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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
六章 夜遊び少なめ

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141 ヒロインと初接触


 フィリップの経験人数は置いておいて、経験値はそれなりに高いと知ったボエルは悩み出した。初めてを失敗しないためには、フィリップのアドバイスを聞いてもいいのではないかと……

 ただ、フィリップはお風呂である部分をおっ立ててエロイ目で見て来るので、それには耐えられなくて踏ん切りがつかないみたいだ。


 そんな日々をボエルが送っていたら、フィリップは学校のある変化に気付いた。


「ねえ? 最近、聖女ちゃんって、ウチのクラスに来てないよね?」

「そういえば、殿下を見失うことはなくなったかも?」

「やっぱり……これって、イベントの期限みたいなのがあるのかも?」

「イベント? 期限??」

「な、なんでもない」


 考察は口から出てしまったのでボエルが気になっていたが、フィリップはごまかして授業に戻り、次の手を考えていた。


(これで逆ハーレムルートは抜けたかな? 問題はここから僕が逆転できるかだな~……聖女ちゃんを口説いてみるか。その前にあの確認だな)


 フィリップはこの日からまたルイーゼのストーキングに戻り、庭園のベンチで1人で座っているところを狙って近付いた。


「やあやあ。元気?」

「えっと……どちら様ですか?」

「そう来たか……」


 まさか第二皇子をスルーして来るとは思っていなかったフィリップは、次の言葉を探す。ただ、ボエルを見たらキレそうな顔をしていたから急がなくてはならない。


「お兄様と仲良くしてるみたいだね」

「お兄様? どちらの方でしょうか??」

「第一皇子のことだよ」

「だ……フレドリク様!? てことは、フィリップ様ですか!? おおお、お初にお目に掛かります!!」


 ここでようやくルイーゼは焦りながら立ち上がり、深くお辞儀した。


(なんだこの反応……あんなにしつこく僕を追いかけていたのに、いまさら焦るか??)


 その反応は、フィリップの予想を大きく外れていたので、違う角度から攻めてみる。


「そんなのいいよ。お兄様たちと同じように相手してくれたら嬉しいかな~?」

「は、はい! でも、どうして私なんかに話し掛けて来たの?」


 ルイーゼは早くも敬語じゃなくなったけど、フィリップは少し気になっただけで続ける。


「いや~。お兄様が心を許してるみたいだから、どんな子か気になったの。やっぱりゲームは好きなの?」

「ゲーム? あ、チェスかな? フックンに教えてもらったけど、アレは私には向かないね」

「フックン??」

「フレドリク様のことだけど……あ、人前では言うなって言われてたんだった!」


 この「フックン」は、乙女ゲームではフレドリクの好感度がマックスになった状態で呼び方を選択すると使えるようになるのだが、フィリップ的には早すぎるのではないかと思っている。


「そうだね。本人の前以外ではやめたほうがいいね」

「うん。気を付けるよ~」

「だね。それとだけど、青い猫のお腹にポケットがついてるのはどう思う?」

「それ、本当に猫なの? ポケットってことは、お腹に縫い付けられているのでは……あわわわわ」

「単なる心理テストだよ。そんな猫いないから心配しないで。アハハハハ」

「もう~。変なこと言わないでよ~。ウフフ」


 フィリップが笑うと、ルイーゼも笑いながらフィリップの肩をチョンと押した。その瞬間ボエルがルイーゼに近付き、フィリップとハイタッチして、手を握り合うこととなった。


「ボエル。いま、何しようとしたの?」

「え……いや、オレは……なんで……」

「まぁいいや。聖女ちゃん、まったね~」

「はあ……」


 フィリップはボエルと手を繋いだまま、ルイーゼを置いてその場を立ち去るのであった……



「んで……ボエルは聖女ちゃんをビンタしようとしていたけど、なんでそんなことしたの?」


 歩きながら先程の行動を質問するフィリップ。何故かボエルがルイーゼをビンタしようとしたから、フィリップは素早く動いて手をキャッチしたのだ。


「ビンタ? そんなことを……いや、アイツがフレドリク殿下やフィリップ殿下に敬意を払っていないから、手が出た……のかな?」

「なるほどね~……女好きなのに女の子に手を上げるなんて、よっぽどムカついたんだね」

「たぶん……」

「ちなみにだけど、お父さんとかってマフィアと関わってたりする?」

「うちは騎士爵だから接点はない。なんだその質問?」

「たいした意味はないよ」


 フィリップが変なことを聞くので、ボエルも苛立って来た。


「ところでいつまで手を繋いでるんだ?」

「部屋まで? あ、このままデートする??」

「離せよ!!」

「ちょっとぐらい、いいじゃな~い」


 ボエルが手を強引に振り払うので、フィリップは頭の後ろで手を組んで不機嫌アピールをしながら自室に帰る。

 そしてベッドに寝転んで今日の出来事を考えていた。


(不思議なこと連発だ。聖女ちゃんはフィリップのことを知らないし、現世の知識にも反応しなかった。その上、ボエルは意味もわからずビンタしようとしただと?)


 そう。フィリップの予想が外れまくった上に、乙女ゲームのシナリオにまったく関わりのないボエルが、ヴィクトリア・フリューリング侯爵令嬢がやることを交代していたのだ。


(プレイヤーの線は消えた? いや、とぼけてる可能性もあるか。もうちょっと試してみよう。でも、ボエルがまた何かしそうなんだよね~……)


 この日は、フィリップがボエルに何かしようとして怒られてから眠りに就いたのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 叩こうとしたのを前にでて手を取ってハイタッチ 読者的にはさすがカンストの技だけど された本人はまったくわかってないってのがいいですね (読者向けの仕込みみたいな印象)
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