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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十六章 来客が多くても夜遊び

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388 騎士らしい仕事


 暗殺者ヤルマルのスカウトを終えたフィリップは、1階に上ると護衛騎士が駆け寄って来た。心配している顔をしているから何故かと思ったら、「何を喋った」だとか「殺してませんよね?」とヤルマルを心配してた。

 イラッとしたフィリップは「お前たちが知る必要はない」と塩対応。侵入者を地下牢に入れさせると、いま集まれる護衛騎士を全員集めて話をする。


「僕が思うに、ヒエロニムス侯爵は焦ってると思うんだよね~……次は大規模な動きになるかもしれない。昨日言った通り、全員が夜に動けるように交代で仮眠取ってね?」

「「「はっ!」」」

「あとはケント。ボールは無理のない程度で多めに溜めておいて」

「ははっ!!」

「んじゃ、僕もいつもより多く寝るからね。解散」

「「「はあ……」」」


 フィリップが先を見越した指示をするから護衛騎士もいい顔で返事したが、土魔法使いのケントだけ名前を覚えていたので呆気に取られる。ケントは初めて名前を呼ばれたから感動だ。

 そのせいで護衛騎士はケントに強く当たり、フィリップが賢いことを言っていたことは「マジで来るのかな~?」と半信半疑となってやる気が下がるのであった……



 自室に戻ったフィリップは、カイサたちから質問攻めにあっていたけど、適当な言い訳で逃げる。2人は「絶対拷問してるよね?」と信じてなかったけど。

 それからのフィリップたちは、グウタラするだけ。護衛騎士は「こんなに休んでいていいのかな~?」と緊張感は下がり続ける。


 地下牢に監禁されている侵入者の2人はというと、料理を食べられる程度に両手両足を拘束されているだけなので特に不自由はないんだとか。

 本の差し入れや普通に美味しいごはんが出て来るので、「第二皇子は俺たちを雇おうとしていたのは本当なのかも?」と悩んでいる。どちらも雇い主にバレると怖いのか、仲間であっても相談はできないみたいだ。


 3日間も根城内はグウタラした空気が流れていたが、日が落ちて城内が寝静まった頃に護衛騎士が屋上から駆け下りて来て、フィリップの部屋のドアを叩いた。


「いまいいところだったのに……」

「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないでしょ」

「そうよ。いっぱい入って来たんでしょ? 危機感持ってよ~」

「チッ……仕方がない。2人は自室で待機していて」


 報告を聞いたカイサとオーセが不安な顔をしていたので、フィリップもマッサージの続きは我慢。体操服も自分で着ていたら、2人は動こうとしない。


「プーちゃんと一緒にいていい?」

「あたしもプーくんと一緒にいたい……」

「僕は指揮しなくちゃいけないから……それに、人が死ぬところを2人には見せたくないかな~? 大丈夫。僕が鍛えた騎士は最強だ。負けるワケないよ。だから心配しないで。ね?」

「「うん……わかった……」」


 フィリップが笑顔で諭すと、カイサとオーセは緊張した顔のままカイサの部屋に入るのであった……


「プーちゃん、誰が誰を鍛えたって言ってた?」

「プーくんが騎士様を……」

「「何もやってなかったよね~?」」


 でも、フィリップの言葉を思い出した2人は、騙されたと気付いて緊張はどこかに飛んで行ったのであったとさ。



 ところ変わって2階のバルコニー。フィリップは頭を下げて覗き穴に近付いたら、2人の侵入者が玄関の辺りで視界から姿が消えた。

 しばらく待っていたら、エントランスの袋小路に騙された侵入者が続々と視界に入って来たので人数確認だ。


「たった6人か……もっと来ると思ってたのにな~。これじゃあすぐに終わっちゃいそうだ」


 侵入者は庭に出て話し合っていたが、次の瞬間には3人の頭や体が跳ねてパタリと倒れた。


「命中率は半分……外したのは誰だ? ま、それで終わっても面白くないか」


 これは護衛騎士が勢揃いしている屋上からの一斉投石だ。侵入者たちは何が起きたのだと騒ぎながら武器を構えた。

 しかし次々飛んで来る投石に対応するのがやっと。クリティカルヒットはないが、腕や足に当たって動きが鈍って来た。


「お~い。侵入者諸君! 第二皇子はここだよ~?」


 そこでフィリップは目立つ行動。両手を頭の上で振って居場所を教えてあげたら、侵入者のうち2人は足を止めて両手をフィリップに向けた。攻撃魔法の準備だ。


「バカだな~。そりゃ狙い撃ちされるよ」


 しかし、足を止めたことが(あだ)に。投石が顔面に当たり、仲良くバタンキューだ。


「もう一匹は……下か。仲間を(おとり)にして突撃とは、なかなか優秀じゃない。ヤロー共! 半数は地上に降りろ!!」

「「「「「はっ!!」」」」」


 フィリップが命令すると屋上の両サイドからロープが落とされ、護衛騎士が伝って降りる。その間にフィリップも下を覗き込んだ。


「プププ。その柱、手が回らないから登りにくいでしょ? ちゃんと下調べしないから~。あ、送り込んだ2人が帰って来ないから知らなかったのか。アハハハ」

「うっさい! お前が死ねばいいだけだろ!」

「おっと」


 侵入者は破れかぶれの風魔法。フィリップには止まって見える風の刃だったので、顔を引いてやり過ごす。

 フィリップはすぐに下を向いたら、左手側に降りた護衛騎士が斬り掛かって侵入者が剣で受け止めた直後。次の瞬間には、逆側に着地した護衛騎士が侵入者の後ろから近付き、鞘付きの剣で頭をフルスイングだ。


「浮かれてないで、直ちに全員拘束! 防衛戦は、無力化するまでが仕事だよ~? 寝たフリしてるかもしれないから気を付けてね~??」

「「「「「はっ!!」」」」」


 護衛騎士がガッツポーズをしていたので、気を引き締めるフィリップ。侵入者はダメージが酷いか気絶中なので、反撃もできずに護衛騎士に次々と拘束される。

 侵入者の拘束が終わると、見張りを1人残して護衛騎士全員で侵入者を地下牢に運ぶ。カギを掛けたら、屋上に全員集合だ。


「まだ気は抜けない状況だから、お酒は1杯だけね。いい酒だから、チビチビやりなよ~?」

「「「「「わはははは」」」」」

「んじゃ、冗談はここまでにして……ひとまず僕たちの完全勝利だ! かんぱ~い!!」

「「「「「うおおぉぉ~!!」」」」」


 初めての護衛騎士全員による勝利は、テンション爆上げ。カイサとオーセも心配していたことが嘘のように笑顔だ。

 しかしまだ事件は終わっていないので、30分だけ騒いでこの宴は解散となるのであった。


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