凡人な私と入学式
ただいま私、小宮明希は美希と匠と3人で入学式が行われる講堂へ向かっています。
体育館じゃないところがさすが東林!
美少女とイケメンが歩いていると目立つようで、他の生徒から熱い視線が向けられている。
いや〜こんな美形と一緒に歩いているなんて光栄ですなぁ
それにしても容姿がいいとそれだけで注目されちゃうんだね。
それはそれでなんだか大変そうだね。
私はほら、平凡顔だからさ、特に人目を集めるなんてことにはならないのですよ〜
平凡顔バンザイ!!
さて、
ここで皆さんお待ちかね
明希ちゃん教えて!
のお時間です!
今回は菅野 匠について解説したいと思います
みなさん。メモのご準備はよろしいでしょうか?
よろしいですね?ではいっきまーす!
まず、匠は菅野家の長男であり一人息子である。
いわゆる御曹司ってやつですなぁ
菅野の家は我が小宮家に負けず劣らずな日本屈指の名家である。
容姿に恵まれており、自前の茶髪をワックスでツンツンにして、さらに端正な顔立ちとあいまってまるで百獣の王ライオンを彷彿とさせる。
笑うとチラリと見える八重歯がチャームポイント
属性は俺様である。
おまけに頭も良い。
俺様ではあるが面倒見の良い性格をしている匠に私は何度も助けられた。
ほら、宿題を見せてもらったりね。
きっと今年もたくさんお世話になるに違いない。
よろしく頼んだぞ!
以上、明希ちゃん教えて!のコーナーでした〜
私が明希ちゃん先生になりきってる間に会場に到着し、美希と匠と別れて自分の席に座った。
それから程なくして式が始まった。
そして気がつくと終わっていた。
え、なに?タイムトリップでもしちゃった!?とかなんとか一瞬考えたけどねぇ
違ったよ。
どうやら眠ってしまったようだ。
いや、しょうがないんだよ!睡魔には勝てないのだよ!
人生に一度しかない入学式で爆睡なんて、、、
幸いなことに私はいびきはかかない体質なので周りへの被害はあまりないだろう
、、、
たぶんだけどね。
はぁ。。。
ま、いっか!
過ぎた事を嘆いても仕方ない!
私は過去を振り返らない女なのだよ!!!
入学式が終ると今日はもう帰宅して良いそうなので美希と合流しに行った。
うん。忘れてた。
私の妹って天使なんだった。
美希の周りには人溜まりができていて近づくことができる状況でなかったのだ。
どうしようかねー?
気長に人が減るのを待つとか?
いやいや、それは無理です
なぜならお腹が空いてるから!!
もうお昼の時間ですよ〜
リムジンの中で食べたおにぎりはとっくのとうに消化済みのようだ。
さっきからぐぅぐぅ腹の虫が鳴っているのだが!!
早く帰ってご飯食べたいのだが!!!!!
今日は入学祝いということで家族でお祝いをするのだ!
我が家の優秀なシェフがおいっしーランチを用意してくれているに違いない。
あぁ、早く食べたい。
よし、ここは強行突破で行きましょ〜
はい!
大きく息を吸って〜
「みーーーきーーーー!!!!
かーーーーえーーーーろーーーーー!!!!」
大きな声で叫んでみた。
そしたら美希を取り巻いていた人、道を歩いていた人にめちゃめちゃ見られた。
どひゃ〜
凡人な私がこんなに注目されることなんてことなんてなかなか無いもんだから恥ずかしい〜
しかも大声で叫んだまるで変なやつを見るような目で見られてる〜
私は変な人じゃないぞ!
常識人だぞ!一般ピーポーだぞ!!
「明希ちゃん!
ごめんね、待たせちゃったね。
帰ろっか!!」
そう言って天使が私の元にやって来てくれた。
優しいわ〜
私の妹ってほんとーに優しいわ〜
よし、そんじゃ〜帰りますかね!
ロータリーに行くとそこには朝と同じリムジンとその前に有田がいた
「お嬢様、おかえりなさいませ」
と言ってドアを開けてくれた。
うぉー!なんだかすごく執事とお嬢様っぽいな!!!
なんだかテンション上がっちゃうな〜
キューグルグル
。。。。
テンション上がったついでにお腹の虫もなってしまったようだ。
リムジンに響きわたったからね。
いやはやお恥ずかしい。
私が恥ずかしがっている間に車は発進した。
「明希様。
お腹が空いていらっしゃるのでしたらサンドイッチをご用意しておりますがいかがなさいますか?」
有田がバスケットからサンドイッチを取り出した。
有田ぁぁぁあ!!!!
ナイス!ナイスアシストだよ!!!
サンドイッチ!
絶対美味しいだろそれ!
あー食べたい!!
「あの、ぜひ食べt「あぁでもいまお召し上がりになりますとせっかくのシェフが朝から仕込んでいた絶品ランチが入らなくなってしまいますねぇ」
はっ!!
確かに!!!!
目の前にあるサンドイッチをとるか、絶品ランチをとるか、
極めて難しい問題である。
いや、でもさ、私なら両方食べるということができるのではないだろうか?
でもなぁ〜それで太ってせっかくの新しい制服が入らなくなったらそれこそ悲劇だからなぁ〜
悔しいが、とてもとても悔しいがサンドイッチは諦めよう
「有田、せっかくなのだけどサンドイッチは遠慮します」
清く諦めよう。
「わかりました。せっかくのサンドイッチですがお嬢様がそうおっしゃるなら仕方ありませんね。」
そうして愛しのサンドイッチちゃんはバスケットの里におかえりになった。
有田ぁぁぁあ!!!!最初から私にサンドイッチ渡す気なかっただろーがぁぁぁあ!!!!!
私が絶品ランチをとるってわかっててサンドイッチちゃんをちらつかせただろーが!!!!!!
ドS執事め!!!!
なに、私って虐げられてるの?
そうなの?
あ、なんか悲しくなって来たわ〜
もうこうなったら
はやく!
はやく帰ってはやくご飯が食べたい!!!!!
そんな私の気持ちを代弁するかのようにまた車内に グゥ という音が鳴り響いたのだった。




