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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十八章 代替わりしても夜遊び

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431 親子の会話


 ドッキリ誕生日パーティーは、ボエルが帰ってからしばらくはフィリップの愚痴になっていたけど、お客が来たのでストップ。


「こう…太上皇陛下、お久し振りでございます」

「お久し振りでございます。お元気そうで安心しました」


 次にやって来たのはエイラとダグマーの元メイドコンビ。手紙のやり取りをしていたから、フィリップは招待状も送ってみたらノコノコやって来たのだ。


「ああ。久し振りだな。2人とも幸せに暮らしているとフィリップから聞いているぞ」

「はっ。それは太上皇陛下のおかげでもあります」

「私も良き殿方を紹介していただけたからだと存じます」

「固い固~い。念のため言っておくけど、父上が出席するの、招待状を送ったあとに決まったからドッキリとかじゃないよ?」

「本当ですか?」

「それなら一報を入れてくれたらよかっただけでは……」

「……あぁ~」


 場を和ませようとしたフィリップであったが、反撃にあってあえなく失敗。その手があったかといま気付いたから、皆から残念な目で見られてしまった。

 でも、エイラとダグマーは黙っているのも太上皇に失礼かと思い、話題を探してフィリップの話ばかりを質問する。城の噂の真偽を知りたいらしい……


「フィリップがフレドリクの座を狙っていると(ささや)かれているのか。ククク」


 フィリップが太上皇の部屋を何度も訪ねていたから、地方貴族には曲解して伝わっているらしい。


「お兄様が忙しいから、僕が話し相手になりに行ってるだけなのに酷いよね~?」

「フィリップは皇帝なんて興味ないぞ。まぁやろうと思えばなんとでもできそうだがな」

「ムリムリムリムリ。父上がそんなこと言うと2人が信じちゃうでしょ~」

「クククク」


 太上皇はフィリップの能力を全て聞いたから、フレドリクを蹴落とすぐらい余裕で出来ると笑いが漏れる。だが、エイラたちは「この馬鹿には無理だろ?」と思われているのでまったく伝わらなかった。

 その笑いのせいで「こんなに親馬鹿だったんだ」と、エイラとダグマーにお土産の情報を渡してしまった太上皇であった。



 元メイドコンビが帰って行くと、フィリップたちはまた歓談。そろそろお開きにしようかと話をしていたら、息を切らした背の高い男が走って来た。


「へ…太上皇陛下!? はは~」

「ラーシュ君、焦り過ぎ。今日は無礼講だからそこまでしなくていいよ?」


 最後にやって来たのは外交官のラーシュ。太上皇に気付いた瞬間に土下座までするとは、相当焦っていたみたいだ。


「なんでそんなに焦ってたの?」

「それは誕生日パーティーに参加すると返事したのに、不参加となりそうだったからです」

「もしも忙しいならドタキャンしてもいいって言ったのに~」

「皇子のパーティーですよ? そんなことできるワケないじゃないですか。もういいかと頭には(よぎ)りましたけど、来てよかったです~」

「ラーシュ君。僕のことも見てくれるかな?」


 ラーシュが来てよかった理由は、太上皇がいるから。怒られる可能性もあったし、そもそも尊敬する元皇帝が目の前にいてフランクに喋れる場なんてめったにないからラッキーとか思ってる。


「忙しいのによく駆け付けてくれたな。仕事は大丈夫だったのか?」

「はっ。少々揉めましたが、なんとか丸く収めましたので問題ありません」

「若い力が育っていると聞けて俺も満足だ」

「もったいないお言葉。太上皇陛下ならばひと睨みで事を収められたのですから、力不足を実感しているしだいです」

「ねえねえ? 僕の誕生日パーティーだよ??」


 ラーシュは太上皇とばかり喋っているので、フィリップも居たたまれない。喋り掛けたら太上皇は譲ってくれたけど、ラーシュはフィリップと話すことがないそうだ。

 なので先に来たペトロネラから太上皇がいることを聞かなかったのかと質問したら、今日は朝に会ったきりでずっと他国の使者の相手をしてたんだって。


 その話が終わるとラーシュは太上皇とばかり喋ってフィリップはいないことに。そろそろお開きだからと追い出すフィリップであった。


「忘れてました!」

「んん~?」


 しかし、ドアから少し進んだところでラーシュは慌てて戻って来た。


「お、お誕生日、おめでとうございます……」

「チッ……思い出しやがったか。あとからネチネチ言ってやろうと思ってたのに」

「セーフ!!」

「完全にアウトだよ?」


 お祝いの言葉を言ってなかったみたい。ラーシュは間に合ったとプレゼントも渡して帰って行ったけど、その言葉は一番最初に言わなくてはならない言葉なので、フィリップはネチネチ言ってやろうと心に刻むのであったとさ。



 ラーシュが出て行くと、誕生日パーティーは完全にお開き。フィリップは太上皇の馬車の準備が整うまで間を繋いでいた。


「フィリップを慕う者があんなにいたとはな」

「嫌味に聞こえるのは僕だけ?」

「嫌味ではない。アレだけ酷い噂があるのに、信じてくれているのだろう? そういう者は、大事にしろ。裏切られる確率が低くなる」

「皇族目線の話か~……僕は楽しくお喋りできたらそれだけでいいんだけどね」

「フッ。そうだったな。フィリップは裏切りも面白いと楽しむ者であった。いらぬ助言か」

「ううん。父上からの助言、すっごく嬉しいよ。お兄様ばっかり教えてるんだもん」

「フレドリクも教え甲斐ないぞ? 説明が途中なのに完璧にやるんだからな」

「そんな息子は嫌だね~。アハハハハ」


 馬車が来るまでのどかな時間。皇族ではなく親子の会話を楽しんでから、太上皇は馬車に揺られて帰って行くのであった……


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