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超人クラブ アナザー その287
「参ったな、驚いた。君が菊留先生や、一ノ谷正人までつれてくるなんて思いもしなかったよ」
響はグイッとアレンの腕をひっぱりベランダに連れ出すと、耳もとで囁いた。
ちょうど、裕也との会話で二人の名前を口にした所だ。
偶然とは言え、あまりにもタイミングがよすぎた。
「すいません。貴方を助けた事を義父に知られてしまって」
アレンの声も小さい。
「そうか、すまない。叱られたのか」
「はい、義父は『癒し手狩り』を恐れているんです」
「……わかるよ、それは当然の反応だ」
押し黙ったアレンに響は再び囁いた。
「安心していい。君を政府に引き渡す気はない」
「そうですか。助かります」
残りの三人は、ベランダに移動した響とアレンを気に留める様子もない。
正人はテーブルの上に、持参した封筒を置き、裕也に読むように勧めた。
見覚えあるウグイス色。裕也は手にした封筒を裏に返した。
右側に陰陽を表すマークが書かれ、横に文がしたためられている。
『 陰極まれば、無極を経て陽に転化し、陽極まれば、無極を経て陰に転化する』
見慣れた文言に眼がすっと細くなった。
「師匠。これは……」
「湖北一宮から来た手紙だ。読んでみなさい」
「……はい」
封書から紙を取り出し中身を読む。裕也は息を呑んだ。




