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超人クラブ 菊留先生の憂鬱 その二十一

「最後がしまりませんでしたね。お姫様抱っこまでしろとは言ってなかったんですが」

担任はパチパチパチと手を叩きながら残念そうに、しれっと感想を述べる。


「うっ、うるさいな!俺がやりたかったの」

「君はもう少し筋肉つけた方がいいですね。まずは30キロの米袋で鍛えて下さい。」

よけいなお世話だ。菊留先生ならお姫様抱っこが出来るというのか?

先生の方こそぜんぜん筋力がなさそうに見える。


「ねぇ、ねぇ、さっきのどうやったの?佐藤君マジシャン?イリュージョニスト?」

「どうやってって……」

しつこく聞いてくる智花の返答に困る。

「だから、その」

「佐藤君は超能力者なんです」

口ごもる俺のかわりに先生が口を挟んだ。


「超能力?」

「そう、智花さんに幽体離脱できるように、佐藤君にもこんな力があるんです」

先生はそう言いながら右手の薬指の指輪を外し部屋の隅っこにあった机と椅子に念を送り定位置に戻して見せた。

智花は勝手に動いて元の場所に戻った机と椅子を目を見開いて凝視している。


「すごい、すごい能力ちからね。」

「私も智花さんの能力のうりょくは初めてみました。」

「先生も超能力者なんでしょ」

「そうですよ。智花さん、それはそうと体を留守にするってことはさっきみたいに、何をされても気が付かないってことなんです。二度と授業中に抜けたりしないでください。」

「ねぇ、先生、クラブ作ろうよ。超能力クラブ、うーんちょっと違うな。超常現象研究クラブとか」

「智花さん、人の話を聞いてますか?」


「えっ、ああっ、大丈夫聞いてますよ。」

軽いノリで返答を返す智花、彼女の提案に俺も口を挟む。

「クラブかぁ、超人クラブなんてのはどうかな?」

「ええっ、ちょっとダサくない?いっそのことよろず相談事お悩み解決クラブとか」

だんだん趣旨が変わってくる。


「冗談じゃありません。ほんとに恋に悩んでる女子とか

 将来について悩んでる男子とか相談にやってきそうじゃないですか。

 そういう現実的な悩みは……だからえーっと今はクラブを作る話じゃなくて」


頭を抱える担任を見て、唐突に智花は話の論点をもとに戻した。

「わかりました。先生が英語の夏期講習やってくれたら私も頑張れます。」

「えっ?私がですか?英語の夏期講習は坂田先生にお願いして」

「だって、先生の講義面白そうじゃないですか」

「英語の講習ならあんな授業しませんよ。

All Aboard!English Communication I からはじめます」

「えーっ、授業とぜんぜん変わらないじゃん。」

「学校の夏期講習なんてそんなものですよ。わかったらちゃんと坂田先生の授業を受けて下さいね」

「イヤだと言ったら?」


「智花さん、いいですか。この学校は評価点1があると留年決定なんですよ」

「えーっ、そんな事、一言も生徒募集要項に書いてなかったけど」

「そんな事を書いて生徒を募集する高校なんてありません。」

「詐欺じゃないですか」

「そういうの。詐欺とはいいません」


智花の言葉に呆れる担任

俺はまるで漫才のような二人のやり取りを聞いてやっぱり一人で笑っていた。

あきない。この二人は漫才コンビでも組めばいいのに

半ば本気でそう思った。




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