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超人クラブ 先生のフィアンセ その16

『ちっ、一体どこにいるんだ。部室か?カウンセリングルーム?』

まさか来てないなんてことは……もうこの状況に一刻も耐えられない。

はやくリミッター代わりの眼鏡を智花に返してもらわないと

いつまでも彼らの思考を読み続ける事になる。


足早に教室を出て階下に降りて行こうとすると

数人の女子に取り囲まれた。

隣のクラスにいる有名な腐女子軍団五人組。


「仁くーん。あのね。質問があるんだけど」

「何?」


聞かなくても分かるけど一応、不愛想にそう答える。

「アレンと仁君ってどういう関係?」

「友達だけど何か?」


意味深な彼女たちの顔に一瞥を投げて

その場を通りすぎようとすると行く手を阻まれた。

「そうなんだぁ。やっぱり妖しいとは思ってたのよねー」

「妖しいって何が?」

「ただの友達じゃなくて、とても親密な関係なんでしょ?」


わあーっ、もう耐えられん。こいつらの頭ン中って

……伏字だらけじゃん。

俺とアレンで変な妄想するな。気持ち悪すぎる。


「あっ、智花、ちょっとぉ、大山さーん」

一冊の本を抱えて一階の図書室から上がってきたらしい

智花の姿を認めて仁は大声で呼びかける。

「おはよう、佐藤君」

にっこり笑って歩いてくる智花。

仁の前に立つ腐女子五人組を認めて智花は苦笑いした。


「大山さん、あのぉ、眼鏡返してくれるとうれしいんだけど」

「ああっ、これね」

セーラーの外ポケットにハンカチに包まれて入っていた眼鏡を取り出して

「佐藤君、顔赤いけど大丈夫?」と尋ねた。


「大丈夫、大丈夫、それ返してくれればもっと大丈夫になるから」

「うーん、どっしよっかなー」

智花はいたずらっ子みたいな顔して意地悪な事を云う。

「大山さん、今日返すって言っただろ」

怒鳴りだしたいのをがまんしてそう言ってみる。

「うん。そうでした。はい、どうぞ」

受け取ってすばやく眼鏡をかけ、五人組に言い放った。


「俺とアレンはやましい関係じゃないから、それ以上詮索するようなら

 こっちにも考えがあるからな」

中指で眼鏡を押し上げて凄んで見せる。

普段の仁はかわいいじゃなくて、ちょっと怖いで通っている。


「やっだー。冗談に決まってるじゃなーい。仁君たらもうっ怖いんだから」

適当にお茶を濁し、きゃらきゃらと笑いながら去ってゆく彼女たち。

いや、絶対冗談じゃなかった。絶対本気まじだった。

腐女子の妄想怖いと思っているとくすくす笑いながら智花が言った。


「ほんとに佐藤君ってギャップあるよね。眼鏡かけてる時とかけてない時で」

「そんなにか?」

「うん、かけてないときの方が断然可愛い」

智花にそう言われて顔が赤らんだ。

女の子の「可愛い」は理解不能だ。

「ところでアレンと仲良くなったの?」

「うん、そう」

「へぇ」

予鈴が鳴る。


「時間ないからその話はあとでな」

「ふーん、妖しいな」

「何だよ。ソレ、お前も腐女子とか言うなよ。智花」

「言わない。言わない」

笑いながら二人教室に戻る。


まだ、私語の収まらない教室に出席名簿を抱えた彼らの担任が入ってきた。

いつもと変わらない一日の始まりだった。



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