409 2日振りの根城
ダンマーク辺境伯の引き留めが成功したフィリップはトボトボと歩き、皇帝の私室に戻って来たらカイサとオーセが正面から走って来た。
「どこ行ってたの?」
「また焦ってたよね?」
どうやらフィリップの行動が気になって仕方がなかったらしい。
「ちょ~っと、父上に仕事を押し付けられてね。断ったらめっちゃ怒られたから急いでたの」
「「断るからだよ」」
フィリップは嘘でやり込めたけど、2人はまだ聞きたいことがあるようだ。
「今夜もこっちに残るの?」
「今日は~……たぶん帰れると思う。でも、お兄様に相談してからだね。あ、皇族食堂にランチの予約入れて来てくれる? 僕は父上に報告して来るよ~」
「「は~い」」
フィリップが根城に帰ると聞いて、2人の顔はパッと明るくなる。どうやら主がいなくて寂しかったみたいだ。
2人が離れて行くと、フィリップは私室に入って皇帝に報告。ただ、嘘をつきまくったので、掻い摘まんだ説明だけだ。
「ふむ。今年もなんとか乗り切れたな。よくやった。しかし、ダンマーク辺境伯領に旅行か……」
「あ、遠いから嫌だった?」
「距離の問題ではなく、特産品が何も無いのだ」
ダンマーク辺境伯領は、国境付近の領地では珍しく、ふたつの国と面している。そのおかげで商人の往来が活発だから、収入はほとんど通行税で、それだけで領地運営は賄えているそうだ。
「それなら他国のお酒でも用意させよう! 調度品や服も面白いのないかな~?」
「フッ……そうだな。珍しい物を用意させようか」
なんだかんだで旅行の話で盛り上がる2人。お昼になるとフィリップは食事をとりに出て行き、戻って来ると皇帝が目を閉じていたので静かに待つ。
おやつの時間になると、アガータがプリンのような物を持って来て、皇帝に食べさせたら痛み止めの処方だ。
「どうどう?」
「うむ……痛みはほとんど消えたな」
「おお~。あとは副作用だね。体の変化、何かあったら絶対に教えて。薬屋に改良させるから」
「フッ……本当に神官みたいなことを言うな。いや、薬屋にでもなるつもりか?」
「僕にそんな自由あったんだ! アハハハハ」
「あるわけないだろ。わはははは」
皇帝が冗談を言うのでフィリップも冗談返し。その微笑ましいやり取りを見ていたアガータは、そっと席を外して目にハンカチを当てるのであった……
時刻は夕刻。痛み止めの副作用は吐き気があるみたいだったので、吐き気に効く薬を処方して様子見。そうしていたら、仕事を終えたフレドリクがやって来た。
「父上。お目覚めになられたのに駆け付けられなくて申し訳ありませんでした」
「よい。俺の代わりをしてくれていたのだ。その仕事を放り出していたら、追い返していたところだ」
「ハハハ。そう思って会うのを躊躇ったのもありますけどね」
「フッ。よくやってくれた」
皇帝はフレドリクを褒めると、優しい目で見詰める。それからフレドリクは皇帝から体調を聞き、フィリップには小声で痛み止めの報告を聞いていた。
ここで中級の痛み止めをしばらく使うことに決定。後日、フィリップが買いに行くことも決まっていた。フィリップは「いつまでお使いしなくちゃいけないんだろ?」と思っているけど。やるのはいいけど、長いのは嫌なんだって。
数十分ほどお話をしていたらフレドリクが席を立ったので、フィリップもあとのことはメイドに任せて一緒にドアに向かう。
その前室でフィリップはフレドリクを呼び止め、人も外に追いやった。
「あの話、誰がいつする?」
内緒話の内容は、皇帝の余命。フィリップはわかりきった質問をした。
「無論、私がする。しかし、父上はお元気そうだったが、本当に死期が近いのか?」
「それは僕もわからないや~……明日、薬屋に薬の発注しに行くから、その時にもうちょっと詳しいこと聞いて来るよ」
「ああ。そうしてくれ。こちらも神殿から似たような症例を集めているから、それ以降にこの話をしようか」
「わかった~。さってと、久々に自分のベッドで寝れる~」
フィリップは痛み止めが効いてるだけと言いたかったが、賢いと思われないように話を逸らす。そして背伸びをしながらドアに向かった。
「フフフ。フィリップもやる時はやるのだな。フィリップがいたから、心配せずに仕事に打ち込めた。ありがとう」
「そんなのやめてよ~。子供なら当然のことしただけだよ~」
フレドリクは感謝しながらフィリップの頭を撫でるので、ドアが開いた時に仲睦まじい兄弟の姿を周りに見られてしまったのであった。
フレドリクがフィリップの頭を撫でていたところを見たカイサとオーセはキュンキュン。馬車で根城に帰る間、羨ましそうにしてた。自分もフレドリクに撫でられたかったらしい。
根城に戻るとフィリップはカイサとオーセに服を脱がされ、お風呂でマッサージを一発。2日も何もなかったから、2人も溜まっていたっぽい。
夕食を終えたらベッドにフィリップを投げ捨てて第2ラウンド。フィリップも溜まっていたから喜ばしい限りだが、第5ラウンドまで来たから大変だ。
「ふ、2人とも、そんな子だったっけ?」
「「……え?」」
「いや、がっついてるから、そんなにマッサージが好きだったのかと思って」
「えっと……プーちゃんのせいかな?」
「そうよ。プーくんがあんなに気持ちいいことするからでしょ~」
どうやら2人は、半年もフィリップの改造手術を受けたからフィリップ色に染まってるっぽい。
「も、もう、限界……ガクッ」
「「えぇ~。夜はこれからでしょ~」」
2日間、寝る時間がまちまちだったフィリップが限界迎えても、ドエロイ合法ロリとなった2人は許してくれないのであったとさ。




