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【完結】夜遊び大好きショタ皇子は転生者。乙女ゲームでの出番はまだまだ先なのでレベル上げに精を出します  作者: ma-no
五章 二年生も夜遊び

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112 頼み事


 フィリップがファフニールソードを手に入れて1週間。本当に制御不能なのかとイロイロ試していたら、かなりクセは強いけど使いこなせるようになって来た。


「うん。振り方、力の入れ方、さらに魔力の使い方で、どんな攻撃になるか決まるのか。魔力を限りなく抑えないと普通に斬れないから厄介だよね~。じゃないとMP吸われて勝手になんか出るし」


 ここまでわかれば、フィリップのモノ。もう少し慣れたら、またファフニールに挑戦しようとポリゴンモンスターを虐殺する。


「てか、この武器、人間相手に使ったら確実に死ぬのでは……こわっ」


 だが、ふと我に返ると人間が真っ二つになったり、上半身が消えて無くなる姿を思い浮かべて封印するしかないかと思うフィリップであった。


「いや、兄貴なら強い武器持ってるから、耐えられるんじゃね? 決闘の時に使ってみよっかな~。驚く兄貴の顔がいまからでも思い浮かぶな~。できれば、イケメン4も(まじ)えて戦いたいな~。早く帰りたいな~」


 でも、フレドリクやパーティメンバーと戦う姿を想像して、楽しくなっちゃうフィリップであったとさ。


 魔王が現れたとか思われることになるのに……



 イロイロ試したフィリップは、ケルベロスとファフニールを前回より早く倒せたと喜んでいたけど、うっかりミス。


「もう私のことなんて忘れていたのかと思ってましたけど、覚えていてくれたのですね。ありがとうございます。プンッ!」


 クリスティーネの寝室に行くのを忘れていたのだ。クリスティーネは丁寧な口調だが、めっちゃ怒ってらっしゃる。


「ゴメ~ン。ちょっと忙しくて~」

「学校サボってるのに? ああ。浮気や娼館通いで忙しいのですわね。プンッ!」

「ゴメンって~。あと、浮気はしてないよ? 娼館もそんなに行ってないから許して~」

「噓つくなら、せめてゼロと言えないのでしょうかね~??」

「しばらく毎日来るから許して~~~」


 ということで、しばらくダンジョン通いは自粛。誠意を見せるために、フィリップは本当に毎日クリスティーネに会いに行くのであった。

 でも、クリスティーネの睡眠時間確保で早く帰らないといけないというか、期末試験が近いとダグマーに言われたので夜遊びを禁止して昼型にしないといけないから、ちょうどよかったと思うフィリップであった。


 その甲斐あって、4日後にはフィリップも許してもらえ、マッサージが終わったらベッドの中でクリスティーネの相談に乗ってあげていた。


「やっぱりフィリップに相談すると、いいアイデアがいっぱい出て来るから助かります」

「クリちゃんだって、僕のアドバイスなんてなくてもちゃんとできてたじゃない。帝王学もたいして学んでいないのに、この短期間で凄いよ」

「みんなが助けてくれているからですよ~」


 確かに城の中には平民が多く、前国王の政策が嫌いだった貴族ぐらいしか残っていないから仕事が(はかど)るが、クリスティーネの圧倒的なカリスマのおかげってのが一番の理由。

 その点をフィリップがあげてヨイショしまくっていたら、クリスティーネもデレデレだ。


「あ、そうだ。クリちゃんにちょっと頼み事があるんだけど~?」


 どうやらフィリップがヨイショしていたのは、このためらしいけど……


「いいですよ~。フィリップの頼みならなんでも聞いちゃう」


 クリスティーネはわかってないな。フィリップもちょっと心配な顔になってるよ。


「ファフニールって知ってる?」

「はい。神話に出て来る邪龍ですよね?」

「そそ。知ってることを教えてほしいの」

「はあ……でも、私も絵本とか本とかの知識しかないのですが……」

「だよね~……じゃあ、城の書庫とかにある神話関連の本、部下に集めさせてくれない?」

「いいですけど、どうしてそんなの調べてるのですか?」

「学校の自由研究~。進級できないと困るからね」

「そんなのありましたっけ? それより、期末試験近いんですよね? ちゃんと勉強してます??」

「クリちゃんより賢いの知ってるでしょ~」


 フィリップは話を逸らそうと自由研究を出したけど、クリスティーネが違う心配をしてくれたので助けられた。

 そのクリスティーネは、フィリップの反撃にあって目を逸らしている。中間試験のテストをやってみたら、10点台だったのを思い出したみたいだ。


「それとなんだけど、帝国の初代硬貨って知ってる?」

「いちおうは……それも絵本に出て来ますし」

「もしも手に入れたらどうする?」

「1枚でお金持ちになれるみたいですけど……どこに持ち込んだら両替してくれるのですかね? 帝国なら買い取ってくれるのですか??」

「さあ? わからないから聞いてるの~」

「え? 持ってるのですか??」

「いや、学校で話題になってたから気になって。何を買うかとか楽しそうに喋ってたからね」

「その話題には、フィリップは入らないのですか? 友達います??」


 さっき通じた学校ワードを出してみたけど、これは失敗。クリスティーネが心配してしつこく聞いて来るので、フィリップは「5人いる」とか嘘をついていた。


「嘘ついてますよね? その5人って、公爵家の御令息と小国連合の4人とか言いませんよね??」

「なんでバレたの!?」

「彼女ですもん。というか、フィリップが喋るの、その5人しかいないと聞いてますもん」

「調べないでよ~~~」


 ブンテレンジャーで遊んでいただけとクリスティーネは報告を受けていたので、ボッチだとバレて悲しくなっちゃうフィリップであったとさ。


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