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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十六章 来客が多くても夜遊び

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396 新プレゼン資料の完成


 ルイーゼが平民時代を懐かしく思い、平民仲間のカイサとオーセと友達になりたいと言うからあら大変。カイサとオーセは必死に断っていたが、とうとうルイーゼに押し切られた。

 こう見えてルイーゼは、次期皇后だもん。第二皇子のフィリップは助けてくれないし「それぐらい、いいんじゃない?」と適当なことを言っていたので、親の敵かってぐらい睨まれていた。


「さあ! 話し合いを再開するよ~」

「「はい……」」

「ここは『うん』でもいいんだよ? エヘヘ」

「「う、うん……エヘヘ」」


 気を取り直して、ルイーゼの音頭で話し合いは再開。カイサとオーセは度々敬語を直されるので、最初の頃より喋りにくそうだ。

 そんな2人を微笑ましく見ていたフィリップは時々茶々を入れるから、3人の同時ツッコミ。その声が上手く重なっていたから、仲は徐々にだが深まることに。敵が1人いるからまとまったみたいだ。


 そのおかげで2人はフランクに喋ることも苦にならなくなったので、話し合いは順調に進むが架橋に入るとピタリと止まる。


「やっぱり最大のネックはお金よね?」

「そうだよね~。薬屋は儲かるのはわかるのに、最初にお金がないんじゃどうしようもないよね~。ルーちゃ~ん」

「えっと……ルーちゃん、国がお金を出してくれたりできない?」


 オーセは順応が早いけど、どうしてもフランクな呼び方は引っ掛かるカイサ。しかしルイーゼはその呼び方が嬉しいので、立ち上がって胸をドンと叩いた。


「わかりません!」

「「「ズコーッ!」」」


 てっきりフレドリクを説得してお金を引っ張ってくれると思っていた2人は同時ズッコケ。フィリップはここまでポンコツなのかと驚いて椅子から滑り落ちたよ。


「だって~。私は国のお金にノータッチなんだも~ん。そういうことはフィリップ君のほうが詳しいんじゃない? ずっと皇子様してるんだから」

「僕? 僕も知らないよ? 仕事手伝ったのも2ヶ月もないし、ほとんど寝てたもん……その目、やめてもらっていい??」


 フィリップはちょっとは知っているからウソでやり過ごそうと思ったが、全員の死んだ目が突き刺さって痛すぎる。なので、頑張ってアイデアを(ひね)り出したフリをして助言する。


「う~ん……あ、そうだ。僕、数年前にカールスタード王国の学校行ってたんだよね~。その時、凄い事件が起きて、元国王がすんごい悪法をやったもんだから、国民は大激怒したの」

「プーくん、なんの話してるの?」

「大事なのはここからここから。元国王の悪法ってのは、税金の直接の取り立てだよ。貴族から多く取って、下に行くほど安くなるの。スラム街の住人からは銅貨を10枚って聞いたかな? 貧乏人からも容赦なく取り立てるなんて、すっごいことやるよね~」

「プーちゃん、薬屋さんのために税金をアップしろって話??」


 フィリップの話にオーセはチンプンカンプン。続きを聞いたカイサはいいところまで来ていたけど、フィリップは首を横に振ろうとした。

 その時、ルイーゼが大声で「はいっ!」と言って、右手を上げたまま立ち上がった。


「それよそれ! 寄付よ!!」

「「キフ??」」

「神殿のお布施みたいなモノ。平民もたまに少ない額のお布施するじゃない? 薬屋さんは平民の希望なんだから、声を掛けたらいっぱい人が集まってくれるはずよ。それなら、みんなちょっとお金出すだけで済むでしょ?」

「「うん! さすがルーちゃ~ん!!」」


 ルイーゼが興奮しながら喋り終わると、カイサとオーセはスタンディングオベーション。その褒め言葉にルイーゼは照れまくっていたが、ハッとした顔のあとにフィリップを見た。


「フィリップ君の言いたいことって、これで合ってる?」

「ううん。カイサの言った税金アップが答えだったんだけど……それだと僕にも入って来そうじゃない?」

「「「悪法やりたかったんだ……」」」


 フィリップはルイーゼが答えを言ってくれたからバカの返しをしただけ。そのせいで、このあとは少しでもフィリップが茶々を入れると「バカは黙ってろ」と無視されるのであったとさ。



「フィリップ君はどう思う?」


 新プレゼン資料を3人でああだこうだ言いながら完成させると、ルイーゼはフィリップに意見を求めた。途中からつまらなそうにしていたから、かわいそうに感じたらしい。

 その新プレゼン資料を渡されたフィリップは、パラパラと捲ってすぐに答えを出す。


「いいんじゃない? 言いたいことはお兄様にも伝わるでしょ」

「そういうことじゃなくて、薬屋さんのことを聞きたいんだけど?」

「僕はバカだも~ん。お姉様も散々バカって言ってたよね?」

「そ、それは……2人に乗せられたみたいな?」


 フィリップはこれ以上助言をしたくないので、悪口の件を引き出した。罪を(なす)り付けられたカイサとオーセは首を横にブンブン振っていたので、この話はすぐに終了した。

 2人はフィリップのことは怖くないけど、ルイーゼはちょっと怖いからツッコめないみたいだ。


「それじゃあ、そろそろお(いとま)しようか」

「えぇ~。そろそろみんな帰って来るよ? ごはん一緒に食べようよ~」

「そうしたいけど、僕がいないほうが薬屋の話がしやすいと思うんだよね~。お兄様の説得、頑張って」

「むう……わかった。今度はみんなでごはん食べようね。カイサとオーセも、また遊ぼう。ね?」

「うん。時間があったらまたね」

「「うん。また……」」


 ルイーゼのお誘いは、フィリップは心の中で「絶対イヤ!」って遠回しの言い回し。カイサとオーセは名指しされたので「イヤだな~」と思いながらの返事だ。


 こうして笑顔のルイーゼに見送られたけど、フィリップたちは作り笑いの会釈をしてから帰路に就くのであった……


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