Act4.学生カップルの定番イベントといえばテスト勉強!
デート、一緒に下校という目標を達成した私は中間テストが近づいてきた頃に、学生カップルといえば一緒にお勉強じゃない!ということに気がつき、慌てて和臣様に「わからないところを教えて欲しい」と言って一緒に勉強する約束を取り付けた。
そういうわけで、今日は和臣様の自宅へ来ている。
勉強しに来たのに、密室で密着しながら勉強を教えて貰うと煩悩しか湧いてこない。
和臣様の肌綺麗だな、触りたいなとか。
和臣様の首筋に噛みつきたいとか。
抱きついて匂いを嗅ぎたいとか。
キスしたいとか。
真面目に勉強をするためにも、煩悩には早々に退散してもらわないとね!と思い、結局我慢できずに和臣様の唇にちゅっとキスした。
すると和臣様は少し怒ったような表情になり、またまた私は自分の行為を後悔することになってしまった。
「あまり私を困らせないでってこの間、忠告したよね?」
「ごめんなさい。もう、私からは絶対に和臣様にキスしたりしませんから。」
「もう、遅いよ。」
なぜか和臣様に押し倒されて、唇に唇を重ねられた。しかも、和臣様の舌が口の中に入ってきて、その生温かく柔らかい感触にビクッとする。
怒らせたはずなのに、なぜか深いキスをされてしまい、私は自分の置かれた状況がわからず混乱する。
「舌を出して」
これ以上和臣様に嫌われたくなくて、口を開けて舌を差し出すと、和臣様の舌に絡め取られた。恥ずかしいのに、気持ちよくて、自分からも舌を絡めて和臣様の行為に応えた。
唇を解放されて目を開けて飛び込んできた和臣様の表情は、今ままで見た中で一番色っぽくて、私はそれを見てクラクラしそうになった。
和臣様の手が私の太ももを撫でながらスカートを捲り上げた。勝負下着付けてきてよかったと心の底から思った。
でも、下着を見た和臣様の表情が曇ったので、私は急に不安になってしまった。
「美月、この下着はどういうこと?」
どういうことと言われても、ただの勝負下着なんですけど?
黒の紐のTバックは和臣様の好みじゃなかった?
私、念のためとっておきの下着履いてきたのに。やっぱりここはピンクのスケスケセクシーランジェリーにすべきだったのか?
「えっと……勝負下着のつもりだったのですが、和臣様の好みではありませんでしたか?」
和臣様はなぜか私を横向きにさせて、下着では隠されていないお尻を撫でた。
今まで和臣様に触られたことのない場所をさわれた驚きとくすぐったさに身体がビクッとなってしまった。こういう場合の正しい反応の仕方がわからなくて、変な汗が止まらない。
「美月、やらしすぎ。もしかしてはじめてじゃない?」
「はじめてです!和臣様以外の人とこんなことしたくない……から。」
そう言うと和臣様は、私のお尻に歯を立てて噛み付いた。痛くはないけどなんだかゾクゾクしてしまう。なんと声を出して良いのか迷ってしまったら、声を抑えることしかできなかった。
自分で望んだ行為のはずなのに、どうしてこんなに恥ずかしいのか自分でもわからなかったが、今まで聞いたことのない速さで心臓が動いていることだけは事実だった。
和臣様は慣れた手つきで私の洋服を脱がせて下着だけにすると、しばらく何も言わずに私の姿を見つめた。
「美月が嫌だと言えばまだとめられるよ?」
「やめないで、このままして下さい。」
和臣様はなぜかため息を吐き出した。私のワガママを婚約者の義務として果たそうとしてくれているのだと思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、心の中であと少しだけごめんなさいと謝った。
はじめてはものすごく痛いとだけは噂で聞いていたけれど、思っていたよりは痛くなかった。和臣様は始終優しくて、私ははじめてを和臣様とできて本当に嬉しかった。
☆☆☆side和臣☆☆☆
試験勉強を一緒にしたいという美月のために美月を部屋に呼んだ。しかし、美月はこの間した忠告を無視して、自ら私にキスしてきた。
「あまり私を困らせないでってこの間、忠告したよね?」
美月は単なる無邪気さだけでキスしているのだとわかってはいたが、性欲を散々我慢してきた男を煽るとどうなるのかを示して、怯えさせたい衝動に駆られた。
それが美月に嫌われるという結果を招いたとしても、一度火がついた欲望は抑えようがなかった。
「ごめんなさい。もう、私からは絶対に和臣様にキスしたりしませんから。」
「もう、遅いよ。」
美月を押し倒して、はじめて深いキスをした。美月の拙い動きがなんとも可愛くて、その可愛さだけでイってしまいそうになる。
舌を出すように命令すると恐る恐る舌を出してくれたのでそのまま絡めとると、一生懸命それに応えてくれた。唇を離して美月を見ると、キスに酔ったようなとろんとした顔が、破壊的に可愛かった。
そして、美月のスカートをまくって見えた下着に理性が切れた。
美月のことだから、ピンクとか淡い色のレースの下着かと想像していたのに、見えたものは自分の想像しなかった種類のものだった。美月の白い肌とは真逆の黒のレースの下着は、それだけで美月を妖艶に見せるものだった。なのにさらに紐でTバックとか……
美月に意地悪くこの下着の意味を問うと勝負下着だという返事が返ってきて、美月が抱かれるつもりで今日ここに来たことを告白されたのが嬉しくて、下着の紐に手をかけてしまいそうになる。しかし、それは後の楽しみにとっておかなければと思い直し、美月を横向きにさせて、小ぶりのお尻を撫でた。
素直な反応に嬉しくてつい意地悪な質問をしてしまったが、美月は自分としかこういうことをしたくないと答えてきたので、美月を食べたい衝動からお尻に軽く歯を立てた。
せっかく止めようかと聞いてチャンスをあげたのに、美月は断らなかった。美月は自分の家が弱い立場だと勘違いしているようだが、私の家と美月の家は同等のレベルだから美月は私を我慢してまで受け入れる必要も無いし、美月が親に泣きつけば簡単に婚約を解消できる関係だった。そのことが不安で早く美月と身体の関係になりたかったが、何度も妄想した夢が叶うことに暴走しそうで、ぐっとその衝動を堪えた。
美月を傷つけないように細心の注意を払いながら、美月に包まれた時の喜びは何ものにもかえ難かった。




