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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十六章 来客が多くても夜遊び

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391 乱入者


 フィリップが法王の右足の甲をナイフで突き刺して地面に張り付けたからには、全員絶句。3秒後ぐらいに悲鳴が上がったが、フィリップは冷静に護衛騎士に「法王の手が入って来たら切り落とせ」と命令していた。


「あのね~……僕、めちゃくちゃ怒ってるの」


 フィリップは神官たちに怒りの目を右から左に向けて、最後に法王の前で止めた。


「僕たち皇族は全員仲良しなんだよ? それなのに仲を裂くようなことばっかりしやがって……なんで僕がお姉様を殺すの! お兄様を殺すの! 全部、お前たちがやったことだろ! 人のせいにするなよ!!」


 フィリップの怒声に、神官たちはハッとした顔になった。フィリップの顔は、嘘をついているような顔ではないからだ。


「僕はお兄様に皇帝になってもらいたい! そのためならなんだってする! 神にだってツバ吐くぞ! いいか? 次はない……もしも家族に何かやったら、軍を率いて神殿を滅ぼしてやる。僕は本気だからな!!」


 神殿の最高権力者に忠告も躊躇(ちゅうちょ)もなくナイフを突き刺す人間なのだから、フィリップの本気度は全員に伝わり静まり返る。

 その時、静寂を破るように馬の蹄の音が、けっこうな速度で近付いて来た。


「フィリップ君!? 何してるんですか! 直ちに法王猊下を解放しなさい!!」


 ロン毛イケメンこと、モンスだ。モンスは馬から飛び降りると法王の(そば)に駆け寄った。


「だいたい話は入ってるでしょ?」

「話は聞きました。しかし、これはどう見てもやりすぎです」

「えぇ~。僕、こいつにあらぬ疑いを掛けられたどころか殺されそうになったんだよ~?」

「それならフレドリク殿下に言ったらいいでしょ! それなら穏便に済ませられたんですからね!?」

「えぇ~。お兄様に言えない事情があったも~ん」

「いいからナイフを抜きなさい!!」

「えぇ~……」


 モンスが登場してから、フィリップは悪ガキに変身。ブーブー言いながら、法王の足に刺さったナイフを抜くのであった……


「いたっ! やめてくれ~~~!!」

「グリグリしない!!」

「えぇ~。ちょっと手が滑っただけだよ~」


 いや、ちょっと嫌がらせしてから抜くフィリップであったとさ。



 フィリップから解放された法王は、モンスの回復魔法で完全回復。それで元気が戻ったから、フィリップにめちゃくちゃ怒鳴り散らしていた。

 しかし、そもそもルイーゼ暗殺未遂とフィリップ暗殺未遂の容疑が掛かっているので、騎士が拘束して馬車に放り込んで連れてった。


 残された神官たちはモンスが解散を告げて追い払い、フィリップに門を開けろと詰め寄っていた。


「えぇ~。怒るから嫌だな~」

「怒るために入れろとは言ってません。何があったか、詳しく説明してくださいと言っているのです。誰かに聞かれたら、猊下に有利に働くかもしれないんですからね」

「本当に怒らない? 本当に本当に~??」

「はい。約束します」

「絶対だからね~??」


 ここまで言質(げんち)を取ってから、モンスをエントランスに御案内。侵入者も全員エントランスの壁際に並べて護衛騎士に見張らせる。


「その者たちが、法王から依頼を受けた者で間違いないのですね?」

「ううん。まったくの別口。法王は関係ないよ」

「……はい??」

「ちょうど昨夜捕まえたから、公衆の面前で濡れ衣着せてやったの~」

「はあ~~~!?」

「怒った? 約束したのに怒ったの? 怒らないって言ったのに~~~」


 フィリップがぶっちゃけると、モンスも怒りの表情。でもフィリップが約束を盾に取ると、何度も深呼吸をして怒りを静めてくれた。


「なんてことをするのですか……これでは法王を裁けないではないですか……」

「そう? 叩けばホコリは出て来ると思うんだけどな~……てか、モンスも僕を使って同じことしようとしてたでしょ?」

「な、なんのことですか??」

「バルコニーからは中央館の庭園が見えるんだよね~。そこに大勢隠れてたのは、いったい誰だったのかな~??」


 そう。フィリップはモンスなら法王が動いたら何かすると予想していた。だからバルコニーから辺りを念入りに確認していたのだ。


「くっ……まさか気付いていたとは……」

「てっきり助けに来てくれると思っていたら、誰も助けに来てくれないんだもん。勢い余って刺しちゃったじゃない。僕、悪くない」

「刺す必要はないと思いますが……この話はもういいです。つまり、私たちが動きやすいように罪をでっち上げてくれたということですね?」

「まぁ……元ネタはこいつらだけど」


 フィリップが侵入者を指差して、軽く事情を説明する。


「全員、神殿に頼まれたと言ったのですか……」

「そそ。だから完全な嘘ではないよ~?」

「本当の雇い主は聞き出したのですか?」

「いちおうね。でも、法王を(おとしい)れるために、お兄様に言わずにここから解放してあげる約束しちゃった。あ、もうこいつら連れてっていいよ。おやつも振る舞ってあげてね~」

「まだ話の途中です!」

「また怒る~。怖い怖~い」


 モンスは侵入者から話を聞こうと立ち上がったが、フィリップが回り込んで通せんぼ。護衛騎士にも早く連れて行けと手で追い払うジェスチャーをしていた。

 侵入者が玄関の前にある通路に曲がって消えると、フィリップはモンスを落ち着かせて話の続きをする。


「アイツらの雇い主だけど……ヒエロニムス侯爵って人。知ってる?」

「ええ……でも、どうして突然??」

「目の前で言ったら、僕が噓ついてるのバレちゃうじゃん」

「はぁ~……嘘ばかりついてたら、誰からも信じてもらえなくなりますよ?」

「えぇ~。雇い主聞き出したんだから褒めてよ~」


 法王の件からフィリップは嘘をつきまくっているので、モンスはため息ばかりが出てしまうのであったとさ。


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