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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十六章 来客が多くても夜遊び

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375 解雇


 秋……フィリップは遊び人キンさんという偽名を名乗り、相も変わらず夜遊びをしていた。

 ただ、仮病を使い過ぎていたから、カイサとオーセが「この人、本当に仕事しないね」とヒソヒソ言っていることが多いので、たまには仮病をやめてお昼も起きてる。

 そうなったらそうなったで、「病気が治ったのに外にも出ないね」とヒソヒソ言うので、仕方なくお出掛け。城の庭園に顔を出したり、皇帝の撫で回しの刑を受けたり。


 これでいいかとカイサとオーセを見たら、「これは外に出た内に入るの?」とまだヒソヒソ話は止まらない。

 なので、馬車で市中視察。護衛騎士は久し振りに出番が来たと、気合い充分。しかしやったのはカイサとオーセの里帰りぐらいだったので、「これ、たまにやってるやつぅぅ」と意気消沈で帰宅だ。


 これでもカイサとオーセのヒソヒソ話は止まらない。だって、ひとつも仕事してないもん。

 だからフィリップも開き直って、堂々とゴロゴロ。仕事中のどちらか1人を呼んで、「休憩休憩」とマッサージを強要してる。


 そんな毎日を過ごしていたら、またボエルがやって来てため息連発だ。


「はぁ~……」

「なんなの? 暗くなるからため息やめてくんない??」

「はぁ~……」

「聞いてる? てか、なんのため息? 僕になんか文句あんの??」


 カイサとオーセは「こんなダメ皇子を見たらため息止まらないよ」と思っていたが、ボエルのため息はフィリップに対してではなかったみたいだ。


「ん? ああ。すまん。殿下が馬鹿とは思ってるけど、そういうため息じゃないから心配するな」

「馬鹿って言った! 2人も聞いたよね!?」

「「いえ……プッ……」」

「笑ってるじゃ~ん」


 フィリップは(いきどお)ったけど、カイサとオーセがイチャイチャしたら鼻の下を伸ばすだけ。それをボエルはツッコまずにため息の理由を告げる。


「オレが皇太子殿下の屋敷で働くようになってから、メイドが4人、近衛騎士が3人クビにされたんだ。それがちょっとかわいそうでな~……聞いてるのか?」


 今度はフィリップたちが心ここにあらず。ボエルから羨ましいって怒られたので、聞いてるアピールだ。


「まぁ多いとは思うけど、わかっていたことでしょ? 僕、何度も注意したじゃん」

「そうだけどよ~……ここまで多いと、オレもいつクビになるかと怖いんだぞ?」

「また自己保身に走ってるし……」


 ボエルは変わらないなとフィリップがジト目をしていたら、話を聞いていたカイサとオーセは不思議そうに話に入って来た。


「フレドリク殿下のお屋敷は、そんなに厳しい職場なのですか?」

「すっごく優しそうだったのに……殿下なんて、怒ることはあってもクビにしたことありませんよ?」


 そう。2人はフレドリク推し。そんな人が大量解雇をしてるなんて信じられないらしい。


「それは~……これって2人に言っていい話か?」

「う~ん……関わることもあるから、知っておいたほうが無難かな? とりあえずクビの理由を説明してやって」

「2人とも、機密事項だから心して聞けよ?」

「「はい……」」


 ボエルとフィリップが慎重に会話しているので、カイサとオーセは神妙な顔で話を聞く。

 その内容は、ルイーゼのマナーを苦言した人や、ルイーゼの行いをフレドリクに進言した人の末路。どちらも皇家のためを想った言葉なのに、それなのにフレドリクが怒って解雇したらしい。


「「よかれと想ってやったのに……」」

「あとは~……入っては行けない場所があるんだけど、そこに入ったヤツは城からも追い出されたな」

「「たったそれだけで……」」


 ボエルが起こった事件を箇条書きのように説明したら、2人にもルイーゼの厄介さは伝わったみたいだ。


「聞いた通り、お兄様は聖女ちゃんのことになると目の色が変わるんだよね~……2人もここで会ったことあるでしょ? その時、マナーが悪いの見なかった?」

「あの時は皇帝陛下を前にしていっぱいいっぱいだったので…」

「私もほとんど記憶にありません……」

「そっかそっか。ま、これだけは覚えておいて。聖女ちゃんを注意したら、僕でもどうなるかわからない。僕でこれだよ? 絶対に余計なことはしちゃダメ。最悪、貴族でもマジで処刑されちゃうから」

「「はいっ!」」


 フィリップが締めると、2人はいい返事。貴族でも処刑されるのだから、平民の自分は何をされるのかと怖いのだろう。


「ボエルもわかった?」

「ああ。殿下に言われた通り、指示通りやれっての守ってる」

「それ、同僚に教えてあげなかったの?」

「言ったんだけどな~……殿下の名前を出したから、上手く伝わりませんでした……」

「僕の名前出すからでしょ~」

「普通、第二皇子の名前を出したら効くと思うだろ? な??」

「「うんうん」」

「ほら? 3対1だ。オレ、悪くない」


 カイサたちを味方に付けたボエルが勝ち誇った顔で見るので、フィリップの反撃だ。


「普通、馬鹿皇子に言われたら効くワケないでしょ~~~」

「「「うんうん……」」」

「不本意ながら僕の逆転勝ち!?」

「「「プッ! アハハハハハ」」」


 たった数秒で全員の意見が覆ったから、フィリップも勝った気がしない。さらに3人が大笑いするので、フィリップは「クビだ~!」とか怒鳴っていたけどますます笑われただけであったとさ。


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