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超人クラブ 菊留先生の憂鬱 その二十二

結局の所、説得はなんとかうまくいった。

だがしかし、言葉巧みな智花に要求を突き付けられ智花が英語の授業をまともに受ける代わりに菊留先生は、智花の要求する「謎のクラブ」を作る事になった。


そしてその翌日、放課後のカウンセリングルームは大盛況になった。

何人もの生徒が菊留先生に質問するために

部屋の入り口から長蛇の列を作ってしまったのだ。


一番最初にやってきたのは、恋に恋する右隣りのクラス乙女五人組。

「せんせー、クラブ作ったって聞いたんですけどなんでも悩みを聞いてくれるクラブらしいですね」

「私、菊留先生に恋の悩み聞いてもらいたいです」

「イヤ、そういうクラブじゃなくて」

「悩みは何でもいいって聞いたんだけど」

「聞いたって誰から」

「先生のクラスの大山智花さんから」

「!……だから、そういうたぐいのクラブではありませんから、き、君たちは自分のクラブにもどりなさい。」


なんとか納得させて部屋から出て行ってもらうと入れ替わりに入ってきたのは左隣のクラスで英語の成績が底辺で有名な三人組の男子生徒たちだった。


「菊留せんせー、先生の英語、とってもうまいんだって?」

「俺らの英語の補修してほしいんだけど」

「イヤ、私は国語の教師ですから、そういうお話は君たちの担任に」

「だって、坂田の授業つまんねーし」

「せんせーの講義面白いらしいじゃん」

「一体誰から聞いたんですか。そんなデマ」

「誰からって佐藤仁から」

「!……だから、そういうたぐいの補修は絶対しませんから、き、君たちは自分のクラブにもどりなさい。」


一応、納得させ部屋から追い出す。

次から次へと部屋を訪れる生徒たちから、似たような質問が浴びせられる。

一通り生徒をさばき終わると、怒りの靴音を響かせ菊留先生は放送室へ歩いて行った。

放送室では狭い室内で放送部が明日の昼休憩に流す曲の打ち合わせをしていた。


事情を説明し少しの間、機材を借りてスイッチを入れ構内放送をかけてもらう。


『ピンポンパンポーン♪ 生徒のお呼び出しをします。

 一年三組 大山智花さん、佐藤仁君、至急カウンセリングルームへ来てください。

 菊留先生がお待ちです。ピンポンパンポーン♪』

放送部の面々にお礼を言って足早にカウンセリングルームに帰り、しばらく待っているとくだんの二人が何食わぬ顔で部屋にやってきた。


「何か用?先生、俺、シューティング練習の途中だったんだけど」

「せんせー何ですか?私も文化祭用の漫画書くのに忙しいんだけど」


佐藤仁はバスケット部、大山智花は漫研部所属だ。


「はぁ~、全く、君たちは一体全体学校中にどんな噂を流したんですか?」

「えっ、ああっ、先生が英語上手いって言っただけ、別に俺、嘘ついてないし」

「私も、先生がクラブ作るってそれだけしか言ってないよ」

「悩み相談のクラブですか」

「あはっ、だったらイイナっていう話はしたけど」

つまりは尾ひれがついて作る話になっていたという事らしい。


「智花さん、要求どおりクラブは作ります。

 その名も「超人クラブ」会期は不定期、いいですか?

 存在そのものが構成員により秘匿される秘密結社のようなクラブにします。

 今後一切他言無用ですよ。」


こうして、超人クラブは設立される事となった。

菊留先生は二人の担任でいる一年間、さんざんこの二人に振り回されることになるのだが、今はまだ知る由もなかった。




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