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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
二章 学校で夜遊び

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041 フィリップの噂


 終業のチャイムが鳴ると、フィリップは1人で帰ろうとしたのでラーシュが追いかけ、ダグマーたちと合流したら校舎を出る。するとそこには……


「「「「「キャーーー! フィリップ殿下~~~!!」」」」」


 女子の群れ。黄色い声援をフィリップに送っている。


「うわ~~~。より取り見取りだね~。どの子から行こうかな?」

「殿下、お(たわむ)れを……」

「あ、冗談冗談。こうならないために急いで出て来たのに、こいつら早すぎるな。アハハ」

「……本当ですか?」


 フィリップが美人の生徒をエロイ目で見たら、ダグマーに足を踏まれたので言い訳。まったく信用してもらえていないけど……


「ここは護衛を使っていいんだよね?」

「はい」

「だったら、あの子とあの子を……冗談で~す。しっかり護衛して連れ帰ってくださ~い」


 フィリップが上級生で巨乳の女子を指差すと再びダグマーに足を踏まれたので、護衛に道を開けさせて寮に帰るのであった。



 寮に戻ると、2階の大食堂には男子の群れが待ち構えていたので、フィリップも嫌そうな顔。


「女子ならわかるんだけど、男子はなんなの? 僕に抱かれたいの??」

「ご親友になられたいのかと。帝国とのパイプになれますので……いちおう聞きますけど、そんな趣味は……」

「ないに決まってるでしょ~~~」


 ダグマーに変なことを言われて嫌気が差したフィリップは、男子を蹴散らして上階へ移動。夕食まで引きこもる作戦に出た。


「あんっ! は、激しい……」

「これで信じたか~~~!!」


 あと、女性大好きとダグマーにわからせていたのであったとさ。



 それから数日、この騒ぎはまったく収まる気配はないがフィリップは真面目に通っている。1、2年生の建物にさえ入れば数は激減するが、相手をするのは面倒そうだ。


「ねえ……人って、あんな目で笑えるんだね……」


 もうフィリップもうんざり。席で頬杖つきながらラーシュに愚痴ってる。


「あんな目とは??」

「気付いてないの? 女子も男子も、僕と喋る時は目がぜんぜん笑ってないの。なんなら血走ってるよ」

「あ~……位の低い者にありがちな目ですね。必死に取り入ろうとして失敗する(たぐ)いです」

「ラーシュも経験あるんだ~……それって女子??」

「女子だったらなんなのですか?」

「そんな子に手を出したらどうなるか聞きたいの。やっぱりあとが怖いのかな? ヤッちゃった??」

「ななな、何を言ってるんですか!? 殿下と私は違うんですよ!!」


 ラーシュがめちゃくちゃ焦っているのでフィリップは童貞と決め付けていたけど、10歳なんだから当然だ。


「ちょっとした質問じゃん。質問ついでに聞くけど……」

「な、なんですか……」

「僕に近付くのって、女子のほうが多いじゃない? これって、僕が男だから? それとも、帝国の噂がここまで流れているから??」

「あ、そういう質問ですか……」


 フィリップからエロイ質問が来ると構えていたラーシュは、考えてから答えを出す。


「申し訳ありません……どちらも可能性があるとしか……」

「だよね~……情報って集められる? いや、ダグマーに頼んだほうが早いか」

「いえ、それぐらいできます! 数日ください!!」

「んじゃ、頼んだよ」


 ひとまずラーシュに指示を出したフィリップは、机に突っ伏して寝てるアピールでうっとうしい生徒たちをやり過ごすのであった。



 それから数日経つとラーシュの元へと情報が集まったので、教室の席で女子と喋っているフィリップの前に、怒った顔で寄って来た。


「殿下……」

「ん??」

「その子たちは……」

「隣のクラスの子。ハルム王国から来たんだって。褐色の肌って珍しいよね~?」

「そんなことするから噂が増えるんですよ!!」


 ラーシュは怒鳴って女子を追い払うと、調査結果を報告する。


「やはり、殿下の噂は、他国にも入っていてみんな知っているようでした」

「やっぱり~? でも、噂が増えるってのはなに??」

「ですから、殿下は気になった女子をクラスまで呼び寄せていると噂されているんですよ。その子は、む、胸を触られたとか……」

「え~! 手すら触れてないのに~~~」

「本当ですか? じゃあ、どうしてそんな噂が立つんですか??」


 ラーシュはまったく信用していないが、フィリップは気にせず考えながらノートを開いた。


「う~ん……コレかな? 他国の女子の情報」

「なんですかコレ……胸の大きい人の割合って……だから変な噂が増えるんですよ!!」


 まったくその通り。フィリップは女子とお喋りする時、決まって上級生の胸のサイズを聞いていたのだ。たぶん、同級生はまだ育っていないから、タイプじゃないんだと思われる。美人の順位は付けてるけど……

 このこともあって、フィリップにツバを付けたい女子は「触られちゃった」とマウントを取ろうとしていたのだ。


「この分だと、もっと酷い噂になってしまいますよ?」

「まぁいいんじゃない? 好きに喋らせておけば、僕の評価は自然と下がって言い寄って来ないでしょ」

「それが狙いだった……わけないですね」

「うん。大人になってから遊びに行くのが楽しみだ~」

「このエロアホ皇子……」

「なんか言った??」

「いえ~」


 ラーシュはフィリップの賢さを否定したのに被せて来たので、酷いことをボソッと言うのであった。



 5時間目まで寝続けて授業に出席したフィリップは、ラーシュたちを伴って建物を出たら、今日の出待ちはちょっと違う。


「「「「「フィリップ殿下~~~」」」」」


 上級生で巨乳の女子が、胸元の開いた制服で大量に待ち構えていたのだ。さすがにこのあからさまなハニートラップには、フィリップも引いてい……


「うっひょ~~~! 今日は入れ食いだ~~~!!」


 いや、大興奮だ。めちゃくちゃ胸を盛ってる子もいるのに……


「ダグマー! 頼む!!」

「はっ!」


 というわけで、ラーシュはダグマーに命令してフィリップの頭から袋を被せ、担いで走らせるのであった。


「なに? なにも見えないよ!? 僕の巨乳~~~!!」

「黙れ~~~!!」


 でも、フィリップが大声で「巨乳、巨乳」言うので、ラーシュはキレるのであったとさ。


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