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超人クラブ アナザー その280

「……裕也、あのさぁ。可愛さ、あまって憎さ百倍!って言葉しってるか?」

「うん、知って……えっ、それって僕のこと?何でそうなっちゃうわけ?」


術をかけた本人が術の効力を良く知らないって言う事はままある。

裕也はその典型的な人間だ。彼は使って理解するタイプなのだ。


「はあ~っ」

裕也ってほんとに……。

響は嘆息して彼の主を眺めた。

まるっきりの子供だ。大人びて見えても彼はいまだに少年くさい。


「裕也。当主としての今後の計画を聞かせてもらおうか」

「うん」

「相方は高森 要、後ろ盾は角田 護って言ったよな。他には?」

「考えてない」

クッションを抱え、ベッドに寝っ転がったまま、足をぱたぱたさせて裕也はそっけなく言った。

「は?考えてない?嘘だろ」

「正確には考えてるけど迷ってる」

「誰に助力を求めるつもりだ」

「……それは、一ノ谷正人師匠」

「えっ、あいつか」


追い詰められたネズミのような立場でも、響には正直頼りたくない人物だ。

アイツに頼るくらいなら……響は口を開いた。


「聞け。裕也、今日、俺は菊留先生の息子さんに助けられた」

「菊留先生の息子?」

「アレンという学生だ」

「へぇ。外人なんだ」

「彼は『癒し手』だ。菊留先生とあの遊園地にいた生徒たちも全員、超能力者だろう」

「うん。たぶんそうだろうね」

「不思議だけどあの先生の周りには超能力者が集まっている。俺は菊留先生を頼った方がいいと思う」


菊留先生は退魔師の術も使える。見事にジョロウグモを退治したあの手腕。

考えなかったわけではない。むしろ漠然と思っていた。

菊留先生を中心とする超能力者たちに助力を求めるべきだと。


「菊留先生は私立開成南の教師だよ」

「ほんとか!なら、好都合じゃないか。接触して事情を話して」


菊留先生には事情を話す必要すらないのではないか。

遊園地にやってきた先生は一瞬で僕たちの事情を察知した。

響は腰かけていたベッドから立ち上がると裕也の手をとった。


「裕也、今から行こう」

「性急だな。今から行っても、迷惑なだけじゃないのかな」


菊留先生の事情を話して高森 要に強制して相方を務めて貰うのは本意じゃない。

要には強制ではなく、納得して自分に協力してほしかった。

だから、最初に接触を試みたのだが、自分の居所が本部にバレた事で猶予がなくなってしまった。

響のいう事は一理ある。


「わかった。明日、先生に話してみるよ」

裕也の言葉に、響は頷いた。



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