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超人クラブ 先生のフィアンセ その4

義之はひかりの態度にえらく満足そうだった。


「そうですか。アレンを気に入って頂けた所で一つ提案があるのですが」

「……何よ。何がいいたいの?」

義之は彼女のそばまで行って、肩を抱き寄せて囁いた。

「え?、ええーっ?」

彼女は暫く黙りこくってカラ、肩に回された腕を振り払って、義之の頬を右手でおもいっきり引っぱ叩いた。

弾き飛ばされた眼鏡。

しばしの沈黙。


ひかりは憮然とした表情で彼を見上げた。

180センチの義之より明らかに低く-20センチ以上の差があり、お互いの距離が短いとどうしても見上げる形になってしまう。


「ありえない提案ね。自分が言った事の意味、よーく考えてごらんなさいよ。

 婚約破棄もんだって事、わからないの?」


そう言うと彼女はリビングダイニングから足早に消えて,

脱衣所に籠り、程なくしてバスローブから自分の洋服に着替えてきた。


「今日の所は帰るわ。そこにいる二人ともなんだか訳アリみたいだし。」

「ひかりさん、帰るって……食事は?」

弾き飛ばされた眼鏡を拾ってかけなおし義之が聞いてきた。

憎らしいほど落ち着きはらった態度。


「あんまり帰ってくるの遅いから先に食べちゃった」

「そうですか。なら」

「とにかく、これ、返しておくわ。さっきの話、気が変わったら連絡頂戴ね。じゃぁね。」



彼女は左手の薬指にはまった婚約指輪を引き抜くと長椅子の前のローテーブルの上に置いた。

そして二人の生徒を一瞥すると肩にイブサンローランのトートバッグを引っかけて部屋から出ていった。


「センセイ、いいんですか?今の」

ぜんぜん動じない菊留先生を見て、仁は慌てて言葉をかける。

「何がですか?」

「だって、今、婚約破棄とか、はやく引き留めないと」

ガチャッと扉を開けてアパートを出ていくひかりの気配を気にする。

「ああっ、いいんですよ」

「先生、一体なんて言ったんですか?」

「彼を養子にしたいって言ったんです」

「えっ、……!」

新婚カップルが、16歳の青少年アレンを養子に……?

そんな提案受け入れる婚約者なんているのか?


「きっと彼女受け入れてくれますよ」

のんきに答える先生の言葉にイラっとしながら、さらに仁が言葉をかける。

「なんなんですか。その根拠の無い自信」

根拠がないといわれたにも拘わらず自信満々で先生は言ってのける。

「私のサイドエフェクトがそう言ってます」


たった今、婚約破棄宣言されたばかりなのに余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の

先生の言葉に仁はため息をつく。

それにしても、サイドエフェクトだなんて、またしても……。


「先生、有名漫画のセリフ丸パクリじゃないですか」

意味の解らないアレンは顔にクエスチョンを浮かべて二人を見比べている。

まぁ、出会った当初からこんな先生ではあった。


先生の超能力は予知の力も含まれるらしい。

自分にない能力を数多く秘めた先生の力は驚嘆に値するものだった。

やっぱり、研究者のお気に入りは伊達ではない。

仁は先生に羨望する事を禁じえなかった。



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