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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
九章 物語が終わるまで夜遊び

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207 スカウト中


 アン=ブリットの怒りの猛攻が続くなか、フィリップはというと……


「月に金貨2枚でどう? 破格じゃな~い??」

「黙れ!!」


 攻撃を捌きながらスカウト中。それがさらにアン=ブリットを怒らせているな。


「仕事は僕の護衛でね。夜のお世話も込みだから、ちょっと高く設定してるの。それでもひと月に一般市民の数倍は稼げるよ」

「うるさいうるさいうるさい!」

「じゃあ、3枚!!」

「黙れと言ってるだろ!!」

「クッ……5枚でどうだ!!」

「人の話を聞け~~~!!」


 押し問答は、フィリップの勝利。攻めていたのはアン=ブリットなのに、飛び退いてしまった。


「月給金貨5枚で受けてくれるんだ~。ありがと~う」

「なわけないだろ!!」


 でしょうね。フィリップが勘違いというより確信犯でからかっているだけだ。


「そもそも護衛が夜のお世話ってなんだ! そんな護衛、どこにいるんだ!!」

「僕のメイドは護衛を兼ねているから……2人??」

「いたんだ!?」


 アン=ブリット、意外と素直。フィリップの頭がおかしいだけなのに、信じてしまっている。


「ちゃんと休みもあるよ。僕、出掛けること少ないから、ほとんど休みみたいなもん。暗殺なんかより、よっぽど楽な仕事だね。まぁ今のところ僕に自由な権限はないから、卒業までは知り合いの奴隷館に預かってもらうけど。あ、仕事は用心棒だから安心して」

「だから、やりたいなんて言ってないだろ。なんでそこまで私なんかをスカウトするんだ」

「そりゃ、こんな美人の巨乳ちゃんをほっとけないよ~。ゲヘヘ」

「聞きしに勝る、馬鹿皇子だな……そこはせめて腕前だろうが……」


 理由が暗殺者の実力だと思っていたアン=ブリットは、動機が不純すぎてグチグチ。フィリップはエロイ顔して腰を振ってるし……


「その顔やめろ。やる気が失せる」

「じゃあ、仕事なんてやめて宿屋にしけこまな~い?」

「仕事は仕事だ。失敗はできない」

「いいじゃん失敗ぐらい。てか、いまから行っても、どうせ失敗するんだから同じことだよ」

「なんだと……私は一度だって失敗したことはないんだぞ……」


 毒気が抜けていたアン=ブリットは、馬鹿にされたと感じて怒りの目を向けた。


「雇い主から、いまなら聖女ちゃんは風邪で寝込んでるからやりやすいって聞いたんでしょ? それ、誤情報。兄貴たち4人が部屋にいるから絶対に失敗するの」

「貴様が第一皇子に余計なことを吹き込んだということか?」

「ううん。兄貴たち、聖女ちゃんラブなの。心配で心配で仕方がないから寝ずの番してるんだよ~。気持ち悪いでしょ~?」

「それが事実ならな。せめて自分の目で確認しないと、引くに引けない」

「えぇ~。まだやるの~? 僕の下に来なよ~」


 アン=ブリットはクナイを構え直し、初めて笑顔を見せた。


「私をここまで必要としてくれた人は初めてだ。それでも私は、この生き方しかできない。押し通らせてもらう」

「頭が堅いな~。楽に暮らせばいいのに……仕方がない。ちょっとぐらい僕の本気を見せてあげるよ。それで、どうにかお願い!」

「フッ……考えておく。行くぞ~~~!!」

「はいは~い」


 こうしてアン=ブリットの気合いの入った雄叫びと、フィリップのふざけた返事で最終ラウンドが始まるのであった……



「なっ……速い!?」


 最終ラウンドは、一方的。アン=ブリットがいくら攻撃しようとも、フィリップが目の前から消えた上に目で追うこともできない。


「ゴメンね~」

「がはっ!」


 明後日の方向を見て隙だらけの脇腹に、まずは手加減した一発。フィリップは謝りながらショートアッパーを入れたら、アン=ブリットは痛みに顔を歪めて数メートル浮き上がった。


「そこか!!」


 さすがは世界最高の暗殺者。目で追えなくても攻撃を受けた位置を察知して、その方向にクナイ発射。


「もうここなの~。ゴメンね~」

「ぐはっ!!」


 しかしフィリップはすでに移動して、アン=ブリットより高い位置に。そこから腕を振り、アン=ブリットを拳で叩き落とした。


「ガハッ! な、なんだこの力と速さは……」


 腹から床に激突したアン=ブリットは、体を起こしたがダメージのせいで手も足も震えて立てないでいた。


「痛かったよね。ホント、ゴメンね~」

「ふ、ふざけるな……第二皇子がなんでこんなに強いんだ!!」

「だから言ったじゃん。兄貴が5人がかりでクリアしたダンジョンを単独制覇したって」

「そんな話、聞いたことないぞ!!」

「人に喋ったの、コレが初めてなんだから知るわけないよ。ちなみに僕のレベル、99。ニヒヒ~」

「きゅ……ありえない……」


 アン=ブリットは口ではそう言っているが、自分をここまで圧倒しているのだから、フィリップを見る目が化け物を見る目に変わった。


「もうこのへんでやめにしない? 僕、女の子を殴るのイヤなんだよ~」

「……わかった」

「やった! 最高の暗殺者、ゲットだぜ!!」


 フィリップは大袈裟にバンザイ。その間にアン=ブリットは立ち上がって爪先をトントンとした。


「馬鹿め! 今日のところは、ということだ!!」


 アン=ブリットは足が動くかを確認していただけ。胸元から忍者ならお馴染みの玉を取り出して、床に叩き付けるのであった……


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