表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十六章 来客が多くても夜遊び

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

405/522

405 いい女


「あ、そうだ。これあげる~」


 薬屋のキムから必要な薬を買って脅しておいたフィリップは、ショルダーバッグから液体の入ったビンを数個取り出してテーブルに乗せた。


「これは?」

「ポーション。聞いたことぐらいあるでしょ?」

「こ、こんな貴重な物を……」

「各種状態異常のポーションもあるから、作れるか研究しといてよ。特に麻痺ポーションは、死痛病にも使えるか早く知りたいな~?」

「はいっ! ちなみに優先順位は、ポーションからでよろしいのですか?」


 脅し過ぎたかもしれないのでフィリップがアメを渡したら、キムはポーションに興味津々。薬屋としては、貴族にしか出回らない薬がいつも気になっていたのだ。


「う~ん……麻痺ポーションの次は、避妊薬がいいんだけど」

「それだと時間が掛かり過ぎますよ~~~」


 でも、フィリップが新薬を欲していたので、いつになったらポーションに取り掛かれるのかと嘆くキムであったとさ。



 今までフィリップに協力していたキャロリーナだが、落胆するキムがちょっとかわいそうなので助言。避妊薬は腕のいい人に譲ればポーションを研究する時間が取れると折中案を出していた。

 しかし避妊薬が成功すれば、多大な研究費と利益が約束されるので、キムも大いに悩む。ひとまず麻痺ポーションから取り掛かってから業務委託は決めるみたいだ。


 とりあえず欲しい薬は全て手に入ったから帰ろうとしたら、隣の待合い室に移動したところでキャロリーナはフィリップの首根っこを掴んでテーブル席に座らせた。


「どったの?」

「ひとつ聞きたいことがあるんだけどぉ……ライアン君が危険を冒してまで直接出向くってことは、もしかして痛み止めが必要な方は、あの方なのでは?」


 キャロリーナが神妙な顔で質問すると、フィリップは悩む仕草をしてしまったので、失敗したと表情を崩した。


「さすがキャロちゃんだね~。症状のことはまだ僕の侍女や騎士も知らないことだから、絶対に表に出さないでね?」

「ウ、ウソ……治らないなんてウソよね?」

「それは神のみぞ知るだよ。僕は最悪のケースを想定して動いてるの。少しでも苦痛を取り除けるようにね」

「その最悪のケースって……もう長くないってこと?」

「うん。もって半年。奇跡が起きて1年。早いと1ヶ月以内……キャロちゃんも覚悟しておいて」


 驚愕の表情で話を聞いていたキャロリーナだったが、フィリップの冷淡な言い方のおかげで冷静さを取り戻した。


「ライアン君は大丈夫? 肉親でしょ??」

「まぁ……いまのところはね。昨日お兄様とやり合ったから、冷静になれたってのもある。その時が来たらわからないけど……」

「そうよね……あたしに何かできることがあったらぁ、なんでも言ってよねぇ」

「うん。その時は頼むよ」


 こうして2人はもう少し喋ってから、薬屋を出るのであった。



 馬車に乗り込んだフィリップは、徹夜が(こた)えたのかコテン。キャロリーナの太股とお胸に挟まれて幸せそうな顔で眠る。

 そのだらしない顔を正面から見ているカイサとオーセは、何か言いたそうだ。


「あなた達ぃ……」

「「はひっ!」」


 それを察したキャロリーナが声を掛けると、2人はビックリしたのか声が裏返った。


「取って食べたりしないからぁ、そう緊張しないでぇ」

「「はあ……」」

「ライアン君にぃこんなにかわいいメイドさんがいたなんてねぇ。もう長いのぉ?」

「い、いえ。夏からです」

「そうなのねぇ。ところで彼のことわぁ、2人とも好いてるのぉ?」

「好きと言えば好きですけど……」

「で……主人は女癖が悪いので……」

「ウフフ。それは大変ねぇ」


 キャロリーナはカイサたちのことを知ってるクセに、知らないテイで会話を続ける。


「あたしもライアン君のこと大好きよぉ。だから2人に頼みたいことがあるのぉ」

「頼み、ですか……」

「ええ。これから彼に辛い試練が訪れるわぁ。その時わぁ、一番近くにいるあなた達に支えて欲しいのぉ。お願いねぇ」

「はい。できることなら……」


 予言めいたことを言われたカイサは、なんのことがわからなくても無難な返しをする。それとは違い、オーセは……


「キャロリーナ様は、占いもできるのですか?」


 空気が読めない。なのでカイサは驚いて横向いてる。


「ウフフ。そんなんじゃないわぁ。ただの女の勘よぉ。ウフフフ」

「女の勘……カッコイイ……どうしたらキャロリーナ様のような女性になれるのですか?」

「オーセ。いい加減にしなさい。キャロリーナ様に失礼でしょ」

「いいのよぉ。こんなにかわいい子に褒められてぇ、喜ばないおばさんなんていないわよぉ」

「おばさんなんてとんでもないです!」

「私も正直言いますと、キャロリーナ様のようになりたいです……」

「そうねぇ……女を磨くことわぁ、(おこた)っちゃダメねぇ」


 馬車が奴隷館に着くまでキャロリーナのいい女講座が続き、カイサとオーセは終始尊敬した目をしていたのであった。



 フィリップが目覚めたのは、馬車が城に着いてから。キャロリーナがいなかったのでカイサたちに聞いたら、違和感が凄い。


「キャロリーナ様わぁ、奴隷館で降りて行きましたわぁ」

「殿下にぃ、よろしくと言伝を頼まれましたわぁ」

「2人とも何それ? オーナーの口癖が移ったの??」

「「いい女の喋り方よぉ~」」


 どうやら2人は、習ったことをすぐにやりたいお年頃らしい。


「う~ん……似合わないな。普通にしてよ」


 でも、フィリップは辛辣だ。


「「なんでよ~~~!!」」

「わっ! ここ玄関だから! 大声出しちゃダメだって~」

「「あっ……」」


 それで2人が怒ったので、その現場を数人の貴族にバッチリ見られてしまうのであった。

 もちろん貴族の間では、「第二皇子は少女にもナメられている」と一気に広がったらしい……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ