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超人クラブ アナザー その289
小半時ほど経過して。
裕也の説明を聞いた正人は「ふむ」と頷いて腕を組み天井を見上げた。
「つまり、君は、お母さんを殺した『相方制度』を無くすために『一ノ宮』なりたいのか」
「そうです」
裕也の返事は静かだった。気負った所が全くない。
「『一ノ宮』になるための襲名披露を自分で仕切って正統性を主張して」
「ええ」
「なった暁には『相方制度』全面禁止の初勅を発するというわけか」
「……だめでしょうか?」
「いや、壮大な企みだな。だが、これは……きっと邪魔が入る」
相方制度は長く引き継がれてきた慣習だ。おいそれとは壊せない。
一段と低くなった正人の声に裕也はフッと笑った。
「だから、師匠にお力添えをお願いしております」
「私が力を貸すの構わない。相方制度には一家言持ちだからな、だが菊留には無理だ」
「なぜですか? 菊留先生は超能力者なんでしょう?」
「その通りだが」
「一ノ谷君。後は私が」
それまで黙って聞いていた義之が口をはさんだ。
「わかった」
「裕也君、残念ですが、私は君を手助けする事はできません」
言いながら義之は指輪の存在を確かめるように手をすり合わせた。




