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超人クラブ アナザー その286

「やめなさい。アレン、君の能力がばれたら」

「しっ、黙って、義父さん……見つけた。こっちだ」

 アレンは立ち上がると、坂を下って走り出した。


 集合住宅の一室、連打される呼び鈴にぞんざいな口調で応じ、扉を開けた桜井 響は眼を見開かせた。


 目の前に背の高い、金髪、菫色(すみれいろ)の瞳をした青年が立っている。

「君はアレン……なぜ、ここがわかった」


別れたあと、アレンが後ろをついてくる気配はなかった。

彼は家の位置を知らないはずだ。

アレンの後ろに立つ人物を見て、響は即座に扉を閉めようとした。

「待ちなさい」

一ノ谷 正人は閉まる扉にとっさに靴を差し入れた。

「足、のけて下さい」

「君が、素直に中に入れてくれたらのけるよ」

 扉の内と外でじりじりと力の攻防が続く。


「お話する事は何もありません」

「うそつけ、裕也君。そこにいるんだろう?素直に部屋に入れてくれ」

 正人は部屋の中に聞こえるよう大声で呼びかけた。

「ちょっと、何ですか、迷惑です!大きな声で」

「師匠」

 裕也が玄関にやってきたのを見て取り正人は話しかけた。


「裕也君、ここを開けてくれ、話がしたい」

「響、ノブから手を放して」

 裕也は響の腕を掴んでドアから引き離そうとした。

「裕也、邪魔するな」

「たのむよ。響、師匠を中に入れてあげて」

 裕也にしては珍しく低頭な物言いだった。


 2DKのアパートのたいして広くもないキッチン兼居間。

 そこに五人もいれば狭苦しい。

 ダイニングテーブルセットの椅子に菊留 義之と一ノ谷 正人が座り、向かいの席に葛城 裕也が座していた。

 響は立ったまま不機嫌そうに腕を組み、所在なさげに窓の外を眺めている。

 申し訳なさそうに身を縮こませて、アレンは響の横に立った。


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