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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十一章 昼が忙しくても夜遊び

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247 2学期の準備


 彼女へのプレゼントはハンカチに決定したので、ボエルが四苦八苦しながら選んだらようやく終了。

 ここで執事服が傷んでいたのを思い出したフィリップは、城の仕立屋で新しいデザインを発注するかとボエルに聞いたら、案内係が凄い顔で見ていた。買ってほしいのだろう。

 ボエルも初めてフィリップから送られたデザインの執事服だから、同じ物のほうがいい模様。案内係は嬉しそうに手続きをしてくれた。ボエルは知らないだろうけど、最高品質の生地を使ってるもんね。


 城に帰ると、さっそく寮に戻る手続きをボエルにやらせたら、何故か暗い顔で戻って来た。


「さっきまで浮かれてたのに、今度はどったの?」

「いや、殿下って馬に乗れるのかと思って……」

「馬? 馬車なら余裕だけど……」

「やっぱり~~~!!」

「なになに? どういうこと??」


 フィリップの答えは、ボエルの予想通りだけど最悪の答え。


「4年生の2学期は、授業で野営訓練があるんだよ。その場所に、基本的に男子は馬を駆けて行くから、乗馬の授業もあるんだ」

「ふ~ん。じゃあ、僕は女子と一緒に馬車で行くよ」

「それが陛下から、馬を与えるから教えるように言われてるんだ……」

「つまり??」

「学校まで乗ってけってことだよ! それまで彼女と会えない~~~!!」


 そう。いまから素人に教えないといけないから、ボエルは嘆いていたのだ。


「別にボエルが乗って行って、学校で教えてくれたらいいんじゃない?」

「陛下の命令を無視するワケにはいかないだろ!!」

「変なところで真面目だね~」


 というわけで、ボエルはフィリップが馬に乗れるまで彼女に会えないことが決定したのであったとさ。



 翌日は、朝からフィリップは鼻息の荒いボエルに担がれて、お馬さんのいる厩舎(きゅうしゃ)へ。早く彼女に会いたいからって、寝てるところを拉致られたみたいだ。


「ふぁ~……どれが僕の馬~?」


 やっと地面に下ろされたフィリップは、やる気なしに尋ねてみた。


「どれとかじゃなくて、こっから選ぶんだ」

「えぇ~。面倒……」

「面倒とか言うな。馬ってのは、人を選ぶんだよ。そんなヤツは背中に乗せてくれないぞ」

「やっぱり面倒じゃん」

「だから面倒とか言うな! こっちは急いでるんだよ!!」

「急いでるのはボエルだけでしょ~」


 ボエルは彼女と会いたいがために早く選んでほしいので、フィリップとの熱量はまったく違う。フィリップの手を引いて、厩舎の中に連れ込んだ。


「ほら? こいつなんてどうだ? 凛々しい顔をしてるぞ??」

「みんな一緒に見えるんだけど~?」

「ちげぇだろ。アイツは優しそうだろ」

「わかりません……」

「わかろうとしろ!!」


 コニーの顔すら忘れていたのだから、馬なんてフィリップには無理! せいぜい大きさと色ぐらいしか違いがわからないみたいだ。


「う~ん……あの一番デカイ黒いのでいいや」

「そんな適当に選びやがって……でも、急いでるからそれでいっか」


 適当だが、ボエルも反対する時間がもったいないので即決定。しかしながら馬係(いわ)く、この一際大きな黒馬は問題があるらしい。


「気性が荒いから、馬に乗り慣れてるヤツでも振り落とされることが多いみたいだ。あっちの茶色い馬なら誰を乗せても走ってくれるらしいから、そっちにしないか?」

「えぇ~。僕はあの馬が気に入ったの~」

「噓つけ。適当に決めただろ」

「もう愛着湧いたの~~~」


 フィリップがゴネ出したので、ボエルもショック療法。「落とされてもいいや」と、フィリップが第二皇子なのを忘れて試してみる。馬係にはめっちゃ止められていたけど……



 フィリップとボエルが雑談しながら馬の運動場で待っていたら、馬係が4人掛かりで鞍をつけた黒馬を引っ張って来た。


「あらら~。ホントに難しい馬だったんだね」

「ああ。見ただろ? これは殿下には無理だ。怪我するから、他の馬に代えたほうが絶対いいって」

「う~ん……ま、なんとかなるでしょ」

「おい! 無防備に近付くな!!」


 ボエルの制止を無視して、フィリップは黒馬の顔の真ん前に立った。


「僕のこと乗せてくれる?」

「ブモッ!?」

「イヤか~……なんか欲しい物ない? いまはその話はいいでしょ……甘い物が食べたいの? 四角いのって……角砂糖かな? それをあげたら乗せてくれる? 交渉成立だね。係の人、角砂糖持って来て」


 フィリップが振り返ると、ボエルはポカンとした顔で質問する。


「いま、馬と喋ってたのか?」

「まっさか~。そんなワケないでしょ~」

「だよな……でも、角砂糖って……」

「なんとなく食べたそうにしてたからだよ。早く持って来ないとプンプンだよ~?」


 ひとまずボエルの質問は適当にあしらって、馬係を走らせて戻って来たら、黒馬にはフィリップみずから角砂糖を食べさせた。


「残りはあとからだよ……ちゃんとやるって。なんなら、いまのを毎食1個プラスしてやるから言うこと聞いてね。うん。約束」

「いや、絶対喋ってるだろ?」

「人間と馬が喋れるわけないでしょ~。ただの意思疎通ってヤツだよ。ね?」

「ブルンッ」

「返事した!? な? いま返事したよな??」


 ボエル、大混乱。なので馬係に何度も確認し、馬係も「絶対喋ってるって~」って盛り上がるのであった。

 ちなみに真相は、フィリップは動物と喋れる。忘れている方もいると思うので説明すると、母親の形見のネックレスには動物と喋れる機能がついていて、最初の頃に鳥の合コンシーンも通訳していたよ。


「ブモモモ……」

「だから、なんで喋れるかなんてどうでもいいでしょ?」

「ブモッ」

「キモって言わないでくれない?」


 そんな中、フィリップは黒馬に気持ち悪がられていたのであったとさ。


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