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超人クラブ 先生のフィアンセ その8

スマホの呼び出し音がなった。

リビングの長椅子に座って、スポーツのテレビ中継を見ていた

藤堂弘明は椅子の前にあったローテーブルに手を伸ばした。

置いてあったスマホを取り上げデイスプレイを見る。


「ちっ」アイツか……。

スマホを操作し電話に出る。

「はい、藤堂です。ただ今、電話に出ることができません。

 ていうか。俺は忙しい、かけてくんな」

立ち上がってそう言い放った所でスマホを持つ手に重みが加わった。

「えっ、げっ、わああああっ」

目の前でぼんやりと人体が出現する。

自分の右手をがっしり掴んでる手から順繰りに形が現れ次第にはっきりとしていく。

驚きのあまりたたらを踏んで三歩下がり元の長椅子に倒れこんだ。


「キクトメ!お前、そういう出現の仕方やめろっていつも言ってるだろ」

息が荒いまま藤堂は目の前に現れた義之に怒鳴った。

いつもだった。中学時代からの腐れ縁。超能力者だとカミングアウトされてから

何度か見慣れた光景ではあるが、いきなり出現される気味悪さは

いつみても変わりようがなかった。


「お前ねー。おれが独身だからいいようなものの、

 妻子がいたらどうするつもりなんだよ」

「その場合には、ちゃんと玄関から入って」

「次からそうしろ。心臓に悪いだろ。ったく」

言いたいことを一通り言って気が済んだのか。


藤堂はサイドテーブルの上にあった煙草を取り出し火をつけて吸い始めた。

一息はいてから「それで、何の用だ」と義之に聞いた。


「えっ、ああ」

「お前が電話かけてくるときは深刻な用事ある時、だろ」

細身で長身の義之と違って、藤堂は若干低い172センチ

体育会系の見事な筋肉、逆三角形の体格をしている。

もう寝る前だったのか、パジャマ姿だった。


大学は同じだったが、専攻は違った。

一緒につるんでいるのが不思議がられた程、正反対な二人。

藤堂は法律学科を専攻し順調に弁護士の道を歩んでいる。




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