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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
六章 夜遊び少なめ

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145 悪魔の取り引き


 中間試験の結果は先に皇帝に流れていたが、フィリップが先手を打つことでお(とが)めなし。面会時間が終了したら寮に戻る。

 その馬車の中では、ボエルがフィリップに質問しまくっていた。


「なんの呼び出しだったんだ? オレも関係あるようなこと言ってたぞ??」

「父上が僕の顔を見たかっただけだよ。ボエルは関係ないから気にしないで」

「本当なんだな? 信じていいんだな??」

「僕が噓ついたことある?」

「ある。ありまくる。本当のことを言うことのが少ない。てことは、噓ついてるんだな?」

「心外だな~。ずっとボエルを抱きたいと思ってるよ~」

「それは本当みたいだけど、ないからな?」


 あまりにもしつこいのでフィリップはセクハラ返し。セクハラについてはボエルも信頼できるらしい……


 寮に帰ると、フィリップが朝の続きをしようとボエルをベッドに招き入れようとしたり、ボエルがキレたりしていたら夜になる。

 次の日も休みだったので長めに夜遊びしたフィリップは一日中寝て、連休明けにはテストが返って来たら、ボエルには寮の自室で見せてあげた。


「さ、最下位……」

「ごめ~んちゃいっ」


 その結果、ボエルは泡吹いて倒れ、フィリップはかわいく謝ったのであったとさ。



 それから復活したボエルは、皇帝の呼び出しの理由は完全にわかったらしいが、どうしてお咎めのひとつもないのかは理由がわからない。

 ベッドで寝転んでいるフィリップにしつこく質問していたけど、とぼけ続けてうやむやに。


「べ……勉強だ! こんな点数じゃいつクビになるかわからない! 家にも迷惑が掛かる! 勉強してくれ!!」

「全部、自分のためだね……」


 さすがのフィリップも、こんな理由では勉強できねぇ。ボエルに罪を(なす)り付けて、普通の女性にチェンジしてもらったほうがよかったとも考えている。


「殿下だって、最下位なんて恥ずかしいだろ?」

「ぜんぜん。カールスタード学院では何度も取ってるもん」

「最下位に慣れるな! 恥ずかしがれ!」

「はいはい。恥ずかしい恥ずかしい。ちょっと寝ていい?」

「いいわけないだろ!?」


 ボエルがいくら勉強しろと言っても、フィリップは聞く耳持たず。中間試験も終わったばかりだと口答えまでして逆を向いたので、ボエルも最終手段を提示する。


「ご、ご褒美、や、やる……」


 その声は嫌悪感と羞恥心がまざっていたので、フィリップもご褒美は何かと勘付き、悪い顔で耳をピクピクとした。

 ただ、こんな顔で振り向いてしまってはボエルが拒否しそうだから、いまは我慢だ。


「聞いてるのか?」

「ご褒美が何かわからないから、聞こえな~い」

「チッ……だから、オレの体を……」

「体を~??」

「え~い! 次の期末で1位取れたらヤラせてやるって言ってんだよ!!」


 ついにボエルは悪魔の取り引きを言い出してしまったので、フィリップも(こころよ)く……


「最下位に1位なんて無理じゃん。おやすみ~」


 受けるわけがない。フィリップの頭なら余裕だが、こんな無理難題な取り引きは突っぱねた。


「じゃあ、2位で!!」

「だから無理だって。それに1ヶ月以上も先の話なんて、やってられないよ」

「クッ……じゃあ、どうしろと?」

「そりゃ、先払いだよ~? そしたら毎日勉強するのにな~……」

「毎日勉強したところで、順位が変わらないんじゃ……」


 ようやく普通の顔に戻ったフィリップは体を起こして、ボエルの顔を見た。


「今回は勉強してなかったから最下位だったんでしょ? てことは、毎日勉強すれば、最下位は余裕で脱却できるよ。その後は徐々に順位は上がって行くんだから、ボエルの手柄も右肩上がりになるんじゃな~い??」


 これこそ、悪魔の取り引き。最下位だから下がるわけがない。それに一気に1位なんて、最下位から到底取れるわけがない。フィリップは現実的な策を出した。


「クッ……クソ! それしかないのか……」


 ボエルもそれが一番可能性のある策なので、何度考えても他の案が浮かばないので悔しがっている。


「んで……どうするの?」

「わかった……やる。そのかわり、毎日勉強しろよ?」

「いいよ~。でも、今日はボエルの体を楽しんでからだ」

「もう約束破るのか!?」

「違う違う。痛いからって、ボエルが約束破りそうだもん。初めてなんでしょ?」

「そ、そんなに痛いのか??」

「できるだけ痛くないようにするから、僕に任せて~」

「ううぅぅ……優しくしてくれ……」


 こうしてボエルは、悪魔のベッドに入ってしまうのであった……



「す、凄かった……」


 2時間ぶっ続けでフィリップにマッサージされたボエルは目をパチクリさせて天井を見ている。


「アハハ。喜んでくれたみたいだね。彼女ができたら、同じようにしてあげたらメロメロになってくれると思うよ」

「うん。こんなに気持ちいいことされたら、離れられないかも……」

「なに~? 僕に惚れちゃった??」

「そこまでは……でも、もう一回してもらいたいかも……」

「何回でもいいよ。ただ、ボエルの頭の中がこればっかりになってるから、勉強は明日からでいいよね?」

「うん……」


 フィリップの超絶技巧のマッサージで乙女になってしまったボエルは、このままフィリップのベッドの中で心地よい眠りに落ちるのであった……


「いや~。なかなか落とすのに時間が掛かったな~。ま、百合好きを落としたから値千金か。このままどっぷり沼に引きずり込んで、自分から勉強やりたくないと言わせられるかな~?」


 ボエルを落としたフィリップは、悪い顔で先のことを考えるのであったとさ。


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