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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十二章 最終学年になっても夜遊び

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298 手紙の返却、男子の場合


 呪いの手紙にフィリップが恐れもしないので、ボエルは口を滑らせて馬鹿にしたからには、フィリップの頬はプクーッと膨らんだ。けど、ボエルが口でナニかの機嫌を取ったらすぐに直った。フィリップの扱いに慣れたモノだ。


「てか、殿下にこんなこと書いて、この子、頭は大丈夫か? 殺されても文句言えないぞ」

「イヤだな~。そんなことで僕が怒るわけないでしょ~」

「いや、せめて怒れよ。第二皇子だろ?」

「第二皇子……あっ!?」

「立場だけは忘れるなよ~」


 フィリップが自分の地位を完全に忘れていたので、ボエルもジト目だ。


「まぁ実在する名前が書かれてないんだから、怒っても仕方がないと言いたかったみたいな?」

「そうなのか? ちゃんと家名も書いてあるけど……」

「ボエルだったら正直に書くんだ~」

「うん。書かないな」


 ボエルが差出人に納得したら、フィリップは他にも4通の手紙を広げた。


「これも似たような感じ。呪いの手紙だけじゃなく、罵詈雑言の手紙もあったの」

「ふ~ん……殿下って、そんなに嫌われてたのか」

「そんなワケないでしょ。え? 僕って、みんなから嫌われてたの?」

「いや……馬鹿にされることは尋常じゃないぐらいめちゃくちゃ多いけど、嫌いって声は聞いたことがない……変だな……」

「尋常じゃないとめちゃくちゃは同じ意味なんだから重ねないでくれない? 悲しくなっちゃう」


 そこまで馬鹿にされていたのかとフィリップはオヨヨと泣いているが、ボエルは無視して考えていたら閃いた。


「あっ! 女関係だ! 酷いフリ方しただろ? もしくは、襲って無理矢理やったな!? だから恨まれるんだよ!!」

「ボエルさん? 決め付けないでくれません??」

「だって、殿下が恨まれる理由、それぐらいしかないだろ?」

「確かにそうだけど、やる前にちゃんと遊びで同意してもらってるから、別れる時も円満だよ」

「それ、円満だと思ってるの殿下だけじゃね? そもそも前提がひでぇ……よくそんなこと言えるな」

「だって第二皇子なんだも~ん」


 ボエルがドン引きしてるのに、フィリップは口答え。「こんな時だけ地位を使うんだ」とさらに引かせてる。

 そんな中、フィリップは腕を組んで手紙に目を落とした。ボエルの言い分はさもありなんと言えなくはないが、フィリップが帝都学院の女子にムリヤリ手を出したのはイーダのみ。

 確かに恨まれている可能性はゼロではないが、卒業してからこの帝都に戻って来ていないのだから、犯人の可能性はゼロだ。


「あ……これって全部、筆跡違うくない?」

「う~ん……これとこれは違うと思うけど……つまり、殿下は5人に手を出したと言うことか?」

「それは一旦忘れて。そうじゃなくて、この手紙ってどうやって集めたかって聞きたいの。1人1人手渡し?」

「いや。ほとんどまとめて渡された」

「てことは、ボエルは差出人の顔と名前はほとんど一致しないんだよね?」

「まぁ……かわいい子は覚えてるけど……」


 いまはフィリップが謎解きをしている最中。ボエルのボケにこけかけたけど、我慢だ。


「これはますます面白くなって来たな~」

「うわっ。また何か(たくら)んでる……メイド服の時みたいに酷いことしてやるなよ?」


 ある程度考えがまとまったフィリップは悪い顔して、ボエルを不安にさせるのであった……



 それからのフィリップは男子の手紙だけ読んでいるから、ボエルは何をしたいかがわからない。なので、フィリップが仕分けした面白い手紙を読んで笑い、途中まで仕分けした女子の手紙を読んでキュンキュンしてた。

 翌日には男子の手紙は読み終わったので、ボエルに指示。その次の日に男子をとある大部屋に集め、手紙の返却プラス、フィリップが書いた文章を読ませる。


 これはボエルは嫌がったけど、名代として命令されたので、渋々だが偉そうな感じでやらなくてはならない。


「フィリップ殿下は、卒業後は皇族に残るか公爵になるかまだ決まっていないと仰っている。したがって、誰かをお側に置くことも自分で決められないそうだ。

 ただし、手紙は全てお読みになって、皆の熱い気持ちに感謝していらした。しかし、先程述べた理由もあるから、返事は全て断らざるを得ない。不甲斐ない自分を許してくれと仰っておられた」


 珍しくフィリップが皇子らしい振る舞いの文章を書いて寄越したので、ここに集まった男子生徒は半分が感心して、半分が驚いた顔になっていた。

 その顔を微妙な顔で見ていたボエルは、手紙を返却しろと言われていたので、男子生徒の名前を1人1人読んで手渡して行く。


「あの……この、12点という点数はどういう意味でしょうか?」


 その手紙の封筒には点数が書いてあったので、一番始めに気付いた準貴族の者が手を上げた。ボエルは溜め息が出そうなのを我慢して、ギリギリ皆に聞こえる声で答えを告げる。


「それは~アレだ。手紙の文章がよくできているかの点数だ。まぁ、低くても高くても気にするな。殿下の基準だからな?」

「はあ……」


 ボエルに気にするなと言われても、点数があるなら誰もが気になること。返却された者は、自分の点数を確認して高い者や低い者を探す。

 ボエルは返却が終わると、ダッシュで逃走。この場に残っていると、何を言われるかわからないもん。


 その男子生徒の中で、フィリップが100点を付けた手紙の伯爵令息が嬉しそうに自慢していたので、その伯爵令息に全員が群がった。


「「「「「ブハッ! あははははは」」」」」

「あんの、クソ皇子~~~!!」


 男子生徒、手紙を読んだだけでノックダウン。全員に回し読みされた伯爵令息は、卒業まで『迷文の貴公子』と馬鹿にされて笑われるのであったとさ。


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