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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十五章 新生活を始めても夜遊び

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354 他国の王子の話


 フィリップが覚えていなかったどころか扱いが酷すぎたので、ラーシュは文句タラタラ。共感してくれたカイサとオーセばかりと喋っているので、フィリップもバツが悪い。悪口言われまくってるし……


「あ~……えっと……僕とも喋ってほしいな~? ブンテレンジャーって、あれからどうなったの??」

「ああん?」

「僕、第二皇子だよ~? 凄まないで~??」


 なので話に入ろうとしたら、ラーシュは上から睨む。でもフィリップが第二皇子と口に出したら、席に座ってくれた。


「彼らのおかげで酷い目にあったのです……」


 ラーシュから語られるブンテレンジャー事件。要約すると文化祭の出し物で、ラーシュはヒーロー劇のリーダーをやらされたんだって。だから怒ってたみたい。


「えっと……その悪の親玉の第二皇子って、僕のことだよね? そこは普通、第二皇子って出さなくてもいいのでは??」

「大いに盛り上がったからいいのでは?」

「よくないよ! それ、帝国にケンカ売ってるんだからラーシュが止めないと!?」

「そういえばそうですね……手紙の返事が来ないから忘れてました!」

「だからその件は何度も謝ってるでしょ~」


 どうやらその頃ラーシュも鬱憤(うっぷん)が溜まっていたから、企画を聞いてノリノリでやったらしいけど、フィリップには秘密だ。カイサとオーセは「八つ当たりしたんだな」と正解に行き着いていたよ。


「てか、そんなこと聞いてないの~。ブンテレンジャーが何かやってないか聞いてるの~」


 また居たたまれない空気になっていたので話を戻すフィリップ。


「その前に、ブンテレンジャーじゃなくて、小国連合の4人の王子ですよ? そのことは覚えてますか??」

「あいつら王子だったんだ……」

「忘れてるやん!?」

「「他国の王子様まで忘れるなんて……」」

「いや、あいつらめちゃくちゃ変な髪の色してたんだよ? 王子と思えないよ~~~」


 フィリップはまた忘れていたので、カイサとオーセが冷たい目をするから言い訳。そこでカラフル王子と呼んでいたことを思い出したけど、1人も名前を覚えてなかったので冷たい目は直らないのであったとさ。



「まぁ殿下の記憶力は置いておいて……」


 途中からフィリップが開き直って怒り出したので、最初の質問に戻るラーシュ。


「小国連合の王子たちは、ダグマーが心配していた通り、個の実力はかなりのモノでした。皇帝陛下にも、帝国の脅威になるやもしれないと進言しました」


 急に真面目に語るラーシュ。どうやらカールスタード学院では、ラーシュが4年生になった頃にダンジョンが解放されたらしい。この話は、フィリッはクリスティーネから聞いていたと言うか「やっちゃえ~」とアドバイスした張本人だ。

 もちろん死者が出ないように、5年生までにそれなりの実力をテストで確かめた上で、地下5階までしか解放しないし、カールスタード王国の騎士がもしもの為について行くことになっている。


 ラーシュはそのダンジョンでレベルを上げていたら、カラフル王子から「一緒に行きたいな~」と相談を受けた。

 これは実力を知るチャンスと思ったラーシュは、独断で周りから許可を得て、パーティを組むことに。


 そこでレベルの高いラーシュと同じくらい、1年後輩のカラフル王子が活躍をしたから、ラーシュも危機感を覚えたそうだ。ちなみにフィリップが一番先にカラフル王子を危険視していたことは、ラーシュの記憶から消えてるみたい。


「ふ~ん……ま、強くても大丈夫じゃない? 帝国と小国連合はこの大陸の端と端だし」

「そうとは言えませんよ? 周りの国と同盟を結べば、帝国に攻め込むことも可能かと」

「あいつらがそんなことするかな~? 正義の味方なんだから、人が死ぬような戦争なんてしないと思うけどな~……お兄様はどう言ってたの?」

「いまはそれほど脅威を感じないと。各地の密偵には気を付けるように促すみたいです」


 フィリップはお茶を飲んでから返す。


「だよね~? お兄様がそう言ってるなら安心だ。てか、そもそもな話、あいつらダグマーにビビって帝国に来たくないんじゃない?」

「ああ~……ありましたね。殿下の代理ってことでこっぴどくやられたの」

「そっからラーシュと仲良くなってなかったっけ?」

「まぁ殿下がやらないから私が王子たちと関係は築くしかなかったのですけど……いい関係にはなれたと自負しています」

「それなら大丈夫でしょ。よくやったね。お疲れ様」

「はっ……??」


 フィリップが偉そうに褒めると、ラーシュは反射的に返事をしたあとに首を傾げた。なんでこいつが褒めてるんだとあとから思ったらしい。

 カイサとオーセは、第二皇子の仕事を全て押し付けられたかわいそうな人だとラーシュのことを再認識した。


「ま、なんにしろ無事戻って来れてよかったよかった。ホント、あの2年間はクーデターとかあって大変だったもんね~」

「ほとんど忘れていたクセに……」

「だからその件は謝ったでしょ~。ラーシュ君。いい加減にしないと怒るよ?」


 フィリップがついに真面目な顔で睨んだが、ラーシュは怖がらずに表情まで崩した。


「そのラーシュ君っての、あの頃よく言われましたね。懐かしいです」

「あぁ~……あったね。でもこれって、ラーシュが僕のこと馬鹿にしまくるからマジギレの合図だよ?」

「本当に懐かしいですね~」

「ラーシュ君。聞いているのかい??」


 ようやくラーシュはあの頃に戻った気分になったので、フィリップのマジギレを笑顔で受け流すのであった……


「家臣に目の前で馬鹿にされるって……」

「そりゃされるよ。いい話、ひとつも聞いたことないもん」

「そりゃそうよね。あんなことしでかす人だもんね」

「いつか治るのかな~?」


 その話を聞いていたカイサとオーセはフィリップを哀れに思わず、ヒソヒソと馬鹿にするのであったとさ。


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