超人クラブ アナザー その285
なぜ、気が付かなかったのか。アレンは桜井響が怪我をしていたと言った。
アレンが響を助けた事に対して憤り、大事なことを見落としている。
「緊急事態ですね。これは直接行って確かめた方がいい」
義之は立ち上がりジャケットを羽織った。
同時にアレンもソファから立ち上がった。
「義父さん、僕も一緒に」
「ダメです。アレン、君はここにいなさい」
「僕は響さんの家を知ってる。近くまで案内するよ」
義之は暫く思案してから答えた。
「わかりました。じゃ、一緒に来なさい」
今の義之にとって超能力はもろ刃の剣だ。
一ノ谷 正人というストッパーが側にいるとしてもリミッターは極力外したくない。
「義父さん、ありがとう」
アレンは正確には家の場所を知らなかった。
だが彼に会わなければいけない。そんな気がしていた。
正人の車で桜が丘のバス停までやってきた三人は、そこで車を降りた。
まわりは史跡公園だ。ろくに外灯もない暗い夜道で周りを見回した。
眼をこらしても周囲の風景はよく解らない。
「アレン、家がないじゃありませんか。家を知ってると言うのは嘘だったんですか」
「……ごめんなさい。実は家まで送らなかったんだ。でも方角はわかる」
アレンはそう言うと片膝をついて地面に右の手のひらを押し付けた。
眼を閉じて地面に向けてオーラの放出を始めた。
アレンを中心にその距離、半径一キロメートル。
レーダーのように周りにオーラを放出し、桜井響の居場所を探る。
義之が以前、やってのけた索敵だ。彼は義之の能力をちゃんと受け継いでいる。




