超人クラブ アナザー その272
「なんだ。やぶから棒に」
「響は里で一番、僕が弓がうまいって言ったよね」
「うん。言ったな。それがどうして嘘つきになるんだ」
「今日、試合で引き分けたんだ」
「試合?学校にそんな授業があるのか?」
響は怪訝な顔をした。
「ちがう。部活で」
「……部活?弓道部か。いきなり試合したのか?」
「そう」
「ふーん。どうして試合になったんだ?」
「僕が申し込んだ」
「は?よくまぁ。そんな事を」
「引き分けると思わなかった。ものすごいショックだ」
顏を上げて不満そうに唇を尖らせて、畳みかけるように裕也は言った。
「狭い世界で天狗になってたんだから、鼻っ柱折られてちょうど良かったんじゃないのか」
バフン!笑う響に裕也はむっとした顔でクッションを投げつけた。
「裕也は里では一番だけど、世間は広いって事だ」
バフン!二度目は命中しなかった。響はちゃっかり避けてクッションは壁にぶつかった。
「どや顔で言うな」
「でも、ソイツはそうとう弓が上手いって事だな。交渉決裂か。焦ってもだめた」
「わかってるよ。だけどさぁ。彼、ほんと質の悪い番犬みたいなんだから」
「質の悪い番犬?」
「角田っていう上級生。試合を申し込んだ相手だよ。
角田財閥の次男らしい。彼があまりにも要をガードするから」
「なるほど。イラっときて試合を申し込んだと?」
「そうだよ。なんか文句ある?」
大ありだ。こりゃ、相当に向こうの気持ちはこじれただろうな。と響は嘆息した。




