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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十二章 最終学年になっても夜遊び

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313 護衛騎士の募集


 新居を確認したフィリップは、帰りは近道。ただ近道でも距離はあるから、馬か馬車が欲しいみたい。

 ボエルはどんだけ楽をしたいんだと呆れていたけど、「第二皇子を歩かせるの?」って反論には大きく手を打ち鳴らしてた。


「忘れてたんだね……」

「だって……殿下は殿下だし……」

「殿下って言ってるじゃん!?」


 ボエルは皇子でも馬鹿が付く皇子と言いたいみたい。怒ったフィリップはおんぶをせがんで、楽して帰宅するのであった。



 またペトロネラと一夜を明かした次の日は、フィリップがひっくり返って動く気配がなかったので、ボエルがシャキッと立たせていた。


「はぁ~……気持ち良かった」

「ほら、服だ。着ろ」


 何がシャキッとしたのかはわからないけど、フィリップが起きたので今日の予定の確認だ。


「今日は大工に話を付けに行くか? それとも先にメイドを押さえるか?」

「う~ん……護衛の騎士から行こうかな?」

「騎士? そんなの最後でもいいような……」

「騎士なら馬車にも乗れるでしょ? たまにしか使わないのに御者を雇うのもったいないから兼任してもらおうかと思って」

「殿下って倹約家だったんだ……」

「そうだよ? 全然お金使わないでしょ?」

「外に滅多に出ないってだけで、チップは弾みまくるから浪費家だと思ってた」

「失礼だな~。とりあえず騎士をいい感じの場所に集めて。夕方に顔を出すとも言っておいて」


 ボエルに嫌味を言われたフィリップは、せっかく着せてもらった服を脱ぎ散らかしてふて寝。戻って来たボエルは「また寝てる!?」って怒っていたよ。なのでフィリップはまた仕事を頼んでボエルを追い出したのであった。



 時間通り顔を出せるように起こされたフィリップは、ボエルに相談しながら歩く。そうして城の右翼、建物の南東辺りにある広場に近付くと、そこには大量の騎士が整列して待っていた。


「フィリップ殿下に~……敬礼!」

「「「「「はっ!」」」」」


 騎士は皇家に命まで捧げているのだから、第二皇子が正式に人を集めたからこのような大袈裟な出迎えになったっぽい。


「うっさいな~。大声出すなよ」

「「「「「ええぇぇ~……」」」」」


 でも、フィリップは塩対応。さっきまでキリッとしていた騎士たちも、しゅんとした犬みたいになっちゃった。


「え~。もう聞いてると思うけど、僕の専属護衛を決めるよ。名前を聞かれた人以外は、すぐに解散してくれていいからね。んじゃ、審査を始めま~す」


 フィリップはボエルを連れて、前列を右から順に、1人1人顔を見て歩く。その騎士の顔は、キリッとしている人もいれば、犬のように尻尾を振ってる人、嫌そうな顔をする人もいる。

 そんな中、フィリップが選ぶのは嫌そうな顔をした人ばかり。最後の列まで見たら、残った騎士は10人となるのであった。でも、残りの騎士は気になって遠くで見てるよ。



「んじゃ、整列~」

「「「「「はっ……」」」」」


 フィリップが号令を掛けると、騎士は嫌々だけどキビキビ動いてフィリップの前に並んだ。


「この中に、馬車を操縦できない人いる? あと、諸事情で忙しい職場は嫌って人は帰っていいよ」

「でしたら……」

「私は馬が苦手で……」


 こんなことを言うもんだから、4人脱落。ペコペコ頭を下げているが、拳はグッと握っているところを見ると嫌だったんだろうね。


「そんじゃあ……今日はもうお腹すいたし、話は明日にしよっか。馬車を手配して、全員で僕を迎えに来て。ボエル、時間と場所を指定しておいて。まったね~」


 それだけ告げるとフィリップは去って行く。ボエルはすぐに追わないといけないので、時間等しか喋れずに走り去って行くのであった。


「お腹すいたって言ったよな……」

「ああ……」

「「「「「失敗したかも?」」」」」


 残された騎士は、早くもフィリップの護衛になったことを後悔するのであった。その後、同僚にめちゃくちゃからかわれたんだって。



 翌朝……予定通りの時間と場所に1台の豪華な馬車と、普通の馬車がやって来た。


「殿下、おはようございます」

「「「おはようございます」」」


 御者は馬から離れられないので、残りの騎士が普通の馬車から降りてフィリップの前に整列して頭を下げたけど返事がない。


「すまん。まだ寝てる。先に移動してしまおう」

「「「「ええぇぇ~……」」」」


 なのでボエルが相手したけど、全員ガッカリ。フィリップはボエルに首根っこを掴まれて立ったまま寝てるもん。フィリップが寝てるのをいいことに「こんなヤツに仕えて大丈夫か?」とまでボエルに言っちゃってるよ。


「まぁ性格とかはアレだけど、悪い人ではないと思う。たぶんお前たちも悪いようにされねぇって。たぶんいまよりいい思いできるんじゃねぇかな~?」

「思うとかたぶんとか、不確定要素しかないぞ?」

「殿下はアレだけど、オレのことは信じろって。早く行くぞ」

「その持ち方もいいのか?」


 騎士は不安な顔をしていたけど、ボエルのフィリップの持ち方のほうが心配になってる。肩に担いで馬車に積み込んだもん。


「やっぱり失敗したかも?」

「「「うんうん」」」

「でも、ボエルにあんな持ち方されて、殿下は怒らないのか?」

「寝てる時は記憶にないんじゃね?」

「それはそれで困るかも? 暗殺者が現れても寝てたら、守り切れるか??」

「そうなったら……」

「「「やっぱり辞めよう!!」」」


 フィリップの護衛騎士、護衛失敗で首が飛ぶ未来が見えてしまったので、初日の数分で辞退を心に決めたのであったとさ。


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