではないかと期待している。


 フィリップは鼻の下が伸びまくっているから、全員、作戦が上手くいったと思ってるよ。

 ただ、その顔をフレドリクに見られると作戦に支障が出る。危ないと感じた貴族が率先して、「陛下がこっち見てますよ?」とフィリップに注意するのであった。



 おかげさまでフレドリクには気付かれずに、皇族の挨拶回りというか貴族の企みは無事終了。姿絵はカイサたちが隠してくれたから、完全犯罪成立だ。

 貴族のオッサンだらけのパーティーもお開きになると、フィリップはフレドリクと一緒に太上皇の部屋を訪ねて、今日の報告をしてから帰路に就くのであった。



「プーくん。パーティーで渡して来た布に包まれたモノってなんだったの?」

「お金? お金にしては変な形よね??」


 根城に入って一息ついたところで、カイサとオーセはテーブルの上に積まれたカラフルな布を指差した。


「これは~……引かないでね? 僕は断ったんだけど、無理矢理渡されたの~」

「本当に無理矢理?」

「嬉しそうに受け取っていたような……」

「ホントホント。だから貴族は嫌いなんだよ~」


 中身は女性に見せられないような物なので、フィリップは散々愚痴ってからの発表だ。


「綺麗な絵ね~。こんなに小さな物に描き込むなんて、さすがはお金持ちね」

「ちょっとカイサ待って。この絵、すっごくいやらしいよ??」

「え? ホント! ほとんど裸じゃない!!」

「プーく~ん?」

「プーちゃ~ん?」

「だから僕の本意じゃないと言ったでしょ~」


 際どいグラビア写真みたいな絵もあるんだから、2人はフィリップのことが信じられるワケがない。


「だからね。アイツらなりに頭を使った僕の勧誘だよ。裏に名前書いてるでしょ? その子と結婚したら、娼婦を付けますよ~? お得でしょ~?って」

「プーちゃんなら食い付きそう!」

「貴族様、賢いね!」

「食い付いても釣られないよ?」

「「ホントかな~??」」


 この作戦ならフィリップが一本釣りされると確信している2人。


「ま、今年辺り、旅に出てみよう。どこに行こっかな~?」

「プーくん。裏、裏見て決めよ?」

「その絵、貴族様じゃないよ? 何を見て決めようとしてるの??」

「……娼婦??」

「「釣られてるじゃな~~~い」」


 貴族の作戦、フィリップに効果覿面。オーセとカイサが注意してるのに、フィリップは娼館写真を綺麗に並べたり、似ている絵を神経衰弱みたいにして遊ぶのであった……


「なんかけっこう面白いね……」

「貴族様の名前も覚えられるしね……」


 それに付き合わされるオーセとカイサも楽しく遊ぶのであったとさ。


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