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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
八章 夜遊びの自主規制

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188 ショック療法


 フィリップに続いて寝室に入ったリネーアは、ドアを閉めるとベッドに腰掛けているフィリップの隣に座った。


「やる前に、言っておかないといけないことがあるの」


 それと同時にフィリップは口を開いた。


「僕、ニコライってヤツとたいして変わらないぐらい酷いヤツなんだ」

「そ、そんなことないです。優しいです」

「暴力を振るわないだけ。女性に対しては不誠実なの。体の関係しか求めないヤツなんて最低でしょ?」

「それでも私を助けてくれました」

「盲目にならないで。これから僕がすることは、体を求めるだけ。君とは結婚するつもりはこれっぽっちもない。恋心を持たれても困る。それはわかってる?」


 フィリップが初めて冷たくすると、リネーアも1分ほど黙って答えを出した。


「はい。それでかまいません。殿下は好きでもないのに、私の今後を想って抱いてくれるだけだと理解しております」

「……女性にそんなこと言わせてゴメンね。ただ、ひとつだけ訂正させて。ベッドの上では、僕は等しく女性を愛している。それだけは信じて」

「はい……はい……」


 覚悟をしてもリネーアの目から涙が零れ落ちるが、フィリップは容赦なく体に覆い被さるのであった……



 時は少し戻り、フィリップとリネーアが寝室に入った直後……


「お嬢様は本当に大丈夫でしょうか?」


 マーヤは心配で仕方ないらしく、ボエルを見た。


「たぶん大丈夫だ」

「……そうですか」


 ボエルは大丈夫とは言っていても、緊張した顔をしていたのでマーヤの不安は払拭できない。それに気付いたボエルは気分を変えようと紅茶を入れて、リビングのソファー席にて一緒に座る。


「どういうワケか、殿下は人間の心のことに関しては詳しいんだ。本当に、なんでか……」

「はあ……心ですか」

「オレも助けられた口だ。実はオレ、女だけど女が好きなんだ。ずっと悩んでいたけど、殿下にそういう人はいっぱい居ると教えてもらってから、すっごく心が軽くなったんだ」


 ボエルがカミングアウトするとマーヤも驚いていたが、性同一性障害を詳しく説明することで徐々にだが、フィリップならリネーアをなんとかしてくれるのではないかと希望が生まれた。

 しかしその時、寝室から奇声が聞こえて来て希望は吹き飛んだ。


「こ、この声は……」

「あの声だな……」


 そう。フィリップが優しくマッサージしていたのを徐々に徐々に激しくして行ったら、リネーアの声も大きくなったのだ。


「どんどん大きくなりますね……」

「ああ。殿下、めちゃくちゃ上手いんだ……」

「え? ボエルさんもしてるのですか??」

「うん……勉強させるご褒美と自分から言ってしまってから、ハマっしまいました……」

「女性が好きって言ってたじゃないですか!?」

「べ、別腹ってことで……」


 噓をつかれた感じになったマーヤはまた不安な顔になり、ボエルはそれを払拭しようと言い訳を続ける。その間も寝室からリネーアの声が大きくなったり消えたりと繰り返すので、2人はなんだか居たたまれなくなって来た。


「それにしても凄いですね……いつまで続けるのでしょう……」

「彼女が満足して眠るまでかな? ああ……クソッ! なんかムラムラして来た!!」

「ですよね。私もです……」


 どうやらリネーアの声のせいで2人もそんな気分になって、見詰め合うことに……


「オレ、殿下に手解き受けたから、そこそこ自信はあるんだけど……」

「殿下のようにできるってことですか?」

「途中までな。よ、よかったらどうだ?」

「はい……お願いします……」


 (さか)ってしまったボエルとマーヤも、リビングのベッドでマッサージをし合うのであった……



「フゥ~。おやすみ」


 深夜までリネーアに男の良さを実演して見せたフィリップは、リネーアが疲れて眠ると軽く頭を撫でる。このまま寝てしまおうかとも思ったが、少し汗を掻いたし喉も渇いていたので寝室を出たら、女性のあの声が聞こえたので忍び足。

 キッチンで水差しだけ確保したら、リビングに戻ってパーテーションで隠れているベッドに忍び寄って覗き込んだ。


 そこではボエルとマーヤがくんずもつれていたので、それを肴に水をチビチビ。終わるのを待つ。

 それから十数分後にマッサージは終わったらしく、2人は倒れるように横になった。


「どうだった? 悪くなかっただろ?」

「はい。あんなの初めてでした。男とするよりよかったかもしれません」

「だろ? オレだったら付き合ってもいいって感じかな??」

「う~ん……付き合うぐらいなら……」

「やった!! ……ん??」


 ボエルが喜んで体を起こしたところで、ベッドの横に生首が浮かんでいるのに気付いた。


「でででで、殿下!?」

「えっ!?」


 もちろんそれはフィリップ。まだ続ける可能性があるから、静かに近付いていたのだ。


「あ、バレちゃった。エヘヘ~」

「いつからいたんだよ!?」

「2人が絶頂に達する前~。いや~。百合のプレイは見応えあったな~。もうしないの~?」

「見るなよ!!」


 フィリップがエロイ顔でボエルの苦情をいなしていたら、真っ青な顔をしたマーヤが土下座する。


「殿下のお目を汚すような物を見せてしまい、申し訳ありませんでした!」

「いやいや、綺麗だよ。ボエルから聞いていたけど、本当に脱いだら凄いね。僕もまぜてほしいな~?」

「……へ??」

「殿下はこういうヤツなんだよ! オレが彼女としてる時も入って来ようとする、し……あっ!?」


 マーヤが助けを求める目を向けると、ボエルはキレながらの失言。全部言ってから口を塞いでも遅すぎる。


「せっかく彼女がいるの黙ってたのに、なんで自分で言うかな~?」

「うっ……違うんだ。今日のは……こんな時、オレはなんて言ったらいいんだ~~~!!」

「たぶんメイドさん、本気で付き合うって言ったんじゃないから、彼女にバレなきゃ大丈夫だと思うよ。ね?」

「はい。付き合えると言っただけで、本当に付き合うかは別です」

「セーフ! あれ? これ、アウトか??」


 フィリップとマーヤの言葉にガッツポーズしたボエルであったが、混乱しているのでフィリップがまとめる。


「彼女との仲はセーフ。メイドさんとの関係は、浮気してたからアウトだね」

「そんな~~~」

「それより、僕もメイドさんとマッサージしたいな~? 体の関係でどうかな? 結婚とかそういうのは絶対にしないから~」

「そんな最低な口説き方ってあります??」


 ボエルの嘆く声が響くなか、冷静になったマーヤにフラれてしまうフィリップであったとさ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 今後改善するといいですね [一言] 何気にこのセリフが 一番最低だと思う 「ベッドの上では、僕は等しく女性を愛している。それだけは信じて」 この子にとっては、愛してもらいたければ体を差し出…
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