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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十二章 最終学年になっても夜遊び

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309 リネーアとの別れ


 卒業式の次の日は、卒業生や在校生がフィリップの嘘に泣かされたことにキレて夜中まで騒ぎ続けたのでグロッキー状態。フィリップも寮での最後の夜だったので、リネーアたちと取っ換え引っ換えしていたから目覚めたのは昼頃。

 ボエルとマーヤも寝過ぎたと慌てて着替え、食事の準備をしに部屋から出て行った。


 フィリップとリネーアはまだベッドから出ずに、裸のまま重なり合っていた……


「殿下……」

「ん~?」


 リネーアは目に涙を溜めてフィリップの頬に自分の頭を当てた。


「本当は、助けてくれたあの日から、ずっとお慕い申しておりました……」

「うん。気付いてた……」


 突然のカミングアウトだったが、フィリップは驚きもせずにリネーアの頭を優しく撫でる。


「こんな最低な男を愛してくれてありがとう。でも、その気持ちは受け取れない。ゴメンね」

「はい……わかっております。殿下ははちゃめちゃでしたから……そんな人に嫁ぐと苦労するのは目に見えてますもの」

「うん……あれ? 僕、フラれてる??」

「フフフ。最後の女の見栄です。フフフフ」

「アハハ。いい女になったね~。これならモブ君も完全に尻に敷かれるな。ケツ叩いて、伯爵ぐらいまで出世させてやりな。アハハハハ」


 別れ話は、ややフィリップの負け。しかしフィリップは負けを気にせず、リネーアを抱き締めて笑うのであった……



 それから卒業後の話を聞いていたらボエルたちが戻って来たので、楽しくランチ。思い出話に花を咲かせていたけど、喋っているのはリネーアばっかり。フィリップとの思い出は少ないもん。

 それでも話は尽きないが、夕方になるとフィリップは荷物をまとめて部屋を出る。リネーアはまだ寮でやることがあるから数日残るらしいので、玄関まで見送るためについて来た。


「殿下……暗闇の中にいた私を助けてくれてありがとうございました。学生生活の楽しい思い出をたくさんくださりありがとうございました。この御恩、一生忘れません」

「そんなのいいよ。僕もリネーア嬢のおかげで楽しかったからね。そんじゃあ、僕たちは行くね~」

「「はいっ! ありがとうございました」」


 フィリップとボエルが馬車に乗り込んでも、馬車が出発しても、馬車が見えなくなっても、リネーアとマーヤは頭を下げ続けたのであった……



「なあ? どうかしたか??」


 馬車の中ではフィリップが外を見たままずっと無言だったから、ボエルは不思議に思ってる。


「ん~? リネーア嬢、いい子だったな~っと思って」

「そうだな。あんな子、そうそういねぇぞ」

「それなのに僕は最低なことをしていたな~っと思って」


 フィリップだって罪悪感を持てる子。リネーアと別れてから、急に罪悪感がのしかかったみたいだ。


「まぁ……確かにな」

「だよね~……」

「でも、やり方はアレだったけど、あんなことされてたのに、こんなに早く立ち直ったのは殿下のおかげだろ。普通は何年も、下手したら一生男に(おび)えて暮らすことになってたって。最悪のことだって考えたかもしれねぇ。それを止められたんだから、殿下が気に病むことねぇって」

「だよね~……グズッ」


 珍しくボエルが励ますとフィリップが鼻をすすったので、ボエルは顔を見たい。


「ひょっとして……泣いてるのか?」

「グズッ。泣いてないしぃぃ」

「泣いてないならこっち見ろよ」

「だから~~~」


 これまた珍しく、ボエルに励まされたフィリップは涙。(かたく)なに顔を見せないのでボエルにもバレて鼻で笑われる。


「プッ……絶対泣いてやがんな。グズッ……」

「そっちも泣いてない?」

「んなわけねぇだろ~~~」


 だがしかし、ボエルももらい泣き。どちらも強がっていたが、せーので向き合うと涙でぐちゃぐちゃだったので、抱き合って心行くまで涙を流す2人であった。



 一気に泣いたことで、馬車が城に着く前にはなんとか涙が引っ込んだ2人。澄まし顔で歩いてはいるが、涙はタオルで雑に拭いたから顔が真っ赤なので、道行く人に怪訝(けげん)な目を向けられていた。

 今日はもう夕暮れなのでフィリップはごはんとお風呂を済ませたら、部屋から出て行こうとしたボエルを呼び止めた。


「明日、父上と今後のことを話すけど、ボエルはどうするか決めたの?」

「ああ~……」


 ボエルはフィリップの下へ戻ると背筋を正す。


「殿下のアドバイス通り、近衛騎士になろうと思う。性同一性障害のことを教えてくれたり、こんなに良くしてくれたのに悪いな」

「ううん。それが一番いい決断だよ。僕のことは気にしないで」

「ありがとう……てか、もう一言ぐらいないか? このままじゃ感動して泣いてしまいそうだ」

「泣けばいいじゃ~ん。さっき鼻水も垂らしてたよね?」

「バッ! 垂らしてたのは殿下だろ!!」


 ボエルが自分から余計なことを言うので、いつもの感動半減。結局ボエルは怒って出て行くのであっ……


「オッフ……」

「フィーく~ん。大きくなったわね~」

「……ペトロネラ様!?」


 ボエルがドアを開けたところで、すでにできあがってるペトロネラが乱入。女性に抱き付かれたボエルはちょっと喜んでいたけど、その人物がペトロネラだと気付いて驚いてる。


「もお~。卒業したら立派になっちゃって~」

「ペトロネラ様、違いますよ? 殿下! 助けてくれ~~~!!」

「そのままやっちゃえば? その酔い方なら朝には覚えてないよ」

「できるわけないだろ!」

「言葉とは裏腹に、顔がスケベになってるよ~??」


 そう。ボエルはペトロネラに体中触られて超嬉しそう。フィリップはボエルのために、一切助けないどころか「オーラーイ」とか言いながら寝室に誘導するのであったとさ。


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