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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十五章 新生活を始めても夜遊び

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367 夏の暮らし方


 フィリップが仕事を始めてひと月。ソロバンの件は各地での話し合いに移ったので、仕事は格段に減った。

 その理由は城でのソロバンの普及も大きい。財務部門から順に備品の支給という形で渡したから計算ミスも格段に減ったのだ。家具職人はソロバンばかり作らされていたから「なんだかな~?」とプライドが傷付いたんだとか。


 ちなみにフィリップが気付いた計算ミスは、皇帝が「計算ミスが多い」と怒ったら3割しか減らなかったので、懐に入れていた人は少なかったみたい。

 でもそれでコンラード宰相が激怒していたから、フィリップは腹を抱えて笑ってた。城で働く者は優秀となっているのだから、その神話が崩れたんだもん。その笑いが勘に(さわ)ったのか、フィリップも怒られていたけど……


「殿下~? 見て見て。陛下からプレゼント貰っちゃった~」


 今日はペトロネラが根城にやって来るなり嬉しそうに自慢するので、フィリップは微妙な顔だ。


「それ、みんな支給されてるんだけど……」

「へ? 直接手渡しされたのよ??」

「たまたまじゃない? 外交部門は計算とかあまり必要がないから、最後のほうになってると思うし……」

「そんな~~~」


 そりゃこんなにあとにソロバンを見せびらかされても、フィリップだって哀れに思うよ。かわいそうだから、いつもより丁寧なマッサージまでしたフィリップてあったとさ。



 ところ変わって奴隷館。今日はキャロリーナとマッサージしようと思ってフィリップがやって来たら、キャロリーナは頭を抱えていた。


「あれ? それどうしたの??」

「今日ぅ、陛下からぁ褒美だと送られて来たんだけどぉ……これのどこが便利なのかしらぁ~?」


 どうやらキャロリーナもソロバンを手に入れたらしいが、説明が文章だけだから苦戦していたようだ。

 なのでフィリップが手取り足取り教えてあげた。


「なるほどぉ~。確かに便利ねぇ……もっと欲しいぐらいだわぁ」

「もうしばらくしたら売り出すと思うよ。確か帝都は、お金持ちの商人が多いから最初のうちは高く売り付けるって言ってたし」

「そうなのぉ? それなら待ったほうが安く買えるのかしらぁ?」

「待つと安いの出るけど、冬以降になるかな~?」

「それは遅いわねぇ……5個ほど買ってぇ、あとは安いのを待とうかしらぁ……」


 キャロリーナは系列店が多いので、エリアマネージャー的な人物には早く使わせたいらしい。ただ、ひとつ気になることがある。


「殿下がなんでこんなに詳しいのぉ?」


 そう。キャロリーナはまだフィリップが仕事をしているとは信じてないのだ。


「だからね。僕も仕事してるって言ったでしょ? その計算器もちょっと噛んでるんだから」

「……本当に??」

「なんで信じてくれないんだよ~~~」


 なかなか信じてくれないのでフィリップも荒れていたけど、マッサージしたら忘れて帰って行くので、最後までキャロリーナは信じないのであったとさ。



 それから数日、フィリップの仕事量も減って毎日お昼には帰って行くので、カイサとオーセも仕事はしてないと決定付けた。

 それなのにフィリップはベッドに飛び込み、2人を両脇に抱えて寝付くまでお話を聞かせてもらってる。


「へ~……イェリネク伯爵令嬢が下級貴族の騎士とやっちゃったんだ~」


 いや、2人が手に入れたメイドのスキャンダルを聞いてるよ。


「その伯爵令嬢、手当たりしだいみたいよ」

「性欲が凄いんだって。女第二皇子って呼ばれてたよ」

「性欲強いなら僕も行きたいけどな~……伯爵家ってのがネックだな……ん? 僕まで馬鹿にされてない??」

「プーちゃん気付くの遅いよ」

「だから第二皇子と書いてエロガキって読まれるのよ」

「ゴシップネタを聞きたいだけだから、僕の悪口は混ぜないでくれない??」

「「アハハハハハ」」


 でも、ちょくちょくフィリップの悪口が出て来て笑われるので、今日は聞くんじゃなかったと後悔だ。カイサとオーセはその顔がけっこう好きみたいだけど、イジメすぎるとかわいそうなのでマッサージで機嫌を取ることは忘れない。


「それにしても、お城って涼しいのね」

「ね~? うちなんて、夏場は蒸し風呂みたいになってるのに。これだけでもここで働けてよかったよね」

「氷も使い放題だし、アレってどうなってるんだろ?」

「お風呂とかと一緒??」


 現在は夏真っ盛り。急に話が変わったので、フィリップはなんと言おうか考えてから答えを出す。


「たぶんそうじゃない? 城の謎機能だよ」

「なんでプーちゃんが知らないのよ」

「プーくんに聞いたのは無駄だったね」


 その答えはすっとぼけ。いや、フィリップもわからない部分が一部ある。城にある給湯施設だ。

 根城の改築の際、気になっていたから設置作業をガン見しながらいつ誰が作ったのか質問したが、作業員は誰も知らず。なのでペトロネラに聞いてみたら、その資料は火事で焼失したんだとか。


 設計図だけは各地の貴族の家に残っていたから今でも作れるが、こんな画期的な代物がいつ誰が作ったか誰も知らないなんて、どうしても信じられない。だからこれも強制力か設定の(たぐ)いと割り切ることにしたのだ。


 ちなみに冷凍庫に入っている氷や部屋が涼しいのは、フィリップの氷魔法のおかげ。2人が寝ている時に氷を詰め込んだり、暑い時はこの建物全体に冷気を行き渡らせているのだ。

 そのために建物の屋根には風を受けて回る小型のプロペラを取り付け、地下からの空気を3階と1階に送るダクトもあるけど、大工は何を作らされたかわかっていないんだって。


「でも、一番涼しいのは、プーちゃんに抱きついた時だよね?」

「そうそう。気持ちいいよね~?」


 もちろん冷気はフィリップから出るので、フィリップの周りが一番涼しいのだ。


「僕も2人に抱きつかれてきんもちい~い」

「「いや~ん。エッチ~」」


 それをエサに2人を引き寄せている、氷魔法の使い方がおかしいフィリップであったとさ。


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