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超人クラブ 先生のフィアンセ

[すごいよ。アレン」

あらかた傷がふさがった左手を見て、仁が驚嘆の声を上げる。

ナイスなフォローだった。

この言葉は菊留先生が言ってもなんの効果もない。

赤の他人の仁が言うからこそ心に響くものがある。

「すごいの?これ」

真顔で聞き返されて仁は呆れたという顔をする。


「こういうの。何て言うんだっけ。宝の持ち腐れ?豚に真珠?」

「アレンの場合は両方ですね。」

「どういう意味ですか。」

「気になるんなら辞書引いて下さいね。」

言葉の解説をせずにその場を笑いで収められてしまい意に沿わぬ対応に、アレンはむくれた顔で先生を睨んだ。


「それはそうと先生って、……一人暮らしだったよね」

「そうですけど。」

「じゃあ、この音はなんなんですか。」

風呂場の方で水音がする。

思いっきり不振顔の仁に指摘されて先生は首を傾げた。


さして広くもない2DKのアパート。

それぞれの部屋を使っている時の音は互いの部屋に結構聞こえてくる。

第一キッチンから漂ってくるスパイシーなカレーの香り。

先生のいない間に誰かが部屋にやって来て、料理をしお風呂に入っているのは明らかだった。


暫く考えていた先生はその人物に思い当たるふしがあったらしく、顏が赤くなり、すぐ真っ青に変化した。


そうとは知らないくだんの人物は「ふん、ふん、ふん」と鼻歌を歌いながら風呂場から上がり、着替えをすませてスリッパをパタパタいわせながらリビングの扉を開けた。


「あっ」

ばっちり眼があった二人はそう言ってフリーズした。





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