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超人クラブ 先生のフィアンセ その20

2年前、弘明は孝雄と和解した。


「おやじ」

「おおっ、弘明か。よく来たな」


眼を細めて我が子を見る。

久々に合間目見える感動の時。

弘明はグラサンを外して、

背広の外ポケットにしまうといきなり額づいた。


土下座である。

学資をねだった事すらない彼の初めての頼み事。

彼の親友が持ち込んできた厄介事についての

手助けの依頼だった。


蛇の道はへび。

脅迫、賭博、恐喝、傷害、殺人等、どんな犯罪も

高い割合で暴力団が関わっていると言われている昨今。


弘明は最もその道に影響力のある人間を頼ったのだ。

事の詳細を聞いた孝雄は鷹揚おうようにうなずいて

協力することを約束した。


しかしそれは藤堂弘明の将来と引き換えた

犠牲の上に成り立つ盟約に過ぎなかった。


「お前の要求はのんでやろう。

 だが、一方的に要求するだけでは虫がよすぎる。

 儂の要求も呑んでもらおうか」


「わかっている」


跡目相続の話か。いづれは言われるだろうと思っていた。

何せ、本家には後継ぎはいないのだ。

後を継ぐという事は藤堂孝雄が率いる『流星会』のトップに君臨する事になる。

ようやく手に入れた弁護士と言う職業も捨てなくてならない。

それは弘明の望むところではなかった。

面を伏せたまま拳を握りしめ、否応なく

かげりを帯びた顔で苦々し気に唇をかむ。


織り込み済みの事態をとっくに予想はしていたが、

イザとなると、血なまぐさい犯罪の世界に身を置くのは気が引ける。


弘明はだからこそ、真っ当な弁護士という職業を選んだのだ。


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