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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十五章 新生活を始めても夜遊び

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349 新生活のスタート


 ボエルの旅立ちはフィリップがいらんこと言ったので、小一時間遅延。オモチャにされた愚痴を全て吐いてからボエルは出て行った。

 家臣一同は「そんなことされてたのか……」と青い顔。自分たちもオモチャにされると思ったらしい。


 フィリップはその目に居たたまれなくなって自室に撤退。追って来たカイサとオーセと共にリビングに入った。


「1人いなくなっただけで、なんだか凄く広く感じますね」

「寂しく感じます……」

「ボエルはデカかったもんね~……ま、口うるさいのがいなくなって、ようやく僕もゆっくりできるよ」

「「アレ以上どうやってゆっくりするんですか??」」


 カイサとオーセは一緒に過ごした仲間がいなくなって寂しがっているのに、フィリップは酷いの2乗。口うるさいとか悪口も怒りの対象だけど、いつもグウタラしていたのだから2人も呆れ果ててしまったよ。

 そんな2人を他所に、フィリップはソファーではなくテラスに置いてある椅子に座って、ボエルが歩いて行った方向を眺め続けるのであった……



 ボエルが出て行ってから数日。この間フィリップは根城から一歩も出ずにグウタラしてる。フィリップの名誉のために言うと……名誉なんてクソ食らえだった。毎日夜遊びしてるからだ。

 主がそんなことをしていても、カイサとオーセには関係ないこと。メイド仕事はキッチリこなし、今日も夕方に中央館に顔を出してフィリップの下へ逃げ込んで来た。


「アハハ。今日もなんか言われたの?」

「「はい~」」

「これじゃあ、ズボンは脱げないね。あ、この部屋だけはミニスカートにしてみない? 今度作りに行こっか??」

「「そんなことよりなんとかしてくれません?」」


 ボエルがいる時から、他のメイドに嫌味を言われ続けた2人は疲れている模様。基本的に「1人のメイドを見たらあと20人は近くにいるから走って逃げろ!」ってのがフィリップの与えた策だ。


「そんなことって言われてもね~……アイツらいまだに長いスカートだから走ったら楽勝でしょ?」

「そうですけど、向こうは数が多いので」

「今日なんか、逃げる方向に仲間が待ち構えていたんですよ~」

「おお~。頭を使い出したね。アハハハ」

「「笑ってないで~~~」」


 フィリップが笑うので、カイサとオーセはフィリップを挟んでおねだりしまくる。


「しょうがないな~……明日やる。ちょっと待って」

「明日って……ボエルさんは殿下がそういう時は気を付けろって言っていたのですが……」

「ボエルさん、絶対に明日やらないって言ってましたよ? 確かこれにも書いてある……これだっけ??」

「それは、熱の話じゃない??」

「なに読んでるの? 見せて見せて~」


 2人がノートを見ながらああだこうだ言うので、気になったフィリップは手を伸ばしたけど渡してくれない。なので命令と言ってムリヤリ奪い取った。


「第二皇子殿下取り扱い説明書? そんなの作ってたの??」


 それはボエルが書き残したフィリップの取説。フィリップは「まぁあったほうがいいか」と思って読んでみたら、悪口がけっこう書かれてた。


「どうりですんなり渡さないワケだ~」

「お、怒りました?」

「ううん。この『チビとかツルツル』とか言ったら怒るってのは怒ったけど」

「アホとかバカとか、もっと酷いのもあるのに……」

「それはいつも言われてるも~ん」

「「殿下って、怒ることあるのですか?」」

「あるよ~? ボエルともいっつもケンカしてたでしょ??」


 そういえばボエルとケンカしてたことを2人は思い出したけど、いつもどうでもいいことばかりの言い争いなので、2人は本当に怒っているかは疑問らしい。


「それより、さっき、文字が読めない感じ出してなかった? 僕、面接の時に、読めるかどうか聞いたよね??」

「はい……でも、こんなに難しい字、習ったことなくて……」

「あ、ひょっとして、漢字読めないの?」

「これ、漢字というのですか?」

「貴族文字ってみんな言ってたような……」

「あ、貴族文字貴族文字……そういえば、平民街では平仮名と片仮名しか見たことなかったな……なんだこの設定??」


 ここは乙女ゲームの世界。西洋人が日本語を使っているのも不思議なのに、それが読めない人間が多くいるのでフィリップの中で謎が膨らむ。

 なので詳しく聞いたところ、平民街では学校はあるけどお金持ちの子供だけが行くところらしい。その他は、文字を習える塾のような施設があるけど、コースによって高くなるから家族全員となるととても払えないんだとか。


 だから一番安いコースの平仮名と片仮名のどちらか一方を習い、読み書きなんかは習った人が家族にだけ教えているらしい。

 その時、「皇帝、皇子、貴族、騎士、城、貴族街」って文字だけは読めないと、とんでもないことになると代々受け継がれているそうだ


 ちなみにフィリップの渡した手紙は読めない所が多かったので、必死で予想したんだとか。待ち合わせ時間は数字で書いてあったからなんとかなったんだって。



「なるほどね~……数字と平仮名と片仮名が読めれば、なんとかなる感じか。英語の活字体と筆記体みたい……」


 フィリップはムリヤリ納得すると、カイサとオーセを見る。


「とりあえず、取説は読めるようになりたいよね? 僕が教えてあげるよ」

「「いいのですか?」」


 このままでは仕事に支障が出るかもしれないので、フィリップは子供の時に使った教科書を引っ張り出して、カイサとオーセに教えるのであった。


「あっ! メイドの件は!?」

「これがボエルさんが言ってた明日やる詐欺……」


 でも、2人は最初の話を逸らされたと思ってオコ。フィリップも苦笑いだ。


「あ……あはは。明後日でもいい??」

「「延びてる!?」」

「明日は朝に起きる自信ないだけだよ~」


 どんなに理由を説明しても、フィリップは「明日やる詐欺」と言われ続けるのであったとさ。


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