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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十六章 来客が多くても夜遊び

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422 皇子の覚悟


 皇太子邸の書斎。フレドリクと一緒に死痛(しつう)病の写本を読んでいたフィリップだが、自分はまだ3分の1しか読んでないのにフレドリクは読み終えたので、写本をテーブルにポンッと投げ捨てた。


「もういいのか?」

「どうせ全部お兄様の頭の中に入ってるんでしょ?」

「まぁ一度読めば、大抵のことは覚えてるな」

「でしょうね~~~」


 フレドリクが天才過ぎて、フィリップはやる気が削がれたっぽい。


「掻い摘まんで説明すると、死者は倒れてから3ヶ月から6ヶ月の間に集中しているってところだな。薬での治療は不可能。神殿で看てもらった者もいたぞ。かなりの額を取られていたから、罵詈雑言も載っていた」

「てことは、余命は2ヶ月から5ヶ月ってことだね……」

「ああ。魔法、薬、どれも治らないのなら、根本的に違う治療法がないと父上は助けられない」


 フレドリクはまだ助ける方法を模索していたので、フィリップはヒントを与えてみる。


「内蔵から来る病気みたいだから、お腹をパカッと開けられたら、中で何が起こっているかわかりそうなのにね~……あ、そんなことしたら死んじゃうか。ゴメン、忘れて」


 その発言でフレドリクが驚いた顔をしていたから、フィリップは「気付いたなかな?」と考えて質問する。


「どうしたの? 僕の顔に何か付いてる?」

「いや……その発想は無かったから……」

「そりゃ僕は馬鹿だも~ん。馬鹿の言ってることは真に受けちゃダメだよ」

「いや……アリかもしれない……死痛病の死者と、健康体の死者の体の違いを調べれば……そこから何か掴めるかもしれない……」

「え? まさか死体を切り刻むの? 僕、父上の死体を(もてあそ)ばれるのはイヤだよ??」

「そ、そうだな。私もイヤだ。しかし、充分な補償をしてやれば……」


 フレドリクはブツブツと、身寄りのない健康な重犯罪者ならば容易に被験者にできるとか、死痛病患者は死ぬまでの痛み止め薬を国が支給すれば、遺体の解剖は許されるのではないかと考えている。

 フィリップはその考えを邪魔しないように聞いて「それそれ~」と、心の中で大賛成していた。


「てことは、父上は助けられるってこと?」

「それはない。いまから始めたとしても、治療法が確立されるまでに数十年は掛かるから、到底間に合う話ではない。もしも神殿が医者や薬屋を弾圧していなかったら、今ごろ完成していたかもしれないが……たらればだな」

「僕にしたらチンプンカンプンかな?」


 希望の光は種火がついたところ。フィリップはわかっているクセに、わからないフリをする。


「致し方ない。明日、告知しよう」

「それしかないんだね……」

「ああ。辛いと思うが、フィリップも同席してくれ」

「うん……お兄様1人に重荷を背負わせられないし……」

「フフ。頼んだぞ」


 やれることは全てやった。フレドリクの決意にフィリップが賛同し、この日は明日の力を溜めるように、強く抱き締め合った2人であった……



 翌朝、客室で寝ていたフィリップはカイサたちに起こされて食堂に顔を出したら、また逆ハーレムメンバーが揃っていたから悲しい気持ちが吹っ飛んだ。見たくもないもん。

 それから逆ハーレムメンバーの出勤に合わせてフィリップも根城に帰宅。ベッドに飛び込んでボーッとしていたら、カイサとオーセが隣に寝転んだ。


「なんかいつもと雰囲気が違うけど、どうかしたの?」

「またフレドリク殿下に怒られたの?」

「ん~? ちょっとモンスたちと絡んで疲れただけ。そっちも疲れた顔してない??」

「そうなの。皇后様が一緒に寝ようと言って来て……」

「夜通しお喋りしようとか言って来たのよ~。そのクセ自分は真っ先に寝るし」

「アハハ。それは大変だったね。ちょっと寝たら?」


 2人はルイーゼが寝てしまったので、一緒に寝てもいいのか悩んでいたから寝不足。フィリップが許可したら、お言葉に甘えて抱きついて眠る。

 フィリップも寝不足だったので眠り、夕方になったら中央館に向かった。その馬車の中では、フィリップはずっとセクハラ発言をしていたから、カイサたちはフィリップの表情には気付けなかった。


 その後、執務室の前室でフィリップが待っていたら、フレドリクが出て来たので一気に空気が張り詰める。フィリップもそれに当てられて真面目な顔をするから、カイサたちは何が起こっているかわからない。

 そうして皇帝の私室にフレドリクとフィリップが消えると、ドアの前に残った者たちは「いったいこれから何が起こるのだ」と、口々に心配する声があがるのであった……



 2個目のドアの前に立ったフレドリクとフィリップは、深呼吸をしたら頷き合ってフィリップがドアを開ける。

 フレドリクから先に入るとメイドたちは外に出し、ドアは再び閉じられた。


「フッ……ついに覚悟が決まったのだな」


 フレドリクとフィリップがベッドの前で背筋を正して立つと、皇帝は優しく笑った。


「はっ。皇帝陛下におかれましては、これまで多くの虚言を吐きましたことをここにお詫びします」

「前置きはいい。結論から言え」

「度々お詫び申し上げます。陛下の心の準備のために、これまで私たちが取り組んで来たことからお話させていただけると幸いです」

「……わかった。好きにしろ」

「「はっ! 有り難き幸せ!!」」


 こうしてフレドリクとフィリップが敬礼してから、皇帝の病状が一から告げられるのであった……


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