79/483
超人クラブ 先生のフィアンセ その14
「どうしました?仁。何か気になる事でも」
「いや、別に。
あのさぁ、ちょっと離れて歩いてくれると嬉しいんだけど」
「どうしてですか」
「どうしてって」
「ああ」
彼はぐるりと周りを見渡し鷹揚に笑った。
「別にいいじゃありませんか。気にしなければいいんです」
彼も精神感応者だ。仁と同じ感じ方をしているはずだ。
だが、その彼は仁とは違って強靭な精神力を身に付けているらしい。
学校に来る途中、同じ方向に歩く生徒に
「ハロー」とか「モーニン」とか気さくに声をかけている。
あー、はい、はい。俺ってメンタル弱すぎだよね。
気にしなければいいんだ。気にしなければ。
仁は仁でそれなりに目立つ存在ではある。
それを自覚してない彼にも相応の責任はあった。
だが切れ長な目元に一片の憂いを滲ませて
禁欲的で仄暗い魅力を周りにまき散らしながら
歩いている事を彼自身は欠片も感じていなかった。




