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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
十章 物語が終わっても夜遊び

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225 お呼ばれ


 ルイーゼとランチをしたらフィリップは近付きたくなくなっていたけど、そうはいかない。そろそろ夕食の予約をしようとしたタイミングでフレドリクのメイドが訪ねて来て、夕食に誘われてしまった。


「うぅぅ……行きたくねぇ~」

「まぁ……昼のこともあるもんな。頑張れ」


 そこへ向かうまで、フィリップの足は鉛のように重い。ボエルは怒られる心配をしていたから、もう他人事だ。


「いちおう言っておくけど、聖女ちゃんのマナーを見て笑ったら、ボエルも処罰されるかもしれないんだよ?」

「うっ……アレをまた見させられるのか……オレも行きたくねぇ~」


 一度目は呆れて開いた口が閉じなくなったからよかったけど、二度目は笑ってしまう可能性は大。フィリップが笑ったら、絶対に釣られるパターンだ。


「もしなんだったら、席外す? 適当に体調不良って言っておいてあげるから」

「やけに優しいな……なんか裏があるのか?」

「単純にボエルがいなくなると困るだけだよ。いつもお世話になってるもん」

「そんなこと言われたら、一緒に行くしかねぇだろ~」

「やっぱり~? じゃあ、一蓮托生だね!」

「それが狙いか~~~!!」


 本当はそれが狙いじゃない。ボエルをからかっていただけ。もっと言うと本当にボエルの心配をしていたけど、面白いほうに走っただけだ。

 こうなってはボエルも本当に行きたくなくなったけど、「一緒に行く」と言ってしまった手前、足取り重くフィリップに続くしかないのであったとさ。



 ディナーの場所は、VIP用の景色がいいテラス。そこに行くまでには警備は物々しかったが、テラスの周りは人数を絞られているのか、フレドリクとルイーゼ、2人の専属メイドしかいなかった。


「お兄様。お招きに与り、ありがとうございます」

「ああ。楽しい会にしよう」


 嫌々でも社交辞令は大事。フィリップは皇族教育で習ったことを忘れずに綺麗な挨拶をして、フレドリクから許可を得たら引かれた椅子に座る。


「昼はルイーゼが世話になったみたいだな」


 いきなり本題が来たので、フィリップも背中が汗ばんだ。


「いや~。僕も久し振りにマナー講義を受けたくなっちゃって。お兄様の許可なくお邪魔しちゃってゴメンなさい」

「まだ誰にも見せたくなかったのだが……フィリップなら誰にも喋らないと信じているぞ?」

「うん! ボエルも大丈夫。口を酸っぱくして言っておいたからね。ただ、父上にこのことは……」


 いまのところフレドリクの顔色は普通なのでフィリップは攻めてみたが、ちょうどスープが運ばれて来たので、給仕が離れるまでフレドリクの答えを待つ。


「まだ言っていない」

「それは隠すってこと?」

「ズズズ~……」

「時期を見て話すから、それまではフィリップも胸に留めておいてくれ」

「それはいいけど……」

「ズズズ~……」


 第一皇子と第二皇子を差し置いてルイーゼがスープをすすっているので、フィリップもツッコミたいが何も言えない。


「まぁいいではないか。かわいらしいだろ?」

「う、うん。今日は無礼講でいこ? 僕もマナーは気にせず食べさせてもらうよ」

「そうだな。たまにはそういう食べ方をしてみるか」

「うんうん。お手本もいるしね~」


 ここまでフレドリクがバカになっていては、フィリップも不安でいっぱい。ここはルイーゼに乗っかり、マナーを捨てたほうが平和に食事ができると提案して食べ始めるフィリップ。

 忘れないようにマナー講師のことは先に処理して、あとはできるだけ笑える話を振り、ボエルが笑っても大丈夫な雰囲気に持って行く。


 そんなにフィリップが気を遣っているのに、ミスがあったらしい。


「フィリップ君、手はダメだよ?」

「え? さっき使ってなかった??」

「フィリップ……お姉様のいうことが聞けないのか……」

「マ、マナー悪くてゴメンなさい……」


 ルイーゼをマネして食べているのに、何故かルイーゼが注意するので納得いかなかったり、その不満な顔をフレドリクが見逃さないのでこちらにも納得のいかないフィリップであったとさ。



「うぅ……食べた気がしない……」


 自室に戻ったフィリップは、ベッドに飛び込みグデ~ン。ルイーゼとフレドリクタッグの相手は精神的に疲れるみたいだ。


「アハハ。お疲れ」

「ホント疲れた~。てか、僕って悪いことしてた? なんで怒られてたの??」

「さあ? アレじゃないか? 聖女様のマネをするから癇に(さわ)ったとか??」

「うそ~ん。それもダメなの~~~」


 虎の尾を踏まないように慎重に慎重を重ねたことが地雷だったとは、フィリップもガックシ。ボエルに当たるというか甘えて膝枕を要求し「ブーブー」言っていたらノックの音が聞こえた。

 その音にボエルは普通に反応し、フィリップの頭を落として入口に向かう。ボエルは膝枕で優しくするような母性は持ち合わせてないもん。


 そのことにもフィリップは「ブーブー」言っていたが、ボエルが戻って来たら勢いよく立ち上がった。


「よしっ! 明日、寮に戻ろう!!」

「あん? 明日は陛下から呼び出しがあるからそれまでは無理だぞ」

「はい??」

「戻るなら自分の口で言え」

「えぇ~……」


 残念ながらいま一歩逃げ遅れた。ちょうど皇帝のメッセンジャーが来て予定を告げて行ったので、この日のフィリップは「ブーブー」言いっぱなしでボエルの体に当たり散らしたのであったとさ。


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